厚生労働省は11月22日、塩野義製薬の新型コロナウイルス感染症の飲み薬「ソコーバ」を緊急承認したと発表した。
感染症の流行などの緊急時に医薬品を迅速に使えるよう5月に新設された緊急承認制度の適用第1号で、軽症者が利用できる国産の飲み薬が初めて実用化する。
加藤厚労相は記者会見で「流通システムの整備ができ次第、12月初頭には医療現場で使用できるよう供給を開始する予定だ」と述べた。
厚労省によると患者の自己負担はない。
治療の選択肢が増える一方、劇的な改善の効果は期待できない。
日本感染症学会は、自然に治ることが多い重症化リスクのない軽症者に対しては「症状を考慮した上で投与を判断すべきだ」と治療のガイドラインに追加する方針。
この日開かれた薬事分科会と専門部会の合同会合が賛成多数で緊急承認を了承した。
ソコーバは、12歳以上を対象に1日目は3錠、2日目以降は1錠を計5日間飲む。
発症から3日目までに投与しないと効果がない可能性がある。
重症化リスクの有無にかかわらず使用できるが、高血圧や高脂血症の薬など併用できない薬が36種類ある。
妊婦や妊娠している可能性がある女性は使えない。
最終段階の臨床試験(治験)は日本、韓国、ベトナムで実施。
オミクロン株に特徴的な鼻水や喉の痛み、せき、発熱、倦怠感の五つの症状に絞って解析すると、症状が消えるまでの期間が偽薬のグループの約8日に比べ、ソコーバを服用したグループは約7日となり1日、短縮された。
この結果を基に事前審査した医薬品医療機器総合機構は、有効性があると「推定するに足る情報は得られた」との報告書をまとめた。
合同会合は、緊急承認の期限を1年とした。
塩野義は期限内に有効性を確認できるデータなどを提出し、改めて承認を申請する。
あまり有効性がないように思われるが・・・。