「未来の芸術家たち展2018」
名古屋にある東邦高校美術科の第26回卒業制作展を、名古屋市博物館で見てきました。
意欲溢れるタイトルにふさわしく、豊かな感性と表現力に満ちた作品が並んでいます。28日(日)まで。
この地方の私立高校では唯一の美術科。1年生ではデッサンを、2年生の1学期には日本画、油絵、彫刻、デザインのうち2科目、2学期からは1科目に絞って、美術・デザイン系大学への進学を目指しているそうです。
今年の卒展は、従来の会場である愛知県芸術文化センターが改装工事のため名古屋市博物館に変更されたうえ、ひと月早い開催となって制作も大変だったようですが、日本画、油絵の22人の生徒が、50号と100号の作品を合わせて2枚ずつ出展しています。
風景、人物、花などさまざま。ただ、共通しているのは我々の一般的な教室展などではあまりお目にかかれない題材への挑戦や構図でしょう。
例えば、富士山。「富士山なんて描けないし、描かない方が懸命だ」といわれますが、逃げることなく堂々と100号で仕上げた作品はなかなかの出来。一緒に展示されていた砂場を描いた作品も見事だと思いました。
思い切り大きく描いた動物の顔、大胆に描いた人物なども、画面に引き寄せられます。
彫刻やデザインでも「親子で作ろう」と題した段ボールのカーキット、100人にアンケートして考案したという1つの靴を天気や季節に合わせて履くアイデアなど、豊かな発想力を感じました。
「せっかくの豊かな個性や創造力を持ちながら、大学では学年が進むにつれて、こじんまりしてくる」という声をよく聞きます。東邦の卒業生にはその壁を乗り越えて欲しいものです。