さまざまな風景の中で、いわゆる「現場の風景」は魅力的です。この絵もその1枚です。
倉庫や金属部品の製造など中小の工場や事務所が建ち並ぶ、名古屋港周辺の街を歩いていて目にしました。
もちろん作業場内への立ち入りはできませんので、作業場に面した道路脇から拝見させてもらいました。
金属といっても一般的な鉄類や鋳鉄、ニッケルなど磁石にくっ付くものと、銅やアルミなど磁石にはくっ付かないものとがあります。そこで、さまざまな金属や金属以外のものも混じった廃棄物の中から、クレーンの大型磁石で磁石にくっ付く金属だけを吊り上げ、選り分けるのです。
金属加工工場などから集まる金属廃棄物を選別して溶解、再生する前段階の工程のひとつでしょう。クレーンの力強い動きと金属音。ダイナミックな作業が続きます。
絵にしようと後日にも出かけ、日本経済の一端を見る思いで描きました。40号です。
作品は、名古屋市博物館で8日(月・祝)まで開催中の日本水彩名古屋支部展に出品しています。