「みなさま、1週間のお勤め、ご苦労様でした・・・」
別にテレビでの放送ではない。今日の帰りに乗った電車での車掌さんのアナウンスの出だしがこうだった。ふつうの放送でも全然いいのだが、こういう小気味いいアナウンスは、親切だなと思うのと同時に、聴いてるこっちが恥ずかしく思うときもある。
高校生の時、通学は電車でなく、バスを使っていたが、ここに饒舌な運転手さんがいた。顔は強面かつスナイパーみたいなサングラス(!?)をかけている人で、話しかけるのがおっかなそうな人なのに、運行中の車内アナウンスがのべつ幕なし、止まらない。こんな感じで。
「ご乗車ありがとうございます、○○病院行き、次は△△高校前(停留所名)、△△高校前、お降りの方いらっしゃいませんでしょうか・・・(バス停に近づくと)ご乗車ありがとうございました、△△高校前、△△高校前です、お忘れ物ございませんでしょうか、足元お気を付けてお降りください、ありがとうございました、△△高校前です。」
もちろん、バスはワンマンなのでテープによる放送もあるのだが、その存在がほとんどなかったかのように、走り続けるあいだ、アナウンスはほぼ途切れることなく、乗客がたとえ自分一人しかいなかったとしても、同じようにアナウンスをしていた。もし途中で自分が降りてしまっても、同じようにアナウンスするのだろうか・・・?そんなことを思うときもあった。
もう20年近く昔の話だが、気の利いたアナウンス放送を聞くたび、あの時の運転手を思い出す。