【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

「傑作の森」 の英雄

2009-04-03 19:47:47 | 音聴箱


   今朝は晴れていますのに、
  霞のかかった空となりました。

   春らしいと言えば、そうなの
  ですが、もしかして黄砂・・?
  なんて思うのが悲しいです。

   折から人工衛星の名の下に
  明日にも日本上空をミサイル?
  
   何とも心が落ち着きません。
  考えても詮方ない事ですが・・。
   
   こちらは今朝も花冷えでした。
  日中は暖かくなりましたが、
  それでも平年よりは寒いのでは
  ・・? なんて思ってみたり・・。

   そんな中、心がパ~ッと
  晴れるような・・こんな水色の
  花が咲きました。(名前は失念)

   冒頭の写真のタンポポや、
  この花達の笑顔には本当に癒やされます。

   さて、私は・・と言いますと、今日もベートーヴェン漬け? です。
  と言うより、「英雄漬け」 と言っても、いいかも知れません。そして・・。

   昨日の・・ベルリン・フィルの CD の行方がどうにも気になって、探す事、探すこと!
  こんな時、必ずや陥る落とし穴と言いましたら・・。

   肝心の CD は出て来ません
  でしたが、こんなレコードが・・。
  ベートーヴェンの 『英雄』 です。

   でも今となっては、
  聴こうにも聴けない
  代物となってしまいました。

   ズービン・メータ指揮、
  ニューヨーク・フィルハーモニック
  とあります。

   全集の中の1枚ですが、
  その当時、セットで○十万円もしたものです。
  
   何だか懐かしくなってしまいました。
  しばし、タイムスリップ。それはそうと・・。

   ベートーヴェンがこの 『英雄』 を、ナポレオン皇帝のために書いた事は、
  昨日も記しました。しかし完成直後には・・。

   「あの男も結局俗物だった。
  己の野心を満たすために、
  民衆の権利を踏みにじる暴君になるだろう。」


   ~と叫んだと、後に弟子のリースは書いています。
  そして後年、ナポレオンがセント・ヘレナ島で死んだ事を聞かされたベートーヴェンは・・。

   「17年も前に、私は彼の哀れな最期に
  ふさわしい音楽を書いている。」


   ~これも弟子のシントラーに、語ったとか・・。
  第2楽章の 「葬送行進曲」 の事を言っているのですね。

   それも然る事ながら、ベートーヴェン自身の身体の変化(所謂、耳の悪化)に、
  絶望した時期でもあったようです。(有名な「ハイリゲンシュタットの遺書」

   つまり、ベートーヴェン自身の暗い宿命の予感に怯え、
  死の甘美な誘いに溺れそうな生き方に決別を告げ、宿命をねじ伏せ、
  強く生きる事を決意した、ベートーヴェンの内面の闘いの証とも言えます。

   そうした事でも、この第2楽章は自分自身への決別のための、
  葬送曲でもあるのですね。

   このように一つの楽曲も、色々な事に思いを馳せて聴きますと、
  違った色合いを持って迫って来るように思います。

   勿論、指揮者とオーケストラによっても・・。
  音楽も又、奥の深いものですね。