踊る小児科医のblog

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世界禁煙デー2005 in 青森「脱タバコ元年 無煙社会を目指して」

2005年05月17日 | 禁煙・防煙
ご案内が大変遅くなりましたが、私が世話人の一人を務めている青森県タバコ問題懇談会(http://aaa.umin.jp/)では、昨年の結成シンポジウムに引き続き、世界禁煙デー2005関連企画を「脱タバコ元年 無煙社会を目指して」と題して6月18日に開催いたしますので、ご案内申し上げます。今回は、薗(旧姓石川)はじめ先生の講演と県内での取り組み報告に加えて、会場であるアスパムというピラミッド型の観光施設1階で一般向けの展示・相談コーナーも開設する予定にしています。詳しくはホームページに情報を掲載しましたのでご覧下さい。教職の方や医療関係者だけでなく、一般の方でこの問題に関心のある方や、タバコをやめたいけれどもやめられない方、やめさせたいのだけれどもやめてくれないという方も大歓迎です。なお、第一部の開会に先立ちまして午後3時より総会を開催して会則等について議決したいと思いますので、会員および入会を検討されている方はご参加くださいますようお願いいたします。

http://aaa.umin.jp/data/20050618.html
■ 世界禁煙デー2005「脱タバコ元年 無煙社会を目指して」
日 時:2005年6月18日(土)午後3時30分~午後6時
     午後1時より会場1階にて禁煙相談・展示コーナー
     午後3時より青森県タバコ問題懇談会総会(下記)
会 場:青森県観光物産館アスパム5階・白鳥
参加費:無料
主 催:青森県タバコ問題懇談会
後 援:青森県、青森市、青森県教育委員会、青森市教育委員会、青森県保険医協会、ほか医療関係団体、メディア各社に申請中

● 第一部 午後3時30分~午後4時40分
講 演 「タバコのない社会をつくるために」
    ~ FCTC タバコ規制枠組条約を追い風に今がチャンス ~
講 師:薗はじめクリニック院長(大阪府) 薗はじめ先生

● 第二部
【事業・取り組み報告】 午後4時50分~午後5時40分
1.青森保健所の取り組み
   青森県健康増進課主査 篠崎朝子 氏
2.空気もメジャー店「浅めし食堂」の取り組み
   特定非営利法人「活き粋あさむし」事務局長 三上公子 氏
3.スポーツ指導者の取り組み
   青森県分煙の会 角金秀祐 氏
4.学校での取り組み
   深浦町 小学校養護教諭
5.公立病院での取り組み
   青森市民病院副院長 百川 健 氏
【ディスカッション】 午後5時40分~午後6時

● 青森県タバコ問題懇談会・総会
日 時:2005年6月18日(土)午後3時~午後3時30分
場 所:アスパム5階・白鳥

渡辺貞夫「ジャパンデー・ジャパンウィーク」に注目

2005年05月16日 | ART / CULTURE
https://www.nippon-kan.jp/images/news_db/jdjw.jpg

GWをはさんで客足も伸びてきて名古屋の経済も活性化しているという愛知万博ですが、かなりのイベントが連日開催されているようで、一体いくらお金がかかっているのか、最終的な収支は大丈夫なのか、ちょっと心配になります。

私自身は行けそうにないので、あまり情報を集めているわけではありませんが、別の記事を目的にして買った週刊誌に掲載されていた渡辺貞夫のインタビューを読んでから、「ジャパンデー・ジャパンウィーク」(日本館)にちょっとだけ注目しているところです。

愛知万博:ジャパンデー、ジャパンウィークの概要発表(毎日)
>ジャパンデーの6月6日は、渡辺さんが作曲したメッセージソング「Share the World(シェア・ザ・ワールド)~こころつないで~」を200人の子供が合唱する。7~10日は「世界のリズム」をテーマにブラジルやセネガル、ポルトガルなど各国の子供と大セッションを繰り広げる。
>渡辺さんは「各国のリズムの競演を楽しんでほしい」と抱負を語った。

NHKの愛知万博関連番組は、地球の未来をみつめて(NHK/愛・地球博関連番組放送予定)のページに掲載されているのですが、ジャパンデーの式典が放送されるようです。むしろその後の世界のリズムのセッションの方が面白そうなのですが…。

もちろん、この他にもいろいろと面白いイベントはあるだろうと思いますが、個人的にはそういった派手で注目を集めているものよりも、各国館の比較的地味な穴場巡りをしてみたい気がします。(行けないけど)

初心者でも歌える第九

2005年05月15日 | ART / CULTURE
このタイトルは非常に怪しく、何の保証もない、希望的観測を含んだものです。(^^;;
11月19・20日の両日、八戸市公会堂で開催される「新生八戸を祝う『第九』演奏会」に、何を間違ったか家族四人で参加することになってしまいました。本格的な合唱は全く経験がなく、音痴ではないけどハモることができない私ですので、もしかしたら落伍するかもしれませんが、第九は以前から歌ってみたい気持ちはあったし、まだ年寄りではないけどこの機会を逃すと次のチャンスはないかもしれないと思い、できれば楽しみながら参加できればと考えてます。

昨日15日の結団式に出席してきました。練習の様子などは、もし機会があればまた触れたいと思いますが、初日からちょっと前途多難かなと感じています。まあ、仕方がない。こればっかりに時間を割けるわけでもないので、日曜日中心の練習の2時間に集中して、できるだけついていけるようにするしかないですね。

楽譜はショパンという出版社の「歓喜の歌」。これは巻末の歌詞だけでなく楽譜にもいちいちフリガナがついているというありがたいもので、「実年層にも見やすい大きい文字」という配慮も嬉しい(…最近小さい文字が読みにくくなってきたもので)。

しかし、練習も毎回は出られそうにないし、「ひとりで練習ができる 歓喜の歌パート別練習用CD」(パート別の練習と他の3声部が聴ける2段階方式。さらに超初心者のためのリズム読み練習や完全発音練習など内容充実。第九練習用ソフトの決定版!)を、「超初心者」としては買って練習するしかなさそうだ…。

さすがに中高年における愛好者人口をランニング・ウォーキングと競い合う「第九」ですから、ネット上にもいくつか初心者向けのガイドを掲載したサイトがあるようで、後日ゆっくりみて参考にしたいところです。
一万人の第九
第九を歌おう!

このブログ内の関連ページ:
『アランフェス』と『第九』

プロ野球5球団の喫煙対策はまだまだ発展途上

2005年05月14日 | 禁煙・防煙
ダルビッシュ投手の問題を一つの契機として、禁煙推進医師連盟がプロ野球12球団に喫煙対策についてのアンケートを行い、その結果が一部の報道に掲載されてました。その詳細が愛媛の大橋先生のページに掲載されていますので紹介させていただきます。

プロ野球12球団の喫煙対策のアンケート調査について

それにしても、大橋先生のコメントにもあるように、12球団中5球団しか回答がなく、渦中の日本ハム球団からも回答がないという意識の低さには目を覆わんばかりです。さらに、選手の喫煙に対して中日は「未成年者でなければ自己決定とする」と何の問題意識もないし、「喫煙すべきでない」と応えたのはオリックスのみで、残りの3球団は「選手に限らず好ましくない」というやや腰の引けた回答になっています。今回の調査・発表をきっかけにして、プロ野球界に限らずスポーツ団体、スポーツ指導者がタバコの害についての正しい認識を深め、スポーツ選手がタバコを吸うことがどれほど意味のない、選手の能力を低下させて選手寿命を短くさせる行為かを理解して、「タバコと無煙のスポーツ界」をつくりだしてほしいと思うし、今回の結果を非難するだけでなく、私たちも一緒に歩めていければと思います。

アンケートの質問項目にスポーツ選手の喫煙の悪影響について付記されているので、その部分だけ引用させていただきます。

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付記:スポーツ選手が喫煙することによる身体や精神への悪影響
1.喫煙で一酸化炭素が大量に血液に入る。一酸化炭素は酸素が赤血球に入るのを妨げ,一酸化炭素が代わりに赤血球に入り全身に循環される。その一酸化炭素の血中濃度は2~9%(致死量は20%超)。酸素が十分に運ばれないことから運動能力は低下。持久力は著しく低下し,走る,投げる,跳ぶ等の能力も低下。
2.喫煙で集中力が低下す。思考力・計算力も停滞。ニコチンの血管収縮作用による末梢血流の低下と,一酸化炭素との相乗作用で,脳内の酸素不足を起こすことに起因。ニコチンは血管を収縮させ血圧を上げ,脈拍を高める。強い運動は心臓には大きな負担となります。選手寿命を短くさせる。
3.若いときからの喫煙は容易にニコチン依存症を招く。成長期の,若ければ若いほど,依存症は強くなり,容易にやめられなくなる。ニコチンの奴隷と言われるゆえん。運動能力は低下の一方になる。やがて中高年になってがんをはじめとした様々な病気に襲われる。短命。
 日本のプロ野球選手の喫煙率は約40%とか。タバコはスポーツの敵なのにこれはいったいどうしたことでしょう。タバコ対策を切に望みます。
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このブログ内の関連ページ:
受動喫煙の診断基準とプロ野球選手の喫煙
禁煙治療でダルビッシュを救え!

必要なのは国民の命を守る政治のリーダーシップ:TOBACCO FREE * JAPAN

2005年05月13日 | 禁煙・防煙
"tobacco free" とか "smoke free" というと、ときどき全く逆の意味で「タバコを自由に(フリーで)吸ってもいい」などと解釈する人がいて困るのですが、"tax free" とか "duty free" などと同じように、○○から自由に、○○から免れるというニュアンスで、狭い意味では「禁煙(環境)」ですが、より広い意味で「タバコのない、タバコの害のない(無煙)世界」といった意味かなと思います。喫煙者もタバコの拘束から解き放たれて自由になり、非喫煙者にとっても受動喫煙の害がないだけでなく、間違った知識や認識不足からタバコの罠にとらわれることのない世界。

TOBACCO FREE * JAPAN という提言がフルカラーの報告書とCD-ROMで発表されています。非売品で一般書店には流通しませんが、概要版はWEBからダウンロードすることができます。報告書の記事の合間に挟まれたコラム14本が、タバコ問題の本質を鋭く表現しているので、ここに引用させていただきます。(タバコは原文のままひらがなにしておきます)

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Recommendation for Tobacco Control Policy
TOBACCO FREE * JAPAN
ニッポンの「たばこ政策」への提言


Column

01

日本では、喫煙によって年間11万人が死亡しています。

現在、わが国では、年間11万人(2004年)が喫煙が原因で死亡(超過死亡)していると推定されています。
これは、交通事故による死亡者数(約1万人)の10倍にあたる愕くべき数字です。

02

注意すべきは「吸いすぎ」ではなく「造りすぎ」ではないだろうか。

日本は、世界第3位の多国籍たばこ会社JTを所有し、先進国の中でも男性49.2%という最高の喫煙率を維持している、まさに「たばこ大国ニッポン」です。
国内向けに年間2,300億本という大量の紙巻きたばこが生産され、さらに、800億本が海外から輸入されています。
年間3,100億本ものたばこが消費されている計算になります。

03

たばこ自動販売機の設置台数は、現在626,000台に達している。

日本におけるたばこ販売の特徴は、いつでも、誰でも手に入ることだ。
2003年末での、626,000台の設置台数は、たばこ販売許可店舗約30万件の2倍に相当する。
きっかけは、80年代の日米貿易交渉による市場開放政策。
結果、現在日本の輸入たばこの97.3%は米国製たばこが占めている。

04

ある時は、日露戦争の戦費準備に、また、敗戦後は焦土と化した国家再建の貴重な財源として、「たばこ」は日本の国庫に重要な貢献を果たしてきた。

現在のたばこ税の総政府歳入に対する割合は、比較的少なく2%に過ぎません。
健康影響への科学的証拠が出揃った現在、政府とたばこ産業の関係についての政策的再構築が必要とされている。

05

日本人は、平均寿命が男女共世界一という、世界に誇れる国を造ってきた。
しかし、喫煙による健康被害は30年遅れてやって来る。

いま、喫煙を原因とする日本の超過医療費は1兆3000億円。
社会損失費、7兆4000億円。
ツケを払う時代を迎えている。

06

たばこの煙には、わかっているだけで4,000種以上の化学物質が含まれ、そのうち、約60種類に発がん性が確認されている。

食物と比べたばこの煙やガスはすぐに体内に吸収される。
しかし、「たばこ」は食品とは呼ばれない。食品衛生法の管理外である。
添加物にあれほど敏感な消費者も、たばこにはどんな添加物が使用されているのか、たばこの煙に何が含まれているのかについては、関心が薄い。

07

「たばこ病」とは、何か。

喫煙習慣は、からだ全体にダメージを与えます。
ニコチンによって、血管の収縮が繰り返され、一酸化炭素による酸素不足も加わり、循環器系の疾患を発症させる。
発がん物質を含む様々な化学物質の体内取り込みにより、「がん」をはじめとする重大な疾患を引き起こす。

08

「私はニコチンには、依存性がないと信じている」
7大主要たばこ会社の社長たちによる米国議会公聴会での宣誓証言,1994

皮肉なことに、この宣誓証言こそ、その後、ニコチンの依存性が世界的に明白にされるきっかけとなった。
現在、諸外国のたばこ会社はニコチンの依存性を認めているが、JTの態度は未だ曖昧だ。

09

たばこ会社の年間広告費は178億円。厚生労働省のたばこ対策関連予算は、3,000万円。

長寿文化の中で、「たばこも吸いすぎれば、体によくないな」と、国民の多くはおおらかに考えてきた。
そして、いまだに「知ってるつもり。」になっているのが、「たばこの健康被害」についてだ。
重大な健康情報を国民に「知らせる責任」が、政府にはある。

10

値上げにより、需要が低下しても、増税効果で短期、中期的にはかなりの増収が見込めるのである。
世界銀行報告書より

どの国においても、たばこによる税収は大きな意味をもつ。
たばこ抑制政策をすすめる上で、たばこの値上げによる国庫に与える影響について、世界銀行からは、心配無用の調査報告がなされている。

11

保護されてきた「たばこ農家」への補償を含め、産業転換のための必要な施策は多い。

1980年代、米国は日本にたばこ市場の開放を求めた。
その結果、民営化計画が推進され、85年の「たばこ事業法」に結実し、日本のたばこ産業の振興が維持された。
たばこ規制政策を推進する上で、こうした、すでに出来上がった政治、経済の社会システムを、どう、再構築させるのか。

12

たばこは健康被害を引き起こすという科学的根拠の集積の前に、健全な産業の発展と安定した財政収入の確保という1984年施行の「たばこ事業法」の概念は、いまや成立し難い。
日本国として、「たばこ規制枠組条約」に批准したいま、

現行の「たばこ事業法」に変わる、新しい富国の産業ビジョンが求められている。

13

いまや世界では、環境や健康について科学的証拠に反した産業政策は成立しない。
しかし、たばこ規制政策は、産業、経済、政治、社会全体のシステムが複雑に絡み合った、障壁の大きな政治的課題でもある。
健康増進法施行、たばこ規制枠組条約批准と、たばこ規制政策推進の環境は整った。

あとは、必要なのは国民のいのちを守る政治のリーダーシップだ。

14

たばこの値上げというと、マスメディアでは、いまだに庶民の楽しみを奪うというステレオタイプの報道が目立つ。
しかし、国民の命を守るという立場に立ったとき、価格政策はもっとも効果的なたばこ規制政策の手段の一つだ。
国庫の歳入を確保しつつ、消費をクールダウンさせる効果。
そしてなにより、未成年者への喫煙防止効果が高いことだ。

国際的に比較して、日本のたばこの値段はまだまだ安い。

救える子どもの命、年間500人:日本は1-4歳の死亡率が先進国中最悪

2005年05月12日 | こども・小児科
 先月末のニュースで、私も1日だけ出席してきた日本小児科学会で発表されたデータのようです。ここでは、発生してしまった重大な事故に対して、専用の小児集中治療室(PICU)欧米並みに整備して死亡率が他の先進国並みに下がれば、年に500人の命を救うことができるという試算のようです。(下記に一部を引用)

>全国の小児科のある大学病院や子供病院のうち、専用の小児集中治療室(PICU)を
>備えているのは16%だけ
>PICUがあった13都府県とそれ以外の地域に分けて、14歳以下の不慮の事故による
>死亡率を比較した。その結果、PICUのある地域の平均は10万人に対して5.5人で、
>PICUがない地域の平均(同8人)より明らかに低かった。
>年代別で比較しても同じ傾向で、幼い子供の方が差は大きかった。
>日本は1-4歳の死亡率が先進国の中で高く、その死因トップは不慮の事故。
>この年代の死亡率をほかの先進国並みまで下げれば、年間500人が救命できると推計している。

 当院で開催している「赤ちゃん教室」でも、まず初っぱなに「日本の赤ちゃん(1歳未満の乳児)は世界中で一番死ななくなっている(最近のデータでは2位)。みなさんはそのようなかつてない時代にこの国に生まれたわけですが、1歳以上の事故の死亡率は高く、元気に育ったこどもが本来なら防げたはずの事故で命を落としている」というところから事故予防の話に入り、その後に(これも最近書いた)乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防の話に移っていくのを常としています。「日本は1-4歳の死亡率が先進国中最悪」といっても小児科医なら誰も驚かないのですが、新生児・乳児死亡率世界一(低い)という輝かしい記録の前に、一般の方や親御さんにはあまり知られていなかったのも事実です。

 小児科医が行える子育て支援は事故予防、母乳育児支援、禁煙・防煙教育、予防接種(麻疹・風疹撲滅)など、一般小児科医にとって一つ一つは決してハードルが高いものではありませんが、そびえ立つ山は果てしなく続きます。

青森県で喫煙により毎年150人が脳卒中で死亡している

2005年05月11日 | 禁煙・防煙
禁煙広報センターのニュースレター最新版(Vol.11 2005.Jan)に、厚生労働省の多目的コホート研究(この研究からはタバコ関連のデータが次々と報告されています)からの引用で、喫煙者は非喫煙者に比べて脳卒中が男性1.3倍、女性2.0倍発症率が高いなどといった数字が掲載されています。

後半部分に、脳卒中のうち男性で17%、女性で5%はタバコを吸っていなければ予防できたと推定しており、1999年の日本全体の脳卒中にあてはめると、
 脳卒中死亡
  男性 1万1000人
  女性   4000人
  合計 1万5000人
 脳卒中患者
  男性 12万人
  女性  4万人
  合計 16万人
と推定しています。

青森県単独のデータがあるかどうかわからないのですが、この数字から更に計算してみると、人口が約100分の1として、
 脳卒中死亡
  男性 110人
  女性  40人
  合計 150人
 脳卒中患者
  男性 1200人
  女性  400人
  合計 1600人
がタバコを吸わないと予防できる、ということになります。(人口比や喫煙率、脳卒中の罹患率などを加味すると実際にはもう少し多いものと思われます)

この「百分の一推計」がいつも使えるかどうかわからないのですが、概略を理解してもらう際にはわかりやすくていいかなと思ってます。

平成15年度の人口動態調査では、
>本県の死亡数は13,995人で、前年の13,446人より549人増加
とのことですから、そのうち150人だとすると1%強ということになります。もちろん、その他にガンや心疾患などが加わってくるわけですが。

以前書いた、日本全体でタバコによる死者10万人(もう少し多い)、受動喫煙死2万人(推計)に「百分の一推計」をあてはめるとそれぞれ約1000人、200人となります。今回の推計では、そのうち脳卒中による死亡が150人くらい。
といったところでしょうか。
(別々の推計の組み合わせですから、正確なものではありません)

同じ研究からのデータで、喫煙率が1%減ると脳卒中の死亡率は男性で1.35%、女性は1.94%減少することが判明。喫煙率を10%減らせれば、脳卒中罹患は計5万6647人、死亡者は2万3603人減少できるということも報告されています。(喫煙率が10%減ると、死亡者は23603人減少可能! 平成10年度厚生科学研究で判明!

不妊治療で無視されてきた実の親を知る子どもの権利

2005年05月10日 | こども・小児科
この意識調査は予想された結果ではありますが、特に非配偶者間人工授精(AID)において(かつてはアルバイト感覚で)精子を提供していた医学生や産婦人科医局の意識や、「慶応の医学生の精子なら…」という気持ちが夫婦の中にわずかでもなかったかどうか、厳しいことを言うようだけれども、本当に子どもが育って自分の出自を知りたいと思った時にどう対応するかまで考えてその治療を行ったのかが問われていると言えるでしょう。(現在は医学生だけではないのかもしれません)

>子供が遺伝上の父親を知りたいと思うことについて「人情で仕方ない」(66・7%)
>と理解を示しながら、「子供の当然の権利」との回答は18・2%にとどまった。

不妊治療における「子どもの知る権利」が法令化されるはずだったものが、いつのまにか立ち消えになったのでどうなったのかと思っていました。この問題に対する私のスタンスははっきりしていて、親や産婦人科医の考え一つで「何でもあり」の不妊治療が放任されて良いはずはなく、肝腎の生まれてくる「子どもの幸せ」が考えられていないものが「治療」の名に値するのかどうかまで、当事者は是非考え直していただきたいと思います。「自分のルーツの半分が一生分からないことが、本当に子供のためでしょうか」という声に一度でも耳を傾けたことがあったのか。不妊治療の全てを否定するわけではありませんが、もし今後もAIDを行うのであれば、「子どもの知る権利」を確保した上でスウェーデンのようにドナーが10分の1に減少したとしても仕方ないでしょう。安易に自分の精子を提供してきたこれまでの姿勢は改められるべきで、子どもの権利を明言した法制化を早期に実現すべきです。

いきなりだと難しい問題かもしれませんで、記事全文を引用させていただきます。参考にしてください。(どこかに保存されているならリンクですむのですが…)

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「実の父」開示に壁 9割、精子提供は匿名で
「子が知るなら非協力」 非配偶者間人工授精

 夫以外の第三者の精子を使った非配偶者間人工授精(AID)で、精子を提供した人(ドナー)の3分の2が「子供が自分に会いに来る可能性を言われたら、提供しなかった」と考え「提供は匿名のままが良い」も90%近くに上ることが9日までに、厚生労働省研究班(主任研究者・吉村泰典(よしむら・やすのり)慶応大教授)の調査で分かった。AIDドナーの意識調査は初めて。
 AIDによる出産は、1948年の第1例以降、1万人以上とされる。
 厚労省の生殖補助医療部会は2003年にまとめた報告書で、15歳以上の子供に「自らの出自を知る権利」を認め、希望に応じ「遺伝上の父」の氏名や住所を開示すべきだとした。しかし法整備は異論続出で宙に浮いており、調査結果は今後の論議に影響しそうだ。
 調査は、1998-2004年に慶応大病院で精子を提供した男性120人に調査票を送り、32人が回答した。20-30歳13人、31-40歳16人、41-50歳が2人。1人が年齢不明で、既婚者は23人だった。
 「あなたの提供により生まれた子が、会いに来る可能性があるとあらかじめ話されたら、提供しなかったか」との質問には、66・7%が「提供しなかった」と回答。
 理由を書いてもらうと「将来の自分の生活や家庭が脅かされるので怖い」「子供に何らかの責任を取らなければと感じるから」「自分と会うことで、子供とその家族の関係が変化してしまうのが怖い」などがあった。
 精子を提供したことを「自分の家族に話した」のは12・1%だけ。「提供は匿名のままが良い」が87・9%に上った。
 子供が遺伝上の父親を知りたいと思うことについて「人情で仕方ない」(66・7%)と理解を示しながら、「子供の当然の権利」との回答は18・2%にとどまった。自分の情報は「何も教えてほしくない」(45・5%)がほぼ半数を占め、「髪の毛の色や身長、体重」「性格や嗜好(しこう)」など個人を特定できない範囲のものでも、80%近くが情報提供に難色を示した。

難しい「子の権利」確立

 【解説】非配偶者間人工授精(AID)の精子提供者(ドナー)の9割が匿名を望んでいるという調査結果は、AIDで生まれた子供たちの「出自を知る権利」確立を阻む壁がいかに厚いかを示した。半世紀以上の歴史を重ねたこの医療が、親側の事情だけで続いてきたことの反映でもある。
 ドナー情報開示への抵抗感は「遺伝上の父」であるドナーや、実子として産み育てたい「法律上の親」だけでなく、精子確保が必要な医師も強いという。子への秘密を前提にした医療をこのままにしていいのか、さらに徹底した論議が必要だ。
 AIDをめぐっては、両親の大半が子への告知に否定的との研究結果がある。ドナーも「献血や骨髄移植の組織と同じ感覚」で提供しているのが実態で、1984年に法律で子の出自を知る権利を定めたスウェーデンでは、ドナーが10分の1に減少した事実がある。
 しかし国内では近年、血縁関係の有無を理由にAIDで生まれた子の親権を両親が裁判で争う事態が発生。今後、財産分与などの問題が生じると指摘されている。
 厚労省の生殖補助医療部会は2003年の報告書で「子がドナー情報を知ることは、アイデンティティー(自己認識)の確立に重要」と提言したが、少子化克服の掛け声の中で、生殖医療推進の妨げになる情報開示の法制化は遅々として進んでいない。
 部会報告書は「情報開示でドナーが減少してもやむを得ない」とまで述べていた。何の手も打たずに「自分は誰の子か」という根源的な欲求に目をつぶった状態を放置することは許されまい。

「ルーツの半分知りたい」 「子どもの会」で思い交流

 父親と血のつながりがないと知った時の思い。両親への不信と自分の存在への不安が募る。「遺伝上の父」はどこにいるのか。「自分のルーツの半分が一生分からないことが、本当に子供のためでしょうか」。3月に誕生した「AID(非配偶者間人工授精)で生まれた子どもの会」のパンフレットには、複雑な気持ちがあふれている。
 20代の美幸(みゆき)さん(仮名)がAIDで生まれたことを知ったのは23歳の時。母に突然告げられた。父が遺伝性疾患と分かり「自分も将来、発病するのか」と不安に感じていたころだった。
 「なぜそこまでして子供をつくったの?」「両親は本当に納得し(AIDを)選択したのか」。自分の存在に自信が持てなくなった。揺れる心に光が差し始めたのは、同じ境遇の人との出会いがきっかけだった。
 3月、数人が集まって「子どもの会」が生まれた。2カ月に1度、秘めた思いを打ち明け合う。
 美幸さんはパンフレットに書いた。「真実を告げることで親子の関係が壊れても、関係を築き直すだけの覚悟が、AIDを選択するからには必要ではないでしょうか」
 メンバーの恵(めぐみ)さん(仮名、30代)は7年前、両親の離婚をきっかけに母からAIDの事実を知らされた。戸籍上の父とは折り合いが悪く、心の中にあった違和感から解放された気がした。
 その母も4年前に他界した。「自分の出自を隠されていた」。両親への不信感は募るが、ぶつける相手はもういない。
 「うまくいっている家庭もあるでしょう」と恵さん。「でも子供は成長し、自分の観点で物事を考えるようになる」。医師や精子の提供者(ドナー)にも、そのことを受け止めてほしいとつづっている。

非配偶者間人工授精

 非配偶者間人工授精 無精子症などの夫に代わり、第三者の精子を妻の子宮に送り込み、妊娠・出産を試みる不妊治療。国内では1948年に慶応大病院で初めて実施され、1万人以上が生まれたとされる。法的規制はないが、日本産科婦人科学会が97年に独自のガイドラインを作成。学会に登録した医療施設での実施を原則とし(1)戸籍上の夫婦に限定(2)営利目的での精子提供を禁止(3)精子提供者は匿名とし、医師が提供者の記録を保存する-などを定めている。

ドナーにも十分な説明を

 非配偶者間人工授精(AID)で親子や医師から聞き取り調査をしている長沖暁子(ながおき・さとこ)慶応大助教授(科学社会学)の話 ドナー情報の開示を義務付けているオーストラリア・ビクトリア州では、専門知識を持ったカウンセラーが事前に、ドナーに対し精子提供の意味や、自分と遺伝的につながりを持つ子供が他の親に育てられる可能性を説明している。日本ではこれらの説明が十分になされず、子供側の出自を知る権利も守られていないため、ドナーの中には自らの行いに責任を感じ、後悔する人もいる。子供の権利を踏まえ、両親とドナーの双方が納得した形での治療を構築する必要がある。

平清盛の死因はマラリア?

2005年05月09日 | ART / CULTURE
大河ドラマ「義経」も、もう1人の主役である平清盛の死で、少し早いけれども折り返し点を過ぎて、いよいよ源平合戦と義経のその後へと話が進んでいくはずです。ところで昨日(8日)の清盛の演技をみて、ちょっと演出過剰ではないかと思ったのですが、突然の高熱で始まって体力を奪われながら死の淵へと向かう様や、後白河法皇の「福原で外国から持ち込まれた悪い病気をもらったのかもしれない」という鋭い台詞などからすると、これってもしかしたらマラリアではないかと考えながら観てました。でもまさか福原(神戸)で感染するとは考えにくいし。。

と思って今朝ちょっと検索してみたら、清盛死因マラリア説はかなり確立した定説になっているようで、あるいはNHKでもそれを意識してあのような演技になったのかもしれません。昭和47年の新平家物語で仲代達也が演じたことは記憶にありますが、亡くなる時の演技まではさすがに覚えていません。

地球温暖化とマラリア(三井情報開発総研)
蚊を侮ることなかれ(KINCHO)
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マラリアは熱帯地方特有の病気のように思われがちですが、日本でも、意外に関わりが深く、平安中期にはマラリアの間歇熱(かんけつ熱:発熱と悪寒の繰り返しのこと)が、「かわらやみ」や「えやみ」と呼ばれていたようです。『平家物語』の記述から、平清盛はマラリアで亡くなったと考えられており、また『源氏物語』の光源氏もマラリアにかかっていたと言われています。
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特集:栄華と孤独 巨星・清盛との別れ(義経-NHK)

関連ページ:大河「義経」の語る物語に期待

蟹田川でシロウオ漁始まる~シロウオとシラウオ

2005年05月08日 | NEWS / TOPICS
「外ケ浜町の旧蟹田町を流れる蟹田川で、春の風物詩のシロウオ漁が始まった」という報道に、躍り食いのコリコリした食感を思い出しています。
網に躍る春お待たせ 青森・外ケ浜 シロウオ漁始まる

実は先月青森に行った時にシロウオを食べる機会があったのですが、まだ県内産のものではないということでした(それならどこから来たんだろう?)。しかし、シロウオとシラウオは「違うものだ」というところまでは知っていても、何がどう違うのか、全く理解していません。調べてみたら、下記のようにいくつかのページがすぐに検索されます。

シラウオとシロウオ(おさかな普及センター資料館)
シラウオとシロウオ(季節の風物詩 シロウオ/湯浅町広川)
旬の味(春) 白魚、シロウオ、シラウオ????(浅虫水族館)

>シロウオは体長5cmほど(「おどり」でいただくのは体長2cmくらいの
>小ぶりなものですが)のハゼ科の魚で、春先に産卵のため川口にのぼります。
>これと間違えやすい「シラウオ」は、シラウオ科で、体長も約10cm、
>海水と真水の混じった川口などにすんでいます。
>どちらも細長く透き通った体をしていますが、
>シロウオに比べてシラウオの方が尖った体をしています。

要するに、蟹田川でとれてこの季節に青森で「躍り食い」にして食べるのは「シロウオ」で、ハゼの仲間だということですね。「シラウオ」の産地は小川原湖などで、躍り食いではなく主にかき揚げや卵とじで食べる。

シラウオ(市場魚介類図鑑)

セ・パ交流戦から「一時も目を離せない」

2005年05月07日 | SPORTS
昨日から始まったセ・パ交流戦は予想通りの盛り上がりをみせているようですが、巨人戦が減ると減収になるからと頑なに反対していたセ・リーグ各球団は、ファンが何を望んでいるかということに全く耳を閉ざしていたことをよく理解し反省してほしいと思う。

「夢カード、フルスタ燃える セ・パ交流戦」

しかし、昨日の楽天-巨人戦は(わが家の)ノー・テレビデーを破って観戦したのに、9回裏でゲッツー崩れのところで放送が終わってしまい、満塁ホームランなんて今朝まで知りませんでした。肝腎なところでこれではね。(試合のスピードアップも必要)

もう一つ気になるニュースがこれ(↓)。スポーツにおける事故予防というのもこのブログの主要なテーマの一つなのですが、今年は「プロ野球改革元年」と称して観客席と選手との垣根(ネット)を取り払ったり、ファールグラウンドに張り出した「フィールドシート」なるものが出現したりして、観客の安全性との兼ね合いで観戦の楽しみを優先させた形になり、「野球は危険なスポーツ」(萬晩報 成田好三)とあらためて注意が喚起され、一時も目を離さずに観戦することが求められていたところでした。昨日のケースは試合までまだかなり時間のある練習中のことで、見る方も気が緩んでいたのかもしれませんが、むしろそういう時ほど危ないという認識が必要だったのかもしれません。場内放送での注意喚起も含めて。

・野球は危険なスポーツ
・観戦にはグローブ持参
・プレー中は一時も目を離せない(面白いかどうかの比喩表現ではなく)

頭にボール直撃 小学生が大けが 打撃練習中に
 6日午後4時15分ごろ、仙台市宮城野区のフルキャストスタジアム宮城で、東北楽天ゴールデンイーグルス―巨人戦の練習中にファウルボールが三塁側観客席にいた仙台市泉区の小学6年男子(11)の頭を直撃した。男児は頭の骨を折る大けが。
 仙台東署などによると、男児はグラウンドに近いフィールドシートで打撃練習を見ていたところ、巨人選手が放った打球が頭に当たった。病院に運ばれたが、意識ははっきりしているという。
 現場はフィールドシートのフェンスの切れ目付近。目撃者によると、移動式の防護ネットなどは設置されていなかった。

机上のプランだけでは実現困難な小児科医の配置集約

2005年05月06日 | こども・小児科
5日の東奥日報に「県病への札医大医師派遣で波紋」という記事が掲載されていて当惑しましたが、「道立大学なのに、なぜ青森へ七人も派遣するのか」という視点だけではかえって混乱します。

私も最初「県病」が札幌医大の関連病院になっていることに疑問を感じましたが、こういうことは特に珍しいことではありません。八戸の3病院は日赤が岩手医大、労災が弘前大、市民病院が東北大(科によって異なります)から主に派遣されているし、岩手県中や山形県中にも東北大から派遣されています。この辺は歴史的経緯やマンパワーの問題もあったわけで、大学医局にとってみれば、臨床研修にふさわしい基幹病院を確保していることが学生や他大学出身者に対して入局者を獲得するための強い武器になっていたわけです。札幌医大から県病に医師が派遣されていたのも、そういった面があったはずです。もう一つは新生児医療。

ところが、全国的な小児科医(病院勤務医)不足で地方病院すべてにこれまで通り医師を派遣できなくなってきた。このあたりでも、五戸にはかつて小児科常勤医を派遣していたけれど、それもなくなった。十和田の産科医引き揚げも同様で、先日来取り上げている県南の産科医再編問題と基本的には同じです。

「都が小児救急体制の再編へ 注目集める病院統合計画」というページに、
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 日本小児科学会は、小児科医不足の対応策として「センター病院構想」を提言した。人口三十万-五十万人ごとに「地域小児科センター」を設置し、最低十人の小児科医を配置。これ以外の地域病院は当直はせず、センター病院の休日・夜間救急外来に参加するというものだ。
 厚労省もこのほど、同学会の構想を基に、小児科医を拠点病院へ集約する小児救急体制の再編に取り組む方針を決めた。
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と書かれています。

この小児科学会の構想のことは当然知っているし、その前に青森県で実現しなかった厚労省の小児救急24時間体制のことも知っています。人口30~50万人といえば、青森県では3市の二次・三次医療圏に相当します。八戸には、市民5人、日赤・労災各3人、合計11人の小児科勤務医がいますが、それぞれ独立して経営している病院ですから、これを1か所にまとめることは非常に困難で、今の分散した体制のままでは小児科医だけで当直をまわすことはできません。市民病院では、新生児ICU(NICU)設置基準に合致するために、小児科医が毎日「新生児科医」として当直しており、小児救急との掛け持ちはできません。

そんなこんなで、プランだけで考えれば小児科医は1か所に集約した方が良いに決まってますが、地域の実情に合わせようとするととても簡単には実現できないことがわかります。「机上の空論」とまでは言いません。良いプランだとは思うのですが。。

それならどうするのか。それがまた問題です。現在深夜の小児救急は小児科医以外がみて必要な場合に小児科医を呼ぶ体制になっています。他科の先生の協力を引き続き得ながら、この体制を充実するしかないのでしょうか。

(念のため申し添えますが、八戸は県内でいち早く開業医による小児科時間外体制をつくったことで、一応一番安定した小児救急医療ができていることになっているのです。しかし、勤務医の過酷な状況が改善されたわけではありません)

太素ウォーク2005参加記録(5/3)

2005年05月05日 | SPORTS
というわけで4/19に紹介した「太素ウォーク」に参加して、家族4人で22kmを歩いてきました。記事はデーリー東北にも東奥日報にも掲載されたのですが(東奥日報の方には私たちの写真まで)、残念ながら今年はWEBには載らなかったようです。これまでも蟹沢水道公園、金吹沢、プレイピア白浜、奥入瀬渓流、階上岳、名久井岳など、花見と運動をかねて歩き回るのがわが家のGWだったわけですが、今年も絶好のウォーキング日和で、十和田では花見のタイミングにもぴったり合い、日頃の心がけの良さが反映されたようです。しかし時折吹き荒れる強風には閉口させられました。8日のうみねこマラソンがちょっと心配。

ウォーキングコース自体は、途中1か所やや急な上り坂があるものの全般的には平坦または下り勾配で、歩きやすく丁度良い距離(ファミリー向けに14kmもある)でした(私は片足1.5kgのウェイトをつけていたので筋肉痛がまだ残っていますが)。そして、新聞連載等では把握しきれない稲生川の全体像についても、自分の足で確かめることでおおよそ理解することができました。ただし、それぞれのポイントをじっくり見ている余裕はなかったし、新渡戸記念館の展示も見逃してしまったので、できれば何かの機会に再訪してみたいと思います。

新渡戸記念館のキャラクターは「ニトちゃん」。
記念品としてニトちゃんが小さくプリントされたバンダナがもらえ、ゴール後は馬肉鍋もあり、スタート地点までのバスも含めれば1500円の参加費は高くない。
配布される地図は途中不正確な部分があり道路地図などを見直してみても辿れません。コース上の表示は多く当初は係の人も要所に配備されていて迷う心配はないけど、距離表示はいい加減なところが数カ所あり、最後の方では係の人もいないポイントが多く、前後のウォーカーも見えなくなり、初めての参加者にはちょっと不安になるところもありました。しかし、多くの組織やボランティアがこのウォーキングを支えてくれていて、全体的には好印象を持ちました。今回は流石にバスの中の喫煙はありませんでしたが、スタート・ゴール地点や途中の休憩ポイントでの受動喫煙には悩まされました。全てのウォーキング・マラソン大会の禁煙化を望みたい。

前回日程未定と書いた十和田湖ウォークは7/24に決まったようですが、今年も一周コースではないようで残念。

問われているのは子どもではなく大人の科学常識

2005年05月04日 | こども・小児科
GW仕事滞納進行にてニュースの紹介で失礼します。読売新聞の「科学常識このぐらいは――目安作り、文科省乗り出す」によると、最近問題になっている「子どもの理科離れ」以前に、大人の科学常識のなさが問われており、数年かけて「日本の大人には最低これぐらいの科学常識が必要」という望ましい「基礎的素養」の目安を示すことになるのだそうです。

同記事によると、世界17か国の18歳以上を対象に下記の11問について正誤を尋ねたところ、日本の正答率は54%で13位。1位スウェーデンの73%、5位アメリカの63%などに比べ「常識の無さ」が目立っていたとのこと。

試しにやってみましたが、幸い全問正解でした。少し意味が取りにくい(かもしれない)部分もありますが、これを大人が半分近く間違えているということに愕然とする、、、ということもないですね。そんなもんかなと感じてしまう自分が怖い。。

科学だけでなく一般教養や社会常識の最低ラインも書き出せなどという声も聞こえてきそうですが、そうなると学習要領とか修身の教科書みたいなものになってしまいかねないので、自然科学全般にわたるアウトラインを概観できるものがあれば、生涯教育のツールとしても役に立つでしょう。数年などといわず、すぐにでも一次案を出してほしいですね。

 【科学常識チェック、〇か×か】(国際比較の共通質問から)
 〈1〉地球の中心部は非常に高温
 〈2〉すべての放射能は人工的に作られた
 〈3〉我々が呼吸に使う酸素は植物から作られた
 〈4〉赤ちゃんが男の子になるか女の子になるかを決めるのは父親の遺伝子
 〈5〉レーザーは音波を集中することで得られる
 〈6〉電子の大きさは原子よりも小さい
 〈7〉抗生物質はバクテリア同様ウイルスも殺す
 〈8〉大陸は何万年もかけて移動しており、これからも移動するだろう
 〈9〉現在の人類は、原始的な動物種から進化した
 〈10〉ごく初期の人類は、恐竜と同時代に生きていた
 〈11〉放射能に汚染された牛乳は沸騰させれば安全

 ▼常識チェックの答え(ドラッグして反転させてご覧下さい)
 〈1〉○〈2〉×〈3〉○〈4〉○〈5〉×〈6〉○
 〈7〉×〈8〉○〈9〉○〈10〉×〈11〉×


科学常識このぐらいは・・・(DORAの図書館日報)

近未来のハイテクカー登場を待ち望む:自動車のフェイルセーフ

2005年05月03日 | こども・小児科
尼崎の脱線事故とのことは先週2回、そして昨日も取り上げました。また、その他に八戸市内のエスカレーター事故のことや、六本木の回転ドア事故(先日NHKでも特集番組がありました)などについても繰り返し話題にしてきたのは、一つには子どもの事故を予防するという意味で、もう一つは同じ原則ではありますが(結果的に子どもに危害を与えないという点においても)、医療における事故をできるだけ減らすためのことでした。

昨日、八戸市内で起きた交通事故については、胸が塞がる思いでとてもコメントする気持ちにはなれません。具体的な状況などもわからず、それ以上の情報を求めるつもりもありませんが、自動車の運転については昨日書いた「フェイルセーフ」の思想はこれまでほとんど及んでいなかったのではないかと思います。

事故多発地点の道路の改良などを別にすれば、事故予防はもっぱらドライバーの「安全運転」に任されてきたし、自動車学校や免許更新時の講習でも、事故のケーススタディから事故そのものを減らそうというスタンスでした。もちろん、シートベルトやエアバッグ、車自体の強度と事故時に乗っている人を守る構造などもありますが、これまでの取り組みでは事故は少しずつ減っても犠牲者はゼロにはならず、重大な事故は毎日どこかで起きて、誰かが犠牲になり(しかし見知らぬ人の死に対して人々は鈍感になり)、家族の悲しみが積み重ねられ、これからも続くことになります。

いま、近未来的なハイテク安全装置を備えた車の開発に各社とも取り組んでいるようです。これは当然の方向性で、全ての車に実装されるようになる(義務化される)日が来ることを待ち望んでいます。もう一つは、今のこのマイカー社会が少しでも変化して車自体が減ることも。そして、いたましい犠牲者や残された家族の悲しみがなくなる日を。