世界のIT技術者の平均年収ランキングで、日本は3万6061ドル(約540万円)で26位にとどまったことが、人材派遣会社ヒユーマンリソシアの2023年版調査で2月15日分かった。
前年調査から順位を六つ下げた。
1位はスイスで10万2839ドル(約1540万円)、2位の米国は9万2378ドルで、日本は大差をつけられている。
生成AI(人工知能)の普及などを背景にIT需要が高まり、世界で技術者の給与が上昇する中で、日本の賃上げの勢いは弱い。
調査担当者は「円安の影響を差し引いても、給与面での優位性が後退している。 日本の魅力低下が懸念される」と指摘した。
円安の影響を除いた現地通貨建て平均年収の増加率でも、日本は前年比0・4%増と低迷した。
米国は3・6%増で、中国は16・9%増と大きく伸びた。
フランスは3・8%増、ドイツは2・6%増だった。
データを取得できた109カ国・地域のIT技術者は、推計で前年比13・3%増の計2680万5千人。
国別では米国の445万1千人が最多だった。
2位はインドで343万1千人、中国が3位で328万4千人。
日本は144万人で4位となった。
国際労働機関(ILO)や経済協力開発機構(OECD)の統計などを基にヒユーマンリソシアが集計した。
このままでは、日本の優秀なIT技術者が流出してしまう。