【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

疾走する哀しみ

2012-04-04 18:35:18 | 音聴箱











こうして自分の部屋に1人いるのが私は好きだ。
鼠たちも楽しく過ごしているなと
思うと嬉しくなる。
又私の小さな所有物からも
非常な喜びを感じる。
これらの物は他の誰にも
何の意味も成さないのに、
私には特別な意味を持っている。
(中略)
ここへ来るや否や
私は自分の王国へ入った事になる。
ここで本を読み ―― ここで夢想に耽り ――
窓辺に座って空想を詩に形作って
行くのが好きだ。        
                    【「アンの青春」 第6章】


   




   昨日は台風並みの強い低気圧が日本列島を縦断しましたが、
  皆様の所は如何だったでしょうか。

   この時期、こんな嵐は初めての経験です。
  それにしても最近、初めての事が何と多いのでしょう。

   その低気圧一過、一気に快晴とは行きませんでしたが、
  少しずつ・・お昼ちょっと前ぐらいから回復。
  今は東南の空にお月様が、くっきり出ています。
   









   




   ところで、一気に駆け抜けたこの爆弾低気圧。
  私の中ではなぜか、モーツァルト、
   「交響曲第40番ト短調」 を思い描いたものです。

   尤も、その根底には昭和を代表する文芸評論家、
  小林秀雄の言葉にありますが・・。









   



   今日のタイトルの 「疾走する哀しみ」 は、
  第4楽章の氏の有名な評言です。雑踏の中で鳴る40番。

   天才たる所以(ゆえん)の発想ですが、
  大勢の中だからこそ、却って際立つ孤独(哀しみ)。

   何となくですが、分からないではありません。
  ただ自身が、あまり幸せな時ではないのかも知れませんね。

   そんなこんなで昨日の吹き渡る強風は、
  あの有名な旋律を物哀しく奏でているように思われ・・。

   久し振りに、じっくりこの曲を聴いてみたくなりました。
  スコア片手に。

   40番は、ブルーノ・ワルター指揮のものが
  聴きたかったのですが、ここでも又々、見つかりません。

   レコードは見つかりましたけれど。
  代わりにバレン・ボイム指揮、ウィーン交響楽団の演奏で。

   そうそう、レコードジャケットの絵は、ロランの
  「踊るサテュロスとニンフのいる風景」 でしたのに、
  写真、全然写っていませんね。うっかりです。

   モーツァルトにとって、ト短調という調性は、
  特殊な感情を持っていると言われていますが、
  第25番(小さいト短調の交響曲)と共に
  独特の味わいがあります。

   周りに手持ちのグッズを並べて18世紀のヨーロッパ気分。
  「想像の余地」 の大切な産物です。