風の遊子(ゆうし)の楽がきノート

旅人を意味する遊子(ゆうし)のように、気ままに歩き、自己満足の域を出ない水彩画を描いたり、ちょっといい話を綴れたら・・・

楽書き雑記「アサギマダラの舞うフジバカマ園=愛知県東海市の加木屋緑地へ」

2018-10-21 07:38:38 | 日記・エッセイ・コラム

 


海を渡って長距離を移動することで知られるチョウの「アサギマダラ」。
室内イベント会場などではなく、アサギマダラが秋の七草であるフジバカマに集まる習性があることから、愛知県内でもアサギマダラの舞うフジバカマ園が何カ所か造られているのを知り、その1つ東海市の加木屋緑地へ出かけてきました。

 アサギマダラは、初夏のころ南西諸島から北上して北海道など涼しいところで過ごし、秋口になると南西諸島へ帰っていくことが分かっています。
羽を広げても10㌢ほどなのに、研究者らによるマーキング調査(つかまえたチョウの羽にマジックインキで日時場所などを記入して放つ)では、1000~2000㌔以上を移動、一日で200㌔も飛んだ記録があるそうです。

 愛知県はさしずめ長旅の休息と栄養補給の場というわけで、この時期は南下の途中。満開のフジバカマ畑を飛び交って蜜を吸っています。

アサギマダラがフジバカマの蜜を好むのは、毒素のある体にして鳥などの捕食者から身を守るためと繁殖のためだとか。
幼虫時代に食べる葉、成虫になって吸う蜜にも、アルカイド系の毒素を持つ植物を選ぶことで毒素を持つ体にしているのです。

フジバカマの蜜には、ピロリジジンアルカイドという毒素が含まれています。また、オスがメスを引き付けるフェロモンを分泌するにはピロリジジンアルカイドの摂取が必要ともいいます。

東海市の加木屋緑地では、数年前から市民ボランティアたちがフジバカマを植栽。秋にはアサギマダラのためのレストラン「フジバカマ」というわけですね。