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高齢の「耳鳴り」の対処方法は?

2022年05月01日 | 医療

特に高齢者は慢性的な耳鳴りに悩まされやすく、65歳以上の3割が耳鳴りを自覚し、そのうち1~2割(200万~300万人)が苦痛を感じていると言われている。

耳鳴りの多くは、難聴に伴って起こる。

現状、耳鳴りをなくす薬はなく、教育的カウンセリングと音響療法を組み合わせた治療が柱となる。

目的は耳鳴りによる苦痛を感じないようにすることだ。

音響療法では、周囲の音を大きくすることで聴覚の感度を下げ、耳鳴りの感じ方を弱くする。

具体的な方法に、環境音、サウンドジェネレーター、補聴器などがある。

聴力検査や耳鳴りの強さを調べる耳鳴検査などで、難聴や耳鳴りの程度を診断したうえで選択する。

静寂の中では脳が聞こえの感度を上げる。

このため、耳鳴りがある人は夜間に悩まされることが多い。

環境音を流し、静寂を回避する方法をすすめている。

ポイントは四つだ。

(1)音に包まれるような寝室の環境をつくる。 どこに音源があるのかわからないように複数のスピーカーを置く。 一つしかなければスピーカーを壁や天井に向け、音を反射させる。

(2)就寝前から起床時まで音を流し続け、就寝時のほか、中途覚醒時や起床時の苦痛も改善する。

(3)音量は耳鳴りの苦痛がとれて、かつ耳鳴りが聞こえる程度にする。 TRT(Tinnitus Retraining Therapy)という耳鳴り治療の考え方に基づくもので、耳鳴りがあっても苦痛を感じないように脳を順応させていく。

(4)川のせせらぎや滝の音、もしくは低音から高音まで多く含まれる雑音「広帯域ノイズ」がよい。

これらを適切に行えば、すぐに効果を感じられるという。

睡眠障害があれば、薬も併用する。

サウンドジェネレーターは、耳に装用すると一般的に広帯域ノイズが流れる。

しかし現在は使われる機会は少なく、補聴器を音響療法のツールとして活用する。

補聴器の調整を工夫することで、装用時の耳鳴りの苦痛が解決でき、サウンドジェネレーターを使用していた時期よりも成績は上がっている。

補聴器による治療がうまくいけば、補聴器を外しても耳鳴りが気にならなくなる場合もある。

昼間の耳鳴りが気になる場合は補聴器の装用により周りの音が聞こえることで、耳鳴りが気にならなくなるほか、会話がスムーズになる。生活の質が上がり、耳鳴りのことばかり考える状況からも解放されやすい。

補聴器は細かい調整や訓練が必要だ。

補聴器をつけると最初のうちはうるさく感じるが、耳鳴りがある人はさらに音に過敏になっていることが多く脱落しやすい。

小さい音を増幅し、大きな音を増幅させない技術を周波数帯域ごとに変化させ、調整する。

適切に対応すれば、「耳鳴りの苦痛は8~9割改善する」という。

改善しない人はうつなど精神的な問題がある人や特殊な聴力型の人だ。

それ以外の人は適切な治療を受けられていない可能性があるので、耳鳴りを専門とする医療施設でのセカンドオピニオンをすすめる。

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