毎年のように大学生の国語能力の低下が言われている。特に「四字熟語の書き取り」や「誤字訂正」、「対義語・類義語」に弱いという結果が、今春、日本漢字能力検定協会が実施した「漢字能力調査」で浮き彫りになった。
大学生に限らず若者の国語力が低下した原因は様々だろうが、そのうちの一つに本を読まなくなったことがあるのは間違いないだろう。それも元はといえば国語審議会が常用漢字の数をどんどん減らし、新聞でも平仮名ばかりになったことと関係ある。つまり責任の一端は国にあるということだ。
そうした反省からか最近はTVも本もやたら日本語ばやりだ。しかし、所詮は受け狙いのものばかりだから、その効果はたかがしれている。
では、どうすればいいのか。まず小中高校の国語の授業を変えるべきだろう。いや、その前に国語の先生の国語力をテストすべきかもしれない。
兎にも角にもこれほど国語授業を軽視している国は他にない。
筆順をやかましく言うより漢字の成り立ちや日本語の豊かな表現力、文章の作法をきちんと教えたほうがよほど増しだ。
他言語に比べて日本語の際だった特徴は豊かな表現力と語彙の豊富さである。
例えば雨を表す言葉だけでも小雨、氷雨、春雨、五月雨、驟雨、村雨、快雨、糸雨、夕時雨・・・など、上げれば切りがない。
それはさておき、国語力の低下は何も大学生に限ったことではない。
ちょっと前のことになるが、ある女性デザイナーと話をした時のことである。
「小異を捨てて大同につくという言葉があるけど」と私が言うと、「それ、誰が言った言葉ですか」と即座に聞かれた。
聞かれた私は意味が分からず言葉に詰まっていると、今度は「あっ、四文字熟語ですか。私、四文字熟語弱いんです」と言われた。
もう完全に絶句である。
実は言いたかったのは「日本では小異を捨てて大同につく、というけれど、中国では小異を残して大同につく、という。オールオアナッシングではなく、小さな違いは残しながら、大筋で一致しているところで協力するという方法がいい」ということだったが、最初で躓いたので話はそこまでできなかった。
この言葉、民主党の菅直人氏が党首の時、小泉首相との党首討論の時に言った言葉なので、ある程度の年齢の人なら当然知っているだろうと思っていたが、間違いだったことに気付かされた。
それにしても、40歳に手が届きそうな年齢で、この言葉を知らないのにも愕然としたが、なにより「誰が言った言葉ですか」「四文字熟語苦手なんです」という反応の方にもっと驚いた。
そこでちょっと嫌みな質問をしてみた。「社会科の成績も悪かったでしょう」と。
返事は予想通りの「そうなんです。何で分かりました?」だった。
実は国語力がないと社会科はもちろんのこと、理科や数学などの成績さえも悪くなることがある。
数式は解けるけれど、出題の意味が理解できなければ答えられない問題が一杯あるからだ。
だから理科や数学の成績が悪い子の場合、一度国語力を調べてみることも重要だろう。
なにより困るのは、国語力がないと人とのコミュニケーションが取れなくなることだ。
言葉の意味や使い方を理解していなければ、同じ言葉を使っていても外国人と話しているような感じになる。
これではちょっと突っ込んだ話や、込み入った話になると意思の疎通ができなくなる。
ビジネスにも差し障りがでてくるというものだ。
大学生に限らず若者の国語力が低下した原因は様々だろうが、そのうちの一つに本を読まなくなったことがあるのは間違いないだろう。それも元はといえば国語審議会が常用漢字の数をどんどん減らし、新聞でも平仮名ばかりになったことと関係ある。つまり責任の一端は国にあるということだ。
そうした反省からか最近はTVも本もやたら日本語ばやりだ。しかし、所詮は受け狙いのものばかりだから、その効果はたかがしれている。
では、どうすればいいのか。まず小中高校の国語の授業を変えるべきだろう。いや、その前に国語の先生の国語力をテストすべきかもしれない。
兎にも角にもこれほど国語授業を軽視している国は他にない。
筆順をやかましく言うより漢字の成り立ちや日本語の豊かな表現力、文章の作法をきちんと教えたほうがよほど増しだ。
他言語に比べて日本語の際だった特徴は豊かな表現力と語彙の豊富さである。
例えば雨を表す言葉だけでも小雨、氷雨、春雨、五月雨、驟雨、村雨、快雨、糸雨、夕時雨・・・など、上げれば切りがない。
それはさておき、国語力の低下は何も大学生に限ったことではない。
ちょっと前のことになるが、ある女性デザイナーと話をした時のことである。
「小異を捨てて大同につくという言葉があるけど」と私が言うと、「それ、誰が言った言葉ですか」と即座に聞かれた。
聞かれた私は意味が分からず言葉に詰まっていると、今度は「あっ、四文字熟語ですか。私、四文字熟語弱いんです」と言われた。
もう完全に絶句である。
実は言いたかったのは「日本では小異を捨てて大同につく、というけれど、中国では小異を残して大同につく、という。オールオアナッシングではなく、小さな違いは残しながら、大筋で一致しているところで協力するという方法がいい」ということだったが、最初で躓いたので話はそこまでできなかった。
この言葉、民主党の菅直人氏が党首の時、小泉首相との党首討論の時に言った言葉なので、ある程度の年齢の人なら当然知っているだろうと思っていたが、間違いだったことに気付かされた。
それにしても、40歳に手が届きそうな年齢で、この言葉を知らないのにも愕然としたが、なにより「誰が言った言葉ですか」「四文字熟語苦手なんです」という反応の方にもっと驚いた。
そこでちょっと嫌みな質問をしてみた。「社会科の成績も悪かったでしょう」と。
返事は予想通りの「そうなんです。何で分かりました?」だった。
実は国語力がないと社会科はもちろんのこと、理科や数学などの成績さえも悪くなることがある。
数式は解けるけれど、出題の意味が理解できなければ答えられない問題が一杯あるからだ。
だから理科や数学の成績が悪い子の場合、一度国語力を調べてみることも重要だろう。
なにより困るのは、国語力がないと人とのコミュニケーションが取れなくなることだ。
言葉の意味や使い方を理解していなければ、同じ言葉を使っていても外国人と話しているような感じになる。
これではちょっと突っ込んだ話や、込み入った話になると意思の疎通ができなくなる。
ビジネスにも差し障りがでてくるというものだ。