ポンペオ米国務長官は6月13日、北朝鮮の非核化について2021年1月までのトランプ大統領の1期目任期内にほぼ達成したいとの考えを表明した。
複数の米メディアが報じた。
米朝首脳が署名した6月12日の共同声明には非核化期限は明示されておらず、米政府高官が具体的な日程に言及したのは初めてとみられる。
ポンペオ氏は、北朝鮮との非核化交渉が行き詰まれば、トランプ氏が中止するとしていた米韓合同軍事演習を再開することになるとの認識も示した。
その上で、北朝鮮は非核化を確認するために徹底的な検証作業が行われることを理解しているとも述べた。
北朝鮮の朝鮮中央通信は6月13日、シンガポールで開かれた米朝首脳会談の結果を報じ、両首脳が朝鮮半島の非核化を実現する過程で「段階別、同時行動の原則」の順守が重要との認識で一致したと伝えた。
非核化実現まで制裁解除などの見返りを与えないとしてきた米側が、北朝鮮が求めてきた段階的措置を容認したと取れる内容。
トランプ氏は米メディアのインタビューで、金朝鮮労働党委員長が帰国後直ちに非核化プロセスに着手するとの見方を示したが、基本的な立場の隔たりが早くも露呈した。
米国は完金非核化に向けた具体的措置の交渉を本格化させる意向で、激しい攻防が予想される。
同通信によると、金氏は「米側が信頼構築措置を講じれば、追加的な善意の措置を講じる」と述べ、米側の見返りに伴う措置に段階的に応じる考えを示した。
朝鮮半島の平和と非核化を実現するためには、両国が互いを敵視しないことを担保する「法的、制度的措置」を講じるべきだと強調した。
また「相手を刺激し敵視する軍事行動を中止する英断を下すべきだ」と要請。
トランプ氏は理解を示し、米朝が対話している間の米韓合同軍事演習の中止や、北朝鮮に対する安全の保証を表明、米朝関係の改善に従って制裁を解除できるとの意向も示したという。
米国は例年8月に韓国と合同指揮所演習「乙支フリーダムガーディアン」を実施している。
それまでに北朝鮮が具体的行動に踏み切らなければ、演習中止を撤回する圧力が強まりそうだ。
米国の望むように進展するとは到底思えない。