京セラと長崎大は7月14日、センサーを使って水温などの海洋データを収集する「スマートブイ」を共同開発したと発表した。
潮流発電システムを搭載し、稼働に必要な電力を安定的に賄う。
バッテリー交換が不要になり、精度の高い漁場予測や海洋汚染の監視などでの活用が期待される。
来年度中の実用化を目指す。
潮の流れでタービンを回して電力を生み出す潮流発電は、太陽光や風力と違って気象の影響を受けにくい。
長崎大が発電システムを設計し、京セラのセンサーや通信技術と組み合わせた。
長崎県五島市の海域で4月に実施した試験では、5分おきに水温や潮流速度などのデータを送信。
消費電力を上回る発電量を確保できたという。
ブイには京セラ製の衛星利用測位システム(GPS)装置なども搭載。
多数のブイを同時に設置することで広範囲の状況を把握できる。
今後は塩分や濁り具合などを測定できるセンサーも追加したい考えだ。
9月に再び実証試験を行い、実用化に向けた性能改善を目指す。