熊本熊的日常

日常生活についての雑記

予知の余地

2011年03月22日 | Weblog
陶芸教室で先生とお話をしていたら、館内放送で警報音が流れ、地震が来るので安全な場所へ移動するようにとの指示が機械音声で続いた。果たしてその直後、建物がゆさゆさと揺れた。しばらくすると館内放送が、震度4を予想したが実際は2だった、などとフォローアップをする。地震には驚かないが、この放送に驚いた。先日の地震の直前にもこのような放送が流れたのだろうか。それとも、あの地震をきっかけにして、このような放送を流すようにしたのだろうか。

警戒を促す放送から地震までは1分程度だったので、具体的に対策を施す余裕などないのだが、心の準備はできる。これはとても大きなことではないだろうか。不意打ちならば狼狽してしまうことでも、身構えていることができれば落ち着いて対応ができ、結果として被害を最小限に抑えることができるという可能性がある。地震の揺れそのものは1分程度なのだから、その1分間を覚悟を持って迎えることができるのとできないのとでは、揺れが収まった後の初動に大きな違いが出るように思う。

今はまだ地震の直前にならないと警報を出すことができないのだろうが、今までは警報そのものが無かったのだから、警報の登場だけでも大いなる進歩だ。これから先は、地震の研究もますます進んで、警報と地震との間隔を少しずつ長くすることができるようになるのだろう。逆に地震後のフォローアップまでの間隔は短くなるのだろう。何事も適切な判断の基礎になるのは的確な現状認識だ。何が起こるのか、何が起こったのか、ということを整理して認識することで、そこから先の思考と行為が建設的なものになるものだ。

あの震災から今日までの間に驚くようなことがいくらもあったが、今日のこの警報は震災の次くらいの驚きだった。