栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

多少のデメリットもあるが、京都で2食付きで安く泊まれたホテル

2019-01-17 11:38:03 | 視点


 京都の観光地はどこもかしこも外国人でいっぱい、というのはいまや常識と言ってもいい。
当然、宿泊施設も同じで観光シーズンにはよほど前に予約を取らないと難しい。
ところが、探せばあるもので(どこぞのCMではないが)、3週間近く前の予約だったと思うが、
京都駅からそう遠くない烏丸に格安で泊まれた。
 宿泊料は2人で15,555円。しかも夕朝食の2食付きで、この価格。
宿泊料は安いに越したことはない。
でも20、30代の若い頃ならまだしも、いい歳になると部屋が古かろう、狭かろうというのは遠慮したい。
シーズンオフなら分かるが11月下旬の紅葉シーズンに、この価格は若干不安にもなる。

 だがホームページの写真を見ると、一応ビジネスホテル。
フロントもきちんとあって、というのも変だが、宿泊料金が安いビジネスホテルでは
フロントの接客スペースはせいぜい2人分というようなところが結構ある。
だが、ここはフロントスペースも広く、むしろ高級感さえ感じさせていた。
風呂は大浴場にサウナ。アメニティー類も一応揃っている。

 次はホテルの年数だが、2016年7月1日オープンとなっていた。
知名度不足でまだ宿泊者が少ないのだろうかなど色々考えてしまうが、
京都駅からそう遠くない距離にあるし、ほかに空いているところはないしで即じゃらんから予約。
ただ支払いは現金決済のみ。

 一抹の不安を抱えながら夕方チェックイン。
夕食は日替わり定食かカレー定食のどちらかを選ぶシステムになっていたので、あまり期待せず
京都駅のデパート、伊勢丹で惣菜類を買っていき、もしものときに備えた。




  
 部屋はお世辞にも広いとは言えない。はっきり言えばちょっと狭すぎる。
ベッドと形だけの小さなテーブルに、今となっては大画面とは言えないTV。
腰掛けるソファーもテーブルもなく、部屋に入ればベッドに腰掛けるか横になるしかない。
すべてがギリギリで作ってある。
荷物が多いと、室内に置くスペースがない狭さ。
これ以上部屋が狭いと絶対二度と泊まらない、と不満を持つギリギリの室内だ。
 なるほど、こういうやり方もあるかと妙なところに感心してしまった。
今までのビジネスホテルの盲点と言えば盲点をついたホテルだ。

 ホテルの名前は京都ユニバーサルホテル烏丸。
後に調べて分かったが、ユニバーサルホテル名で各地に展開をし始めているようだ。
民泊需要を当て込んだというか民泊需要にうまく応えたホテルづくりといえる。



 食事は1階レストラン、というのはビジネスホテルの常識だが、夕食メニューは2種類のみ。
チェックイン時に日替わり定食かカレー定食かを聞かれ、日替わりにした。
どこかその辺の定食屋に入ったような感じの夕食で、味も料理内容も期待できないが、
欲を言わなければこれもアリかなと思える。
 白人系の外国人も宿泊しているようでレストランで定食を食べていた。
学生風の若い女性だったから旅行費用を安くあげようと考えたのだろう。



 驚いたというか、この時初めて目にしたのが味噌汁の自動給餌器(写真)。
最初はお茶の自動給茶器かと思ったが味噌汁。
アルコール類(といってもビールだが)はレストラン内の自動販売機で買うシステム。
ジョッキ生とか日本酒の熱燗をと思っても、それは無理。
他の飲料は隣接のコンビニで買える、とまあ合理的。



 デメリットは自室が分かりにくいこと。
チェックインした後エレベーターで6階まで上がったのはいいが、その後フロアをグルグル。
番号を確認し、矢印方向に行ったのだが、途中で番号がなくなっていたのだ。
よくよく確認すると同じ番号が2つか3つあった。
A-○○号室、B-○○号室となっていたのだ。
しかも一部は外廊下。

 これって完全にマンションの作りと気づいた。
よく見ると2016年オープンの割には建物が古い。
そう1ルームか2DKあたりのマンションをビジネスホテル風に改装しているのだ。
民泊需要を当て込み各地にビジネスホテルをオープンしているようで、
一からホテルを建設するよりはるかに安上がりに建設できる。
しかも民泊法できちんと届け出れば営業できる。
もちろん、このホテルは民泊ではなく、一応ビジネスホテルに入るのだろうが、
ビジネスホテルと民泊の中間に位置する建物と考えて間違いない。

 問題なのはチェックイン時に非常階段の場所、避難経路の説明がなかったことだ。
しかも室内に常備されてある館内説明にはA4用紙に印刷された(写真)案内図があったが
非常口の位置が色付けされているわけでもなく、しかも用紙も文字も小さくて、
申し訳程度にとりあえず備え付けたという館内案内図だからハズキルーペ(拡大鏡)を
かけて見ても見えないだろう。

 さて、低価格とこうしたデメリットをどう考えるかだが、宿で旅の疲れを癒やしたい、
少しでも旅行気分を味わいたいと考える向きやシルバー世代にはお勧めできないだろう。





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