中国国営通信の新華社は4月22日、習国家主席と安倍首相の会談が「日本側の要請で」実施されたと速報で伝えた。
中央テレビも夜の定時番組で、重要ニュースとして会談でのやりとりを報じた。
中国国内で会談が伝えられると、短文投稿サイト「微博」には「なぜ会うのか」「譲歩しなかった日本外交の勝利」などと中国政府への批判的な書き込みが相次いだが、次々と削除された。
指導部は対日政策に関する国民の反応に神経をとがらせているとみられる。
中国外務省の洪副報道局長は4月22日の記者会見で、日本の超党派の議員連盟が靖国神社を集団参拝したことについて「断固として反対する」と表明、議員らに「正しい歴史観」を持つよう求めた。
ただ激しい批判や安倍政権の姿勢を問題視するような発言はなく、中国メディアからも靖国神社に絡む質問は出なかった。
首脳会談を考慮し、抑制的な反応にとどめた可能性がある。
また洪氏は、安倍氏がバンドン会議の60周年記念首脳会議の演説で、先の大戦の「深い反省」を示したことに「国際社会は日本が侵略の歴史を直視、反省し、アジアの隣国との和解を進めることを期待している」と強調し、こうした声に従うよう日本に呼び掛けた。
一方、中国の通信社、中国新聞社(電子版)は安倍氏が演説で「植民地支配と侵略」への「心からのおわび」に言及しなかったと報道した。
中国国内事情で「日本側の要請で実施された」との話にしているが、明らかに中国からの要望である。
AIIBへの参加依頼が目的だろう。