中国新疆ウイグル自治区の高級入民法院(高裁)は11月21日、自治区の現状などについて積極的に発言してきたウイグル族学者、イリハム・トフティ氏に対して国家分裂罪で盛期懲役とした一審判決を支持、イリハム氏の上訴を退けた。
中国は二審制で、無期懲役が確定した。
判決は留置場内で言い渡されたという。
国家機密を国外に提供した罪で起訴された改革派女性ジャーナリスト、高喩さんの初公判も11月21日に北京市第3中級人民法院(地裁)で開かれ、高さんは無罪を主張した。
北京で開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議や米中首脳会談が終了し、習近平指導部は国際社会の目を気にせずに人権活動家らを拘束するなど弾圧を強化しているとみられる。
弁護士によると、イリハム氏の判決は、傍聴人も制限された異例の状況下で言い渡された。
同氏は「判決は不公正で、法を踏みにじるものだ」と批判した。
一方、外務省の洪報道局長は11月21日の会見で「事実と法に基づく判決」と述べ正当な判決との認識を示した。
国営通信、新華社などによると、9月の一審判決は、イリハム氏が自身をトップとする国家分裂犯罪集団を組織したと認定。
昨年10月の北京・天安門前の車両突入事件などウイグル族によるとみられる暴力事件の原因をねじ曲げて伝え、国際問題化させようとしたと指摘。
国家を分裂させる目的で外国メディアの取材を受け、中国の自治区政策を批判したと断じた。
中国では抑圧的な対ウイグル族政策に反発したとみられる暴力事件が相次いでいる。
また著名な人権派弁護士、浦氏も11月20日までに国家政権転覆扇動などの容疑をかけられ、検察当局に送られた。