リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

マクドナルドのポテト不足は欧米のオンライン・ショッピングのせい?

2021年12月24日 | 日々の風の吹くまま
12月23日(木曜日)。🌤☀🌥☁。寒波襲来の注意報が出ている。北極の寒気が張り出して、南下するやつで、クリスマスの夜から氷点下になって、週明けには日中の最高気温でもマイナス2ケタが新年まで続くらしい。やぁ~だっ。クリスマスを目前にして大雪に閉じ込められた13年前を思い出すね。ちょうど今ごろどかどかと雪が降り出して、1週間ほどで何と90センチ。角地の我が家では、カレシが通りかかった車が雪の積もった角を曲がれずに立ち往生するたびにシャベルを持って「救助」に出動。郵便や水の配達はストップするし、おまけに何十年ぶりかのマイナス2ケタの大寒波で路上駐車の車が雪に埋まったまま凍り付いたもので、買い物に行こうにも車が通れるのは道路の真ん中だけだから、危なくて車を出せない。あの寒波が緩んで積み上がった雪が解け始めたのは2月に入る頃だったかな。今は何よりも雪かきをしなくてもいいから、けっこう気楽でいられるけど、道産子のワタシが雪も寒波も嫌ってのは、やっぱり年を取ったってことかな。

日本のマクドナルドがコロナによる物流の混乱とカナダでの大洪水のせいで原料不足になって、フライドポテトのMサイズとLサイズの販売を休止することになったそうで、こっちじゃ別にジャガイモが不足している気配はないのにと不思議がっていたら、地元の新聞サイトにくわしい事情を説明する記事が載っていた。何でもマクドナルドのフライは特定の種類のジャガイモでなければならないんだそうで、丸ごと輸出して日本で加工するんだろうと思っていたら、北米で揚げるだけの状態に加工して、冷蔵コンテナで日本へ輸送しているんだそうな。で、オンラインショッピングの隆盛で中国製品のコンテナ輸送が激増して、コストも激増。バンクーバー港などでコンテナの中身をどさっと降ろして、空のコンテナを積んだ船を中国へとんぼ返りさせる方が船会社は儲かるそうで、さらには元々冷蔵コンテナを積める船が少ないところへして、船積みを待つ間に陸でコンテナを冷却する電源も足りなくて、その上に11月の大雨と洪水で鉄道や道路が寸断されるという、まさに泣きっ面に蜂の連鎖で日本でマクドナルドのポテトが不足、というのが背景事情。

しまいには北米でのオンライン・ショッピングの急増が日本でのフライドポテト不足を招いたと言わんばかりだけど、この2年の世界の経済状況の変化を反映している気がする。記事には、トヨタがバブルの頃に有名にした「ジャストインタイム生産方式」(かんばん方式)が機能した時代はもう終わったみたいな一節もあって、もしかしたら、コロナのパンデミックはひたすら安さを追い求めた「グローバル化」の終焉を示唆しているのかもしれないと思ってしまった。ワタシはグローバリゼーションが輝いていた時代にその真っただ中で翻訳の仕事をして荒稼ぎをしていたんだけど、いつも何となくしっくりしないものを感じていた。ウォルマートのような企業がいたるところに巨大な店を構えて、「安く、安く、もっと安く」が消費者の既得権であるかのように宣伝しまくっていたけど、安く売れるのは製造拠点を発展途上の貧しい国に移したからで、その結果として失業して貧しくなった人たちに本来なら自分たちが作って生計を立てているものを「安く」売りつけているわけで、ゼロサムゲームを絵に描いたようなものじゃないか、と。

日本のマクドナルドでフライドポテトが足りないと聞いて、真っ先に頭に浮かんだのは、日本には北海道と言うジャガイモの大産地があるじゃないのと言うことだった。特定の種類でなければダメと言うなら、北海道でそれを生産すればいいじゃないか、それを一歩進めて「日本でしか食べられないマクドナルドのフライドポテト」を生み出せたらなおいいじゃないかという話。最近注目を集めている「Shop Local」(地元でお買い物)というコンセプトを市民生活の枠を超えて、「Buy local」(現地調達)という形で生産や輸送の流れを変えるわけだけど、どこかよその国でどうしても食べたいと言う人がたくさん出て来たら、ブランド化して売ってあげればいいじゃないの。元をただせば、商業も貿易も互いにないもの、欲しいものを融通し合う物々交換から発展したわけで、ある意味で基本に立ち戻ってみると言うことかもしれない。まあ、人間世界には「欲」という大きな壁があるから、現実としては無理だと思うけどね。