栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

Wi-Fi専用になったスマホ「g07」(電波の受信が悪い)~freetel雅との比較

2017-03-12 22:47:24 | 視点
 スマートフォンに限る話でないがデジタル機器はスペック(仕様)だけで判断して買うと、後でこんなはずではなかったのにとガッカリすることがある。もちろん、その逆もあるが。
 例えばカメラの画素数は同じでも実際に出てくる絵はスマホによってかなり異なる。
そうするとカメラ性能に期待して画素数の大きなスマホを買ったのに期待外れだったとか、通話品質が今ひとつ、電波の届きが悪いといったことが起こりうる。
 そこで以下にgooのスマホ「g07(グーマルナナ)」を実際に使ってみた結果を載せる。

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 g07の販売はNTTレゾナントだが、開発したのは株式会社コヴィア。耳慣れない会社と思われる人が大半だろうが、SIMフリーの比較的初期段階からSIMフリースマホを作っていた会社だ。
 私は今回の「g07」を含め、同社のスマホは2台目。最初に買ったのは「Freaz F5」というデュアルSIMスロットのスマホ。
 初めて買ったスマホがこれだったから、スマホとはこういうものだろうと思っていたが、この機種を選んだのはデュアルSIMだったから。
 デュアルSIMとはSIMスロットが2つあり、それぞれに別のSIMを挿す使い方が出来る。
私の場合は従来型携帯電話(以下ケータイ)のSIMを片方に、もう一方にデータ専用SIMを挿して使っていた。
ケータイはかけ放題の契約をしていたので、スマホを使いながらケータイの安い通話料がそのまま利用できるのは金額的に大きなメリットだった。

 もう一方にはSIMフリのデータ専用SIM。つまりケータイとスマホのいいとこ取りだ。これでケータイとスマホの2台持ちから解放。
 といってもメリットばかりではなく、デメリットもあり、当時はDSDS(同時待ち受け)ではなかったから、電話を使う時は通話用SIMに、ネット接続する時はデータ専用SIMに手動で切り替えなければならないという煩わしさがあった。

 もう一つの問題はこの機種本体が3G専門でLTEに対応していなかったため、データ専用SIMがLTEでもその速さの恩恵を全く受けないことだ。

 そしてこれが最大の問題だったが、Freaz F5は電波がFORMAプラスエリアに対応していなかったのだ。
 これは購入後しばらくして分かった。実際には対応電波が記されていたが、docomoのケータイSIMがそのまま使えるというところにだけ目が行き、対応電波のことまで気が回らなかったのだ。

 都市部で使っている時は何の不自由もなかったが、地方に行った時に電話が通じないことに気付いたのだ。

<教訓1>
 SIMフリースマホを買う時には対応電波をよく調べないと後で後悔する。





 で、結局、ケータイとデータ専用スマホの2台持ちに替え、段々スマホの出番はなくなった。
 その後、freetel miyabiに買い換え、昨年12月の発売と同時にg07を買った。
freetelから買い換えた理由は特にない。強いて言えば指紋認証を使ってみたかったのと、もしかするとカメラ画質が向上しているかもという淡い期待。
後は新しもの好き(これが最大の動機)。19,800円だが3,000円引きクーポン利用で買ったから16,800円。これなら購入後、失敗したと感じてもまあ我慢できる金額だし、万一使えない時はfreetel miyaiに戻せばよかったから。

 結果から言えば、g07はWi-Fi専用になり、日常使いではfreetel miyabiに戻している。

 g07は発売前後から2つのSIMで同時待ち受けできるDSDS(デュアルSIM、デュアルスタンバイ)スマホで、「コストパフォーマンスが高い」とあちこちで(レビューでも)紹介されていたが、初めて購入する人は満足するだろうが、それならもっと安い機種もあるし、そちらでいいのではないかと思う。

 早い話が積極的にg07を選ぶ理由がないのだ。どうしてもDSDSを使いたいという人以外は。

 以下にg07とfreetel miyabiのスペックを記してみよう。
●g07
 OS:Android6.0(Android7.0アップデート保証)
 CPU:オクタコア1.5GHz×4+1.0GHz×4 MediaTek MT6750T
 RAM:3GB
 ROM:32GB
 対応バンド(周波数帯)
  LTE:Band1(2100MHz) / B3(1800) / B8(900) / B19(800)
  3G(W-CDMA):B1(2100) / B6(800) / B8(900)
 ディスプレイ:5.5インチ
 解像度:1920×1080
 カメラ:背面1300万画素/前面800万画素
 電池容量:3,000mAh
 取り外し:不可
 重量:150グラム
 価格:1万9800円





●フリーテル雅
 OS:Android5.1
 CPU:クワッドコア1.3GHz MediaTek MT6735
 RAM:2GB
 ROM:32GB
 対応バンド(周波数帯)
  LTE:Band1(2100MHz)/B3(1800)/B8(900)/B19(800)
  3G(W-CDMA):B1(2100)/B6/19(800)/B8(900)
 ディスプレイ:5インチ
 解像度:1280×720
 カメラ:背面1300万画素/前面500万画素 手ぶれ補正付き
 電池容量:2,200mAh
 取り外し:可
 重量:150グラム
 価格:1万9800円

<g07がmiyabiより優れている点>
 1.OSが新しい
 2.CPUは同じMediaTekだがg07の方が処理速度が速い
 3.RAMの容量が大きい
 4.解像度が高い
 5.バッテリーの容量が大きい

 こうしてみるとg07の方が1年余り後から発売された分だけ上回っているように思える。
 しかし、実際に使ってみた体感と合わせ、もう少し詳しく見てみるとg07の方が優れていると思えた点が、実はそうでもなかった。

 CPUの速度はアップし、RAMの容量も増えたが、画面の解像度が上がったり、液晶サイズが大きくなったため、実際の表示速度にそこまでの差は付かなかった。少なくとも体感速度は同じだった。

 つまり本来ならメリットとなる点がメリットになってなかったのだ。

 カメラの画質は当初、g07の方がきれいだったが、miyabiがファームウェアをバージョンアップし、カメラ性能を向上したため、g07の方が絶対的にいいとは言えなくなった。
 色の出方はそれぞれに多少の癖があるから、これは仕方ない。それでも敢えて言えば、g07の方が多少写りはいいかという程度。
 いずれにしろカメラ性能は両機種共に期待はできない。バッテリーの持ちも両機種共に差はなし。
 多少g07の方がバッテリーの持ちがいい程度で、これも誤算だった。





<残念な点>

 一番肝心な電波の受信状態はと言えば、これは残念な結果になった。

まず通話。かけてきた相手から「電話が通じない」と何度もお叱りを受けた。
これは致命的な問題で開発元のコヴィアも認識しており、ファームウェアを何度かアップデートし、現在は一応改善されたようだが、まだはっきりとは分からない。

 ついでWi-Fi。これははっきり言って感度が悪い。
他のデバイスやfreetel miyabiが受信できる場所でもg07は受信できない。

 つまり電波に関してはg07は総じて悪い。

 ほかにも諸々の問題点があり、コヴィアは1月から3月上旬までにファームウェアのアップデートを4回も行い、不具合を修正している。これは少し異常だろう。

 ただコヴィアのアフタサービスは丁寧だし、好感が持てる。
一方、販売元のNTTレゾナントのアフタサービスは最悪だ。メールで問い合わせをしても返事すら来ないし、問い合わせ先もHPで探しにくい。

 指紋認証も悪かったが、再設定し直したところ改善された。

 最後にスマホのサイズ。これは個人的な好みの問題もあるが、5.5インチはやはり大きい。5インチサイズの方が持ちやすいし、ポケットにも入る。
そんなこんなで、せっかく買ったg07だが、今はWi-Fi専用。
ただWi-Fi専用なら10.1インチサイズのタブレットを持っている。

 というわけで、現在はfreetel miyabiを日常使いのスマホに戻し、g07の出番はなし。

 ただし初めてスマホを買う人にはそれほど問題がある機種ではない。16,800円(19,800円ではなく)で買えるならコストパフォーマンスがいいスマホになるのは間違いない。
 Wi-Fiの掴みが悪い点さえ我慢できれば。
私は我慢できなかったからg07は自宅専用のサブスマホとしてしか使ってない。