11月30日(火曜日)。🌧🌧🌧。午前4時半、またもや煙探知器がビッ。がばっと跳ね起きて、ドアを閉めて、灯りを点けて、脚立を持って来て、次のビッが来る前にワイヤのクリップをえいやっと抜いて、探知器そのものを撤去して、寝直し。やれやれ、毎朝やられたんじゃたまったもんじゃない。今日はパイナップル特急3兄弟の末っ子が到来。一番の暴れん坊と予想されて、土曜日の真ん中のより少しおとなしいような気がするな。州の緊急事態宣言は一般車のガソリンの給油制限(1回30リットルまで)と共に2週間延長。やれやれ。もうこっちは雨は当分いらないから、水不足に悩まされているところへ行って降らしてあげてほしいもんだ。それなら「恵みの雨」と称賛されるのになあ。
朝ご飯の後で外した煙探知器をじっくり調べて、このマンションが完成する前に生産終了になったバックアップの電池がない古い型であることが判明。なるほど、BOSAが契約した請負業者が卸業者の余剰在庫でも買い叩いて来たんだろうな。電池がないなら、原因はたぶん探知器の寿命(7年~10年)。だったら、もう1ヵ所に(前のオーナーが取り替えたらしい)煙/一酸化炭素探知器が付いているから、来年の点検のときまでに新調すればいいってことにしとこ。ということで、いらなくなったケーブル放送の受信機2セットをShawに送り返す準備をして、午後になって雨脚が緩んだところで、道路向かいの郵便局かあら発送して、きのう届いていたプリンタを引き取って来て、やっとこさ「やらなきゃリスト」をクリア。やれやれ、厄介なことって、どうしてこういくつもまとまって来るんだろうなあ。くたびれるよ、もう。
はぁ~とため息をつきつつ、束の間のワタシの時間は旅の記憶の整理の続きと行こうか。マルセイユを出て、1日のんびりと海を渡って着いたのはスペインのバレンシア。オレンジの産地で、すごく歴史の古いところだってこと以外はあまりピンと来なくて、クルーズ船が行くんだから港湾都市で少なくともある程度の観光資源があるんだろうぐらいに思っていたけど、人口80万とか言うスペイン第3の都市。朝、バレンシア入港。朝ご飯の後でデッキを散策していたら、船の後ろの方に月が残り、前の方には朝日。港の向こうにはモダンな高層ビルや建設クレーンがにょきにょきと建っていて、明るい活気が感じられる街という印象・・・。
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バレンシアでのツアーはバスの出発は10時半で、名物料理パエリャの調理実演とワインとペアした試食。会場のレストランに向かう途中で、バレンシアではモダンな建物と古からの建物がうまく調和して混在しているのは、芸術と科学を振興する文化都市を目指す都市計画を進めているからだ、とガイドさんの説明。それと、子供の音楽教育が盛んなんだそうな。下町的なカンパナール地区の古くからの街並みが保存されている小路の入口でバスを降りて、ぞろぞろと歩いて行ったレストランはパエリャで有名なところらしい。
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古い町並みを保存した小路(Calle Mossen Rausell)
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両側に並ぶ家々のバルコニーがロマンチック
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ちょっと古色蒼然とした感じのレストランEl Raco De La Paella
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壁や天井のアラビア風タイルはパエリャのルーツであるアラブ人が残したもの。
バレンシアはスペインの名物料理パエリャの発祥地で、米作をもたらしたアラブ人から伝えられたものだそうな。薪を盛大に燃やして、浅い大鍋で盛大に作って、大人数で囲んで楽しむのが伝統的な食べ方だそうで、今でも日曜日には家族そろってパエリャを食べることが多いとか。その日曜日のパエリャを作るのは一家の男の仕事だそうだから、一家の主人が腕を振るう北米の裏庭バーベキューに通じるものがあるな。具材を炒めてソースと米を入れた後はかき混ぜてはダメ。かき混ぜると米に粘りが出るからだそうで、要は上等のお焦げご飯というところかな。でも、スペインの地方によってはもっと柔らかい仕上がりが好まれるところもあるとか。最近、バレンシア州政府がパエリャを「重要文化財」に指定して、伝統的な具材やレシピを保護すると発表したそうだけど、その文書というのがや何と8ページという、すごい力の入れよう。
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パエリャの基本材料。ガイドさんがたたんだ紙の間に挟んだサフランの上から鉛筆を転がして粉にしているところ。子供の時によくやらされたんだそうな。サフランは普通めしべのまま瓶に入っているけど、粉にして使うとは知らなかったな。粉にして初めて特有の香りが出るんだそうで、しっかり覚えておこう。
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パエリャ作りは男の仕事と、男性組にエプロンが配られて、キッチンに行列。まずシェフがにわかヘルパーに訓示。
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カレシも具材を炒めるのをお手伝い。
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ソースを入れて、コメを入れたら後は仕上げ。
肉、シーフード、野菜の3種類のパエリャが出来上がって、地元のワインを飲みながら、お皿に盛られた3種類を賞味。ご飯とはまったく違うコリっとした食感が何とも言えない。浅い大なべを使うのはまんべんなくコリっと仕上げるための工夫なんだろうな。北海道語で言う「めっこ飯」をもう少し良くしたような感じだけど、ボンバ米という独特の単粒米なんだそうな。同じ単粒米でも、日本米ではこういう食感は出せないだろうな。リゾットに使うイタリアのカルナロリ米なら、すこしは近い食感を出せるかどうか一度試してみようか。ワタシは日本のふっくらした白いご飯は甘過ぎて口に合わないんだけど、その他の米は大好き。本場バレンシアのパエリャは、ほんっとにおいしかった。ごちそうさまぁ。
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帰り路のバスの窓から見えたバレンシア・オレンジの街路樹
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ソフィア王妃芸術宮殿
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おいしいランチの後はプールサイドでの日向ぼっこもいいかな。港にはスーパーヨットも停泊中。
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コンテナの山の向こうには大型クルーズ船も
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夕暮れが迫る中、一路マヨルカ島へ