この投稿の最初のほうで、配線引き回しで気に入らないところが有ると書きましたが、そこを修正していきます。
主には左右のセパレーションの改善です。
モノブロックアンプのセパレーションが良いのは、電源、グランドラインが完全に左右で独立しているからです。
ステレオアンプの場合は、ひとつの筐体の中で信号の流れに沿って出来るだけ左右で分離する必要があります。大切なのはグランドラインも含めてです。
セパレーションを悪くする要因としては、配線内での混成と高域での空中からの飛び込みがあります。
空中からの飛び込みはシールドするか離すしか有りません。距離は2乗で効きます。
<グランドの引き回し>
グランドも扱う信号の大きさに合わせて元のグランドに戻します。
「グランドラインも回路の閉ループを成す信号ラインのひとつ」という考えの基に修正します。
ポイントは、
①一点アースとする。
②LRチャンネル毎にグランドを引き回す。
という事です。
このアンプは1点アースは出来ていましたので、②のセパレーション対策です。
グランドの引き回しを「送り配線では無く、独立配線」としました。
例えば、L(GND) ==> R(GND) ==> 元GNDとなっていた所は、L(GND) == 元GND、R(GND) == 元GND
或いは L(GND) == 元GND == R(GND)としました。
初段、ドライブ段、出力段のカソード配線でこの様な所が見受けられました。
(修正後)
写真上部のホーロー抵抗のグランドラインを下の写真と比べてみて下さい。変更してます。
他には、見え難いですが写真右下の6SN7周りのグランドの引き廻しも修正しています。
(修正前)
それにしても、購入時から比べると内部が結構「蜜」になってきました。
<信号ラインの引き回し>
左右の信号ラインは束ねない様にしました。可能な場合は離して別経路を通しました。
上の写真を参照。
<入力部の内部配線>
RCAソケットからVRまでの内部配線に1芯のシールドケーブルが使われていましたが、私は、編み線にグランド信号を通すのは好きでは有りませんので、2芯タイプのシールドケーブルに交換しました。
使用したケーブルは、「タツタ立井電線のマイクケーブル」です。
編み線は片側でグランドします。今回は、配線のやり易かったRCAソケット側でグランドしました。
また、VR~初段グリッドは短いので単線を使いました。
(変更前)
(変更後)
これらの修正により、音の左右の分離が良くなり、音に広がりが出てきました。
~つづく~