リタイア暮らしは風の吹くまま

古希を迎えて働く奥さんからリタイア。人生の新ステージで
目指すは悠々自適で遊びたくさんの極楽とんぼ的シニア暮らし

バッテリが上がって予定外の買い物

2015年01月17日 | 日々の風の吹くまま
金曜日は13日でなくてもいろいろとストレスフルなのはどうしてだろうね。きのう、カレシが
教室に出かけようとしたらエコーのエンジンがかからなかった。「かかりそうでかからない」と
いうのはバッテリのパワー不足ということか。火曜日に買い物に行ったばかりなのに、ヘン
なの。エコー(ヴィッツ)は10年になるけど、なぜか冬場によくバッテリが上がる。このところ
霧がかかって空気がじっとりしていたから、もしかして電気系統のどこかで漏電とか・・・?

カレシの対応策は、金曜日の夜にジャンプスタートして郊外までぶっ飛ばして、充電がてら
買い物をして来ること。特に必要なものはないけど、ドライブも悪くないから、さっそく夕食後
に作業開始。ワタシは懐中電灯を持って「照明係」。出かける用意をして、ご対面のエコーと
タコマの間であっちを照らし、こっちを照らし。ケーブルのクリップを順につないで、最後の黒
いクリップをエコーの・・・というステップで「おい、どこにつなぐんだ」とカレシ。あれ、何度も
やったのに忘れたの?説明札には「金属部分(エンジンブロック)」と書いてある。でも、エン
ジンブロックの金属部分て、どこ・・・?

何とかつないで試したけどエンジンはかからない。つなぎ方の間違いだろうとは思うけど、
下手をして2台ともフライドチキンになるのは悲劇なので、明日レッカー車に来てもらうこと
でドライブは中止。でもそこはチェンジ魔のカレシのこと、急に「レッカー車が30分くらいで
来たら買い物に間に合うかな」。まだ9時過ぎで、Save-Onは真夜中までやっている。すぐ
にBuster’sに電話したら、費用は5千円ですぐに行きます。20分後にレッカー車が来て、
ちゃかちゃかとケーブルをつないで、一発でエンジン始動。失敗の原因を聞いてみたら、お
兄ちゃん曰く「ボディにつなげば良かったんだよ」。どうやら説明は「金属部分(エンジンブロ
ック、etc.)」とすべきだったらしい。(中国製品は説明書の英語がいい加減だから困る。)

週末で交通の少ないローヒードハイウェイをぶっ飛ばして、初めて行くSave-On-Foodsま
で。バーナビーのこのあたりはもう「郊外」の雰囲気ですこく大きいし、行きつけの店とは品
揃えが違っている。珍しいもの(ナタデココとか)を衝動買いしてご帰館。(バッテリは何だか
まだ・・・。)ドライブみやげは丸ごとチキンのツインパック↓ 疲れたから、今夜はよく寝て、
明日はサムゲタンを作ろうかな。

     

言葉は音楽なりと思うとき

2015年01月16日 | 日々の風の吹くまま
長くなりそうだけど書いちゃおう。「言語は音楽である」、と。文字のない言語はあっても、声
を出さない言語は世界のどこを探してもない。人類以外の動物や鳥類だって言葉は持って
いなくても声はある。人間が民族ごとに独特の言語と音楽を持っているように、動物も種ご
とに独特の音や旋律を持っている。つまり、人間も動物も同じような方法で「同類」を見分け
て、情報の交換と伝達をしているわけで、「同類」以外との意思の疎通が難しいのは人間も
動物も同じだろうと思う。(通訳が売春と並ぶ世界最古の商売と言われる所以だし、翻訳も
文字の発明と同じくらい古い商売だと思う。)

最近しきりにカレシが「英語の発音の問題」を持ち出すので、付き合いながら寝酒をやって
いるうちに、ワタシの勝手な説もあんがい大外れじゃないかもという気がして来た。(逆に
「音楽は言語である」と言えるのかどうか・・・。)多民族都市バンクーバーは必然的に多言
語都市だから、いろんな言語が耳に入る。ヨーロッパ系言語なら多少は知っている単語を
聞き取れるけど、普通はチンプンカンプン。そんなときに何となく「メロディ」を聞き、リズムを
取っているのは、ワタシの脳が音楽を聞いていると思い込んでいるかららしい。

事の始まりはカレシの生徒のチオンさんが発音を聞いてくれと送って来た音声ファイル。カ
レシが「何を言っているのかわからない。ちょっと聞いてみてくれ」と言うので聞いてみたら、
ワタシにもさっぱりわからない。「スカイプでは普通に話せるのになあ」とカレシ。チオンさん
は四川省出身で、香港大学の大学院で環境工学の博士論文を執筆中の(超カワイイ)お嬢
さん。将来の夢は環境エンジニアとして海外に出ることで、英語でのプレゼンが増えたので
発音を改善したいということだけど、うはぁ、これ、しっかりと中国のメロディだ。標準中国語
特有の抑揚で話すから英語らしく聞こえない。単語の発音は悪くないのに・・・。

言うなれば英語の歌を中国音楽特有の節回しで歌っているようなもので、マーク・トウェイン
が彼の悪態をまねてみせた奥さんに「言葉はわかってても節回しがダメじゃん」と言ったと
いう話があるけど、まさにそれだと思う。単語の発音の良し悪しよりも、英語とまったく違う
抑揚(メロディ)やリズムが聞き手の脳に「知らない外国語だよ」という信号を送ってしまうの
が問題なんじゃないのかな。じゃあ、どうやって英語の節回しを教えたらいいのかと聞かれ
ても困っちゃうんだけど。音楽の先生に聞いてみる?

翻訳者稼業は綱渡り

2015年01月15日 | 日々の風の吹くまま
ネットを散歩していたら、BLOGOSに日本の新聞がCharlie Hの「Tout est pardonné」を
「すべては許される」(=何をするも自由)としたのは誤読だという記事があった。ワタシはフ
ランス語から「All is forgiven」(すべてを赦す)と読んだけど、直訳日本語では新聞メディア
の訳になってしまうだろうな。「All is forgiven」はキリスト教思想が下地にあって、(酷い目に
遭ったけど)怨念を捨てる(赦す)という感じだけど、異教徒の日本人には通じないだろうか
ら、ワタシだったら日本的に「何もかも水に流す」と訳すだろうな。

辞書を見ると「許す」に多様な意味合いの英語が挙がっている。つまり、日本語は「赦し」も
「容認」も「許可」もみんな「許す」で事足りるわけだけど、この大まかさに日英翻訳者はいつ
も悩まされる。英語は難しいと嘆く人に「コミュニケーションの道具に過ぎない」と助言するの
をよく見るけど、人間の言語は無機質な「コード」ではなくて、それぞれの民族が生まれた環
境とそれに根ざした思想や宗教、文化が根底にある。だから翻訳はtraduttore, traditore
(イタリア語で「翻訳者は裏切り者」)と言われるほど危ない綱渡り仕事ってことだけど、互い
に分かり合えないとしたら言語を機械のように扱うからかもしれない。

CHの「風刺画」は他のメディアでよく見るけど、全然おもしろくないというのがワタシの正直
な感想。欧米の新聞は社説のページにひとコマのeditorial cartoon(時事風刺漫画)を掲
載するのが普通で、的を得た突っ込みに笑ったり、ペーソスに胸を熱くしたりするものが多
い。時の権力や権威を笑いのネタにする点では同じなのに、CHの「風刺」からユーモアも
ペーソスも感じられないのは、フランス人の感覚がイギリス人(とそれを受け継いだ英語圏)
の「ユーモア」とはまったく異質なものだからじゃないかと思う。

日本の人は西洋を大雑把に「欧米」と括るけど、「欧」と「米」の気質は日本人が想像する以
上に違う。単一民族が単一言語を話す島国の視座からは見えないかもしれないけど、カナ
ダとアメリカは東京と大阪以上に違うし、ヨーロッパの中でもフランス人気質は際立って独特
だと思う。それにしても、他国での事件を語りながら、他国や宗教に暴力を振るわない、思
いやりのある日本人はやっぱり偉いという方向へ引っ張るような記事が多いのは、他の(気
質の違う)国の文化や人と比べて(見下げて)の「日本(人)スゴイ」論が浸透しているという
ことなのか。ほんとにスゴイんだったら他と比べる必要なんかないと思うけど。

知りたがり魔を解放してあげよう

2015年01月14日 | 日々の風の吹くまま
すごい霧。我が家の裏の方3軒目の家の持ち主が亡くなって、親しかった隣のパットが遺品
の整理を手伝っているそうで、大きなゴミ袋はないかと言って来た。何と遺言状に隣家のベ
ースメントに間借りしていたダンに「親身に世話をしてくれた礼」として残すと書いてあって、
当のダンは不仲の大家の隣に住むのは嫌だから土地を売って引っ越すつもりらしい。家は
ボロいけど土地だけで9千万円はするから、親族が異議申立て中。パット曰く「義理の妹の
連れ子だから1割も取れるかどうか」。へえ・・・。

きのうから新しいヘッドフォンで「お勉強」。講座はぐうたらして放ったらかしだった『Stress
and Your Body』(ストレスと身体)。スタンフォード大学のサポルスキー教授はポニーテー
ルにひげもじゃの仙人みたいな風貌だけど、専門は神経医学と神経外科学。24コマのうち
残りは6コマで、きのうはストレスホルモンであるグルココルチコイドがうつ病と神経伝達物
質の関係にどのように関わっているかという「ストレスとうつ病の生態過程」と「ストレスとう
つ病の心理過程」。自分がうつ病だったときは持続的なストレスでグルココルチコイドが出っ
放しだったんだと納得・・・。

さて、「修了」したら次はどれにしょうかな。今日も新しいのが届いて、買い込んだ講座の数
がいつの間にか31。大学3年分くらいの単位は軽く取れるかもしれない。何百時間の勉強
になるのか見当もつかないのに、次々と増える新しい講座をおもしろそうだっというノリで買
うもので、まじめに見ないとそれこそ「生涯教育」になりそう。まあ、90歳で大学を卒業する
おばあちゃんがいたりするくらいで、お勉強に年齢制限はない。(脳みそに寿命があったと
しても。)よし、次は『The Joy of Science』(楽しい科学)にしよう。60コマ(30時間)もある
けど、棚には地球科学、天文学、海洋学、気象学、法科学(鑑識とか検視)といった講座が
並んでいるから、まずは基礎固めを・・・。

それにしてもワタシって、好奇心旺盛なのか単に物好きなのか知らないけど、からっきしの
教えられ下手なくせに根っからの知りたがり。しかもこの世界にはワタシの知らない驚異が
たっくさん。科学系の他に、棚には音楽、歴史、文学、言語学、心理学といった文系の講座
がぎっしり。生活の基盤固めに没頭していた時に閉じ込めていた「知りたがり魔」を解放して
やらないとね。後がどれだけあるのかわからないからこそ今やらないと・・・。

人間は感情の動物というけれど

2015年01月13日 | 日々の風の吹くまま
夢を見ていたようだけど、目が覚めてすぐに忘れたのは悪い夢じゃなかったということ。眠り
に戻るのが怖いような悪夢はこりごりだから、ワタシにとっては思い出せない夢は良い夢。
かってワタシを苦しめた悪夢が遠のいたのは自分が殺された夢を見てからだったな。あの
感覚は今もはっきり覚えているけど、不思議に恐怖感がなかったから、悪夢ではなかった
んだろう。だって、突然背後から襲われて抵抗する間もなく殺されたから、「犯人」も「動機」
もわからないまま迷宮入り・・・。

きのうから「憎悪の感情」がわからないワタシはほんとに鈍感なのかと考えていた。日本で
生まれ育った27年は、「箱」の外に出されて、窮屈だとわかっていながら入れてもらおうとし
て追い払われるという感じだった。(小学校の頃に夕食の時間に遅れて帰ったら玄関に鍵
がかかっていて、暗くなる中で途方に暮れて泣いたあの気持に似ているかも。)ワタシを入
れてくれた「箱」が心地が良くて幸いだったけど、振り返れば憎い、許せないと思ってもおか
しくないこともあったわけで、憎悪が人間の自然な感情なら、普通に人間のワタシにも殺し
たいくらいの憎悪があって当然だと思う。

でも、「好きになれない」とは思っても、相手を許さないとか倍にして返す!という激しい憎悪
を抱いたという記憶がない。もしもそういう感情があって心の奥深く封印しているんだったら
ちょっと怖いけど、それが「心の闇」と言われるものかもしれない。なかったとしたら、やっぱ
り鈍感だということになるのかな。あんがい、遠い過去の憎しみは消えてしまったのかもし
れない。いつか小町横町の人生経験豊かなご隠居さんに「これって普通ですか」と聞いて
みようかな。

ワタシの友だちは実生活でもネットでも思想的には大半がワタシの左側にいる。ずっと左の
人だっているけど、ワタシの人格を脅かさない限りは来る者は拒まずで、みんな「友だち」。
趣味や嗜好はもちろん政治思想や諸々の価値観が違っても「付き合えない」と感じたことは
ない。もしかしたら知らないうちに誰かに「アンフレンド」されているかもしれないけど、それ
はそれでその人がそう決めたことで、ワタシ個人の価値が下がるわけじゃないから、去る者
は追わず。それにしても、人類はするだけ進化したから後は理性も何も機械に任せて退化
するのみなのかな。そう思うと今この年になっていて良かったという気がして来るけど・・・。

いつになったら霧が晴れるのか

2015年01月12日 | 日々の風の吹くまま
まだ霧っぽい。(人間世界も。)ゆうべは隣のパットが来て、カレシとおじいちゃん2人の新年
会を始めたので、おつまみを出した後はさっさとオフィスに引っ込んで仕事の仕上げ。パット
はカレシより2才年上でひとり暮らしで、だいたい年に1度か2度こうやってカレシと飲み会
をやっている。仕事が終わったところで上がったら、2本のワインはすでにほぼ空っぽ。私
達のランチの時間が近いので、すぐにご飯を炊いて、スシ好きのパットのために予め解凍し
ておいたネタ数種でちらし寿司を作って「オモテナシ」。

起きたのは午後1時近く。終わった仕事の見直しをして送って、やれやれ。どうもやる気を
保つのがだんだんめんどうになって来る。今年はもう少し仕事を減らしたいなあ。でも、今日
もカナダドルが下落したので、今はアメリカドルの稼ぎ時と思ってもうちょっとがんばるかと
いう気にもなるから、困ったワタシ。それでもやっぱり仕事が億劫になって来たのは否定し
がたい。年のせいかな。今年の春にはしっかり60代後半真っ只中の67歳。はあ、このワタ
シが67歳って、ぜぇ~んぜんピンと来ない・・・。

BBCのサイトで見かけた「政治的信条を理由に(FBの)友だちを解消するか」という記事が
おもしろかった。ドイツのPegida(「西洋のイスラム化に反対する愛国ヨーロッパ人」と言う
らしい)に関連して、あるブロガーが元々FBの「いいね」を押した人を知るために作ったツー
ルを利用して、FBの「友だち」がPegidaの同調者かどうかを調べて友だち解消する現象
が起きているらしい。友だちの嗜好や趣味が違うというだけで「合わない」と疎遠にする時代
だから、ネットの人間関係では驚くことではないのかと思うけど、何だか本当に脅かされて
いるのは「言論」じゃなくて「思考」の自由のような気がする。

インターネットが一番大きく変えたのは人間関係だと思うけど、人間てどうしてとことん殺し
合うくらい他の人間を憎めるんだろうな。誰でも好き嫌いがあるのは当然としても、直接の
関係も交流もない人間にまで憎悪の感情を持てるらしいのが不思議。でも、坊主憎けりゃ
何とかという諺があるくらいだから、もしかしたらワタシが鈍感なだけで、それが人間の本能
的感覚なのかもしれない。だから多様な人間同士の「平和」や「共存」が未だに見果てぬ夢
のままなのかもしれない。人間は「万物の霊長」というのも、もしかしたら勝手な思い込みで
しかないとか・・・?

マック騒動もサザン騒動も何なんだろう

2015年01月11日 | 日々の風の吹くまま
霧。何となく混沌とした世の中を映しているようでもある。日本のメディアは連日マクドナルド
の商品に異物が混入していたというニュースで大賑わい。さらにはどこかの会社の製品に
も異物、学校給食にも異物、コンビニ弁当にも異物。つい去年東京のデパ地下で見た山の
ような食べものを思い出して、あそこならどんだけ異物が見つかるかな・・・。思うに、猫も杓
子も鵜の目鷹の目で「異物」を探して、メディアが展開する「食品異物混入」イベントに参加
している気分なのかも。付和雷同というか、mob mentalityというか・・・。

昔、朝食のシリアルに細い針金が混じっていたことがあった。箱にあったメーカーのホットラ
インに電話したら、「調査に必要なのですぐ取りに伺います」。郵送するから取りに来なくて
もいいと言ったら、何だか不安そうな反応。経緯を手紙に書いて、針金と一緒に送ったけど、
カレシ曰く「訴えられないように証拠を回収したかったんだよ」。訴えるなんて考えもしなかっ
たけど、へえ、そうだったんだ。しばらくしてメーカーから「製造ラインで混入したことが判明
したので、今後管理を徹底します。ありがとうございました」という何とか部長の手紙が来て、
一緒に届いた大きな段ボール箱には会社のいろんな製品がぎっしり・・・。

最近やたらと「サザンの歌」がどうこうとか言う記事があって、ウヨ族から政権批判だ、反日
だ、不敬罪だと攻撃されているらしく、所属事務所にデモが押しかけたと言う話。どんなもん
かと歌詞を探してみたら、なぁんだ、昔アメリカでフォークが隆盛した時代にヒットした「プロ
テストソング」とあまり変わらないじゃないの。アメリカでは風刺もあれば真っ向からの政府
批判もあって、若かりしワタシもギターを抱えて歌っていたけど、あの頃の痛烈さに比べた
らこの歌の歌詞なんかおとなしすぎるくらい。まあ、ウヨ族にしたら「日本批判(=反日)」は
一切許すべからずってことになんだろうけど、問答無用で攻撃するのは考えるのが苦手だ
からなのかな。

でもこれ、過激イスラミストの自分たちの意に服従しない「異端」は撲滅するという思想(と言
えるかどうか知らないけど)に何となく通じるところがあるような感じもする。どこかで読んだ
ように「日本人であることが日本人の宗教」なんだとしたら、過激な日本人教狂信者が現れ
て異端狩り(テロ)を始めても不思議はないかな。オウムのような先例もあることだし・・・。

今日はドタチェンなしの予定通り

2015年01月10日 | 日々の風の吹くまま
カレシと買い物に行く予定だけど、どうせドタチェンするだろうとのんきに構えていたら、朝食
が済むや否や空き瓶をケースに詰めて、「おい、行くぞ」。え、ほんとに行くの?今日は土曜
日だよ。モールの駐車場はきっと込んでるよ。「ジンがないし、ワインも少なくなったからしょ
うがないさ」。なるほど。「でも、4時にレッスンがあるから2時間以内に帰って来ないとね」。
はあ、そうでっか・・・。

酒屋の駐車場はわりと込んでいたけど問題なし。カレシが空き瓶を返している間に、さっと
レミを1本。ワインはカレシが白を6本、ワタシが赤を2本選んで、後はジンの大瓶1本。日
本酒が増えてポートとシェリーのスペースを圧迫している感じで、日本の銘柄も増えた。昔
は(アメリカ産の)月桂冠だけだったのが、今どきは一端の薀蓄を傾ける「通」がいたりする
日本酒ブーム。ワタシは日本産ならTojo’sが店の銘柄にしている新潟県の吉乃川の純米
酒、アメリカ産なら青森県の桃川がオレゴン州で作っているPearl (にごり酒)がお気に入り。
バンクーバーでも日本酒が作られていて、郊外で原料米の栽培も始まっているけど、ワタシ
の舌にはちょっと甘すぎ。そのうちに辛口の逸品ができるかもと期待してはいるけど・・・。

モールの駐車場はぐるぐる回ったけど満杯で、諦めて外に路上駐車。Crate & Barrelでは
壊しているうちにどっちも最後の2個になってしまったマティニグラスとジュース用のコップを
セール中。ヘルプを頼むと店員さんがバスケットを持って付いて来てくれる。マティニグラス
は8個なら単価が下がるので8個。襟元のマイクで倉庫に問い合わせて、箱は6個入りなの
でとバスケットに2個。コップも12個だとさらに安いので箱ごと12個。後はふと目をつけた
白ワイン用フライト(試飲用カラフ)を3本。誘導されたレジに行ったらカウンターに倉庫から
持って来た箱が2つ。世間話をしながら、大きな袋2つに箱を入れて、単品は壊れないよう
に丁寧に紙で包んでそっと袋に・・・。

日本流の接客サービスを絶賛する日本人は多いけど、ああいうマニュアル通りの無機質で
慇懃(無礼)な接客よりは、こうやって対等に世間話のひとつもできる方が温か味があって
心地がいい。もっとも、お安いのが売り物のところではスタッフの態度も粗悪なのは確か。も
しかしたら、こっちでいつもサービスの悪さを扱き下ろしている人たちはそういうところでしか
買い物しないとか・・・?

駅の階段で運動して来た

2015年01月09日 | 日々の風の吹くまま
霧が晴れて、何となく雲の間から日が差しそうな気配。気温8度。雨は降らないようなので、
この隙にダウンタウンにひとっ走り。目当ては新しいヘッドフォン。「初計画」のその2「学ぶ」
にかかろうとしたらイアバッドの収まりが悪くてイライラ。考えたら何にしても耳にモノを突っ
込むのが嫌いなワタシ。じゃあヘッドフォンをと思ったら、あら、カレシのスカイプレッスン用
になっている。それじゃあ新しいの買って来よう、というわけでトートバッグを肩に地下鉄の
駅までてくてく。

家の中で階段を上がるときは、運動のつもりで腕を大きく振って、ぴょんぴょんと跳ねるよう
に上がるんだけど、これを公共の場でやるのはちょっと何だから、地下鉄駅の階段は足取
りに弾みをつけるだけ。それでも1本が30段近くあったりするのでかなりの運動量。下りは
背後からぶつかられると危ないので、手すりに肘を乗せて滑らせながら下りる。バス亭では
きちんと並んで、順番に乗る(おまけに下りるときには運転手に「サンキュー」と言う人が多
い)のに、「駅」では電車が入っているとみんなダダダッと階段を駆け下りるから不思議。乗
り損ねたって日中は3分待てば次が来るのに何でそんなに急ぐのかな。「駅」と名の付くとこ
ろでみんな気が急くのは世界共通みたいな気がする。

駅のエスカレータは上りだけだったり、下りだけだったり。東京もけっこう上りだけだったよう
な記憶があるけど、何でだろう。ちなみにバンクーバーのエスカレータは立つ人は右側、歩
く人は左側ということになっている。道路交通の「追い越しは左側」の原則を踏襲したらしい。
エスカレータと言えば、今でも覚えているのがニューヨークはマンハッタンのメイシーズ本店
(総床面積は18万平方メートル以上だそうな)で見つけた木製のエスカレータ。一番古いの
は建物ができた1902年当時に設置されたものだそうで、踏み板も木製のままで、ゴトン、
ゴトンとのんびり動いていたっけ。

ダウンタウンに着く頃にはなぜか気が変わってHマートへ。郊外の店から姿を消した?ラー
メンスープや中華だしやから揚げミックスを少し多めに買ってとんぼ返り。お目当てのヘッド
フォンはPCにつないでDVDの講義を聞くのが目的なので、モールにあるSourceで手ご
ろな値段のものを見つけて来た。やっぱりイアバッドよりは聞き心地がずっといい。どうでも
いいんだけど、なぜかマウスと同じ赤・・・。

     

誰がために祝日はある

2015年01月08日 | 日々の風の吹くまま
まだ濃霧注意報。朝早くに道路清掃車の轟音で目が覚めた。徐行しながら車体の下のブラ
シを回して歩道際の腐れ落ち葉を掃除するんだけど、おとといは何度来ても我が家の外は
路駐の車で掃除ができなくて、市が歩道の芝生に臨時の「駐車禁止」の標識を、それも「月
曜日~金曜日」と書いた部分に「1月8日」と手書きした紙をテープで貼って立てて行った。
カレシは夜のうちにトラックと車を道路の反対側に移しておいたので、目覚ましが鳴って起
きた頃には道路掃除は完了。

すぐに2台を元の場所に戻しに出たら、ちょうど市役所の車が標識を回収して行ったところ
だったとか。わっ、お役所にしてはすごい迅速サービス。まあ、2、3年前にカレシが「1分も
あれば終わる仕事なのにふざけるな」と311番(市のホットライン)に噛み付いてから、我が
家のところだけは「実施日」を指定するようになったんだけど、もしかしたら清掃部に「あそこ
にはやかましい爺がいるから気をつけろ」という申し送りがあったりしてね。もっとも、ホット
ラインができてから市役所が市民の苦情に迅速に対応するようになったのは確か。ま、お
役所が「すぐやる」ってのはoxymoron(撞着語法)に聞こえるけど、日本では「すぐやる課」
を作った地方都市があったなあ。

カレシを今年最初の英語教室に送り出して、きのうやっていた仕事のファイルを片付けて納
品。もうひとつのファイルはこちら時間で月曜日(日本時間で火曜日)が納期。正月休みが
終わったばかりなのに、もう祝日の三連休だって。日本は国民の祝日がすごく多い感じで、
今は年15日とか。「山の日」とかいうのが加わったら16日になって、年末年始の休みと合
わせるとけっこうな日数になる。これに有給休暇の日数を加えたら、いつ仕事をするんだろ
うと不思議に思えて来る。でも、その代わりに有給休暇はあまり取らないらしいから、総合
的に見たらカナダとあまり変わらないのかな。(アメリカでは意外に祝日が少なくて、基本的
に10日らしい。)

法定休日なんてのはサラリーマン階級のためにあるようなもので、フリーランスの自営業に
は絵に描いた餅。日本で竹中とか言う人が「正社員をなくそう」と発言して騒がれているそう
だけど、もし正社員制度がなくなって、究極的にみんなフリーランスのようになったら、日本
では休日が形骸化して、「月月火水木金金」のすぐやる式で働くことになってしまわないん
だろうか。

本当の愛国心てどんなもの?

2015年01月07日 | 日々の風の吹くまま
今日は濃霧注意報発令中。今夜は視界ゼロに近いとか言っている。バンクーバーの冬は
相対湿度が100%になることも多くて、よく霧が出る。生まれ故郷の「ガス(海霧)」はじっと
り重いという感じだったけど、バンクーバーの霧はベールのように軽い。昔、ダウンタウンの
高層アパートの15階で暮らしていて、濃霧に包まれてしまうと何も見えなくて、まるで白い
宙を漂っている感じだったな。

さて、仕事始め。法律の解説や経営上の意見は退屈極まりないけど、こういう文書はそうい
うものなので、翻訳もがっちりと退屈極まりない法律英語調。内容は退屈でもその国(ここで
は日本)の政治社会の底流のようなものを垣間見ることができておもしろい。最近は日本の
新聞サイトよりもBLOGOSと弁護士ドットコムニュースをもっぱら読んでいるけど、こっちは
百家争鳴なもので読み比べるのがおもしろい。日本にいないからわからないことも多いけど、
日本の外にいるからこそ日本の人が気づいていないかもしれない変化を感じることも多い。

まあ、日本の中にいる人は外の人からそういうことを指摘されたくないようで、ときどき読む
コメント(表示される部分だけ)からも国粋主義が台頭しつつあるという印象も受ける。でも、
多くはメディアが煽るお神輿を担いでいるような感じで、小町横町にも似たようなトーンの書
き込みが増えているところを見ると、このあたりが社会の底を流れているナショナリズムの
正体じゃないかとも思う。「聞き流すだけで流暢な英語が」という広告の謳い文句と同じで、
(お神輿のスポンサーが誰かは知らないけど)毎日メディアから流れる掛け声を聞き流して
いるうちに「慣用句」を覚えてしまったというところかもしれない。

愛国心の発揚も行き過ぎると滑稽に見えるもので、小町には「日本はすごいけど海外のす
ごいところも語ろうよ」と言うのに「日本の粗探しか」と噛み付いた人がいたし、フランス料理
のソース論争も然り。スシのわさび論争も然りで、醤油を「キッコマン」と呼ぶ知ったかぶりア
メリカ人に「キッコーマンが正しいと教えろ」と言う人には笑ってしまった。(外国のことでは
日本人の知ったかぶりも相当だけど。)北米のスーパーにある「Kikkoman Soy Sauce」は
キッコーマンがアメリカで作って売っているものだから、英語発音の「キッコマン」だっていい
じゃないの。日本人だって英語名前をカタカナ日本語で発音するんだし、ここは痛み分けっ
てことで・・・。

これでも家事をして動き回ったつもり

2015年01月06日 | 日々の風の吹くまま
今度は何だか暖かい。きのうも今日も最高気温は11度。ロッキー山脈の向こう側はえらい
寒波で、ずら~っとマイナス2ケタ。トロントのテレビ局では天気キャスターが「いっそのこと
バンクーバーに引越したいですねえ」。う~ん、雨ばかりだよ。そっちと比べたら暖かいのは
確かだけど、来る日も来る日も日照時間がゼロという気候に耐えられる?あんまり日が差
さないもので、SAD(季節性感情障害)になっちゃうかもしれないよ。ひと冬で懲りて、寒い
故郷に帰ってしまう人、けっこう多いけど・・・。

起床が午後1時近かったので、朝食が済んだらもう1時半過ぎ。しつこく回って来る道路清
掃車の轟音で何度か目が覚めたけど、それでも良く眠った気分。寝酒とおつまみを少し減
らしたせいかな。今年の「初計画」なんか立てたせいで、今日もよく動いた。一階と二階のバ
スルームにトイレットペーパーを補給して回って、食洗機の滅菌清掃をして(と言っても専用
の洗剤を入れて回すだけ)、流れが悪いというカレシのシンクに詰まりを取る洗剤を入れて
通りを良くして、ついでに蛇口のフィルターを外してミネラルの結晶を取り除いて、キッチン
にルンバを走らせているうちに午後が過ぎた。専業オクサマが聞いたら家事のうちに入らな
いよと言うかもしれないけど。

夕食を済ませて、さてとメールをチェックしたら、あちゃ、2015年度の仕事第1号。もう仕事
が来ちゃったぁ~とカレシに言ったら、「能天気に今年もよろしく~なんて言うからだよ」とに
やにや。でもまあ、カナダドルの対米ドルレートが下がっている今、米ドル建ての仕事はカ
ナダドルでの手取りが増えるから文句なし。原油価格の暴落で産油地アルバータ州の経済
は先行き不安だけど、他の輸出産業はカナダドル安になって大助かり。海外にしかクライア
ントを持たないワタシもそうやって潤う「輸出ビジネス」だから、ここはがんばって米ドルを稼
ごうじゃないの。

予定通り買出しに出かけて、野菜、魚、肉をど~んと仕入れ。ホリデイ明けで入荷が少ない
のか、空になっている棚もあるなあ。でも入用なものはだいたい揃って、レジのお兄ちゃん
は「今日は冷蔵庫が空っぽのお客さんが多いみたいですね」。帰りは霧。南端の我が家に
近づくほど濃くなって、並ぶ街灯の光が幻想的。さて、ランチが済んだら、大量の魚と肉を
小分けしてフリーザーに入れる作業。今日はかなり足を使ったなあ。よしよし・・・。

これでクリスマスの季節は終わり

2015年01月05日 | 日々の風の吹くまま
あたりまえみたいに雨。慣れっこだからかまわないけど。今日5日はプロテスタント教会で
はクリスマスの12日目で、夜はTwelfth Night(十二夜)。翌6日は贈り物を携えた東方の
三賢人が到着したEpiphany。カトリック教会では26日から数えるので明日の6日が12日
目。宗派が違うからとあれこれ違っていたがるのはどこのどの宗教も同じってことか。ちな
みに、イタリアにはサンタがいなくて、Epiphanyの前夜に(つまり今夜)ベファナという箒に
乗ったおばあちゃんが子供にプレゼントを持って来るそうな。箒に乗った魔女ってハロウィン
みたいだけど、キリスト教の行事には布教のために懐柔的に取り込んだ土俗儀式がけっこ
うあるから。

というわけで、まずはクリスマスツリーから飾りの取り外し。毎年少しずつ増えて来て、今で
はテーブルいっぱいのすごい数。何年か前のカレシからのプレゼントだったインゲグラスの
「クリスマスキャロル」の8個セットの飾りはそっと大事に木箱に納め、ティファニーの磁器の
飾りも袋に入れて箱に納め、これはニューヨークの、これはニューオーリンズの、これはシド
ニーの、これはパリの、これはボストンの、これはサンフランシスコの、これはアイルランド
の、これはウィスラーの、とちょっと旅の思い出を楽しんでから紙に包んで段ボール箱に詰
め、小さいものはいくつものビニール袋にまとめて隙間に詰め、最近急に増えたおしゃれな
ガラスボールは壊れないようにていねいに包んで2枚のエアパッキンの間に並べ・・・これで
ほぼ午後いっぱい。

カレシが今夜の買い出しの予定を明日に変更すると言うので、夕食後はツリーのガーランド
やライトを外して別の段ボール箱に入れ、、枝を畳んで、引っかかれながらロープで縛って、
玄関下の納戸の奥の箱に納める作業。屈んだり、背伸びしたり、手を伸ばしたり、けっこう
重いものを持って何度も階段を降りたり上ったりで、ああ、あっちこっちが痛くなっちゃった。
でも、みんなきれいに片付いて、おまけにかなりの運動になったから、これで新年初計画の
「動く」を実行したことにしておこうっと。

全部終わった頃を見計らって?すり寄って来て、「すごくいいホリデイだったなあ」というカレ
シ。そうだなあ、ご馳走をたくさん作って食べたりして、楽しかったよね、ほんと。これで仕事
がなかったらもっと良かったのにね。あ、半引退で残ったお客さん2社に今年もどうぞよろし
くって言っちゃったんだ・・・。


外国料理を食するにあたって

2015年01月04日 | 日々の風の吹くまま
目が覚めて、そろ~っと片目を開けて、暗いかな、明るいかな。どうやら雪は降らなかった。
その代わり気温がじりじりと上がって雨。あちゃ、今度は大雨警報が出ている。雨量は30ミ
リから40ミリ、場所によっては50ミリ。総面積が約2900平方キロのメトロバンクーバーは
山あり谷あり海あり川ありの「微気候」地帯なもので、寒暖の差が5、6度なんてのはざら。
同じ日に雨が降るところと雪が10センチも降り積もるところがあったりするから、天気予報
が外れる方が多いくらいで、ほんっとに予報官泣かせ・・・。

さて、だらだらも今日限りにしないと、ということで明日からのあれこれを何となく考えてみる。
4週間後にはほんとにおひとり様翻訳業創業満25周年。これが小売業だったら創業25周
年謝恩特別セールとか何とか銘打って大々的な安売りイベントをやれるんだろうけど、ワタ
シの商売、売りものは絞れるだけ絞って来た「熟成脳味噌」しかない。でも、(手前味噌なが
ら)この世にたったひとつしかない逸品だから、たとえすごいプレミアムが付いても売るわけ
には行かないなあ・・・。

と言いつつ結局はだらだら小町横町の散歩。フランス料理ではソースをパンで拭うことが
「マナー」なのかどうかで喧々諤々。まあ、日本で流通している「外国料理を食するマナー」
にはン?なものが多いけど、半可通の出羽の守が「外国の正しいやり方」を披露したのが
広まったんだろうと思う。(日本帰りの半可通たちも「ニッポンでは~」とやっているし。)でも、
「マナー」という外来カタカナ語は「すべし」か「すべからず」だけのマニュアル的「お作法」を
指しているようで、「状況によってはしても良い/しない方が良い」というグレーゾーンがな
いのが元のmannersと違うところ。グレーゾーンでは自分で可否を判断しなければならな
いから、マニュアル思考には難しいのかもしれない。まあ外来カタカナ語は最初に使われた
意味しかないのが常だし・・・。

それにしても、この「おフレンチのマナー」論争は、西洋人のmannersと日本人のマナーの
間に概念的に大きなギャップがあることが浮き彫りになったし、「ニッポン(人)すごい」自画
自賛番組を見すぎたんじゃないかと思うような発言があったりして、久々におもしろいトピッ
クだった。Mannersって、人となりが見て取れる物言いや立ち居振る舞い、つまり「行儀」の
ことだと思ってたんだけど、ワタシとしては・・・。

1年の計よりも今年の「初計画」

2015年01月03日 | 日々の風の吹くまま
正月3日。カナダ全国で天気が荒れ模様で、東の大西洋岸から西の太平洋岸までの数千
キロにわたって警報や注意報が目白押し。クリスマスには初夏のような陽気だった東部は
吹雪やら凍り雨やらの冬の嵐。真ん中のプレーリーは北極の寒気団がどかっと居座って厳
寒。体感温度がマイナス48度なんてところもあって、玄関のドアを開けただけで凍死しそう。
そして、こちら西部は雨、みぞれ、雪のごちゃごちゃ模様で、メトロバンクーバーも降雪注意
報発令中。ま、アメリカでは南のアリゾナやテキサスでも雪が降ったそうだから、北米大陸
全体の天気図が狂っているみたい。

正月は新しい1年の始まりだから当然何もかも「初」。まあ、日本人の思想の根っこにある
のはすべてをさっぱり洗い流す「水」だと思うから、「初何とか」は過去を「リセット」する儀式
のようなものかな。それにしても日本には「初もの」にこだわる人が多いように思う。季節性
の野菜や魚などの「初もの」に飛びつく気持はよくわかる。大好きなものを存分に食べられ
る季節が待ち遠しいのは人類共通で、日本人に特有の感覚というわけではないけど、四季
の移ろいがはっきりしているせいでことさら強調されるんだろうと思う。だから、新年の初せ
りや季節の初水揚げの魚、初収穫の果物などがご祝儀相場と言われる理屈では理解し得
ない高価格で売買されるんだろうな。

未踏の地に一番乗りしたり、誰よりも先に何かを手に入れたがる気持もどこでも同じで、た
ぶん人間本来の競争本能の表れなんだろうと思う。まあ、単に「初もの」の宣伝に釣られた
だけかもしれないけど、一番乗りして「どや顔」を振りまきたい一種の自己顕示欲もあるの
かもしれない。他人の手垢がついていないまっさらなモノを求めるのは、その手垢を最初に
つけるのは自分でありたい、そのモノを誰とも競争せずに独占所有して自分の意のままに
したいという、ある意味で処女崇拝にもつながっていそうな心理があるように思う。幼児が
最初に意味を学ぶ言葉のひとつが「Mine(ボクの/アタシの)」であるのとどこかで結びつ
いているのかもしれない。

何はともあれ、新年の三が日が終わってしまわないうちに、極楽とんぼ流の「初計画」をもっ
て1年の計としよう。「一に動き、二に学び、三に書く」。三日坊主にならない自信はないけど、
ま、頓挫しても2月には旧正月があるから、そのときにリセットすれば・・・。