妊婦の血液から胎児の染色体異常を調ぺる新出生前診断(NIPT)を受診した人は、2013年度の導入から3年間で3万人を超え、年々増加していることが分かった。
染色体異常がある陽性の判定が出た妊婦から、次の確定検査で陰性だった妊婦を除くと506人。
そのうちの約8割が中絶していたことも判明した。
NIPTの臨床研究を進める医療機関グループ「NIPTコンソーシアム」が、3年間の実績をまとめた。
受診した人は2013年度7740人、2014年度1万589人、2015年度1万2286人で計3万615人。
3年間で1.6倍に増え、急速な広がりがうかがえる。
検査では、ダウン症などにつながる3種類の染色体異常の有無を推測する。
妊婦の年齢が高いほど胎児に染色体異常が現れる確率が高くなるとされており、晩婚化に伴う高齢妊娠が増るなか、ニーズが膨らんでいるとみられる。
3年間の全受診者の中で、陽性判定が出たのは547人だった。
その後の羊水検査などで陰性が確定した41人を除く506人のうち、78%に当たる394入が中絶した。
他に死産などの胎児死亡となった人が84人(17%)などで、実際に妊娠を継続した人は15人(3%)だった。