米ホワイトハウスは5月24日、北朝鮮の金朝鮮労働党委員長に宛てた書簡を発表した。
北朝鮮側が示した最近の「怒りとあからさまな敵意」を理由に、6月12日に予定されていた米朝首脳会談の実施は「この時期に開催するのは適切ではない」として、中止を通告した内容だ。
書簡は5月24日付。
ホワイトハウスの公式な書簡便箋にトランプ氏の自筆署名がされている。
ポンペオ国務長官は同日の議会公聴会で、書簡を既に北朝鮮に送付したことを明らかにした。
朝鮮半島情勢で主導権獲得を狙う中国の習国家主席が非核化を巡る北朝鮮の要求を支持し、「後見役」として巻き返しを図ったことが背景にある。
北朝鮮の金朝鮮労働党委員長が5月上旬、異例の短期間で習氏と2度目の首脳会談をした後、強気な態度に急変した。
この中朝会談で金氏は、非核化の行動ごとに制裁緩和などの見返りを得る「段階的措置」が必要と強調し、習氏は「同じ社会主義国として団結と協力を強化する」と表明した。
中国が北朝鮮に対して別格の影響力があることを示し「朝鮮半島問題は中国の関与なしに解決しない」と国際社会にアピールしてみせたのだ。
国連制裁が継続中にもかかわらず、中朝国境では人や物資の往来が活発化し、国際的な包囲網は既にほころび始めている。