【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

セピア色の優しい余韻

2013-07-10 17:15:17 | A・クリスティーの館






彼女は部屋に入った。
(中略)
薔薇色のしゃのカーテンが掛かり、
壁紙は薔薇の花模様だった。
ミセズ・オリヴァが見たところでは、
大体彼女と同年輩か、あるいはずっと
年上かとも思われるミセズ・ローズンテルが、
朝の コーヒー を飲み終わるところであった。     
             【A・クリスティー 「象は忘れない」 】




   朝から雲一つない猛暑日が続きます。
  雲一つない、こんな天気は猛暑でなければ、
  大歓迎ですが、さすがにうんざりですね。

   でも、降り続く雨よりも大嫌いな雷よりも
  余程良いのだと思えば・・遥かに救われます。そんなこんなで。
  今年の暑さは私にとっては幾分、ましになっています。







   さて、本当に久し振り、
  「A・クリスティーの館」 です。

   やっとの事で A・クリスティー作、
  「象は忘れない」 を読了。

   と言っても随分、
  時間がかかってしまって。

   それにしても、こんなに
  時間がかかったのは初めてです。

   当然、パッチワーク的に
  読み進める訳ですが、何とか
  ストーリーを忘れる事もなく、
  最後まで読む事が出来、
  ホッとしています。

   ところで、なぜでしょう・・?
  クリスティーとなりますと、
  屋根裏部屋的な、
  こんなセピア色の部屋に
  直行したくなります。

   しかも、こんな夏の真っ盛りに。
  でも意外に落ち着き、我ながら驚いてもいます。

   ~なんて。又々、前置きが長くなりましたね。
  いい加減に本題に入りましょう。

   クリスティーと言えば、ポアロですが、
  どうやらこの本が最後の登場だったようです。

   そう言えば、ポアロから良い意味での “アク” が取れたような
  気がしたものですが、こんな事も理由の一つだったのでしょうか・・。

   それにストーリーも、いつもはどんでん返しの連続で、
  犯人がなかなか分からなかったものですが、アッサリ分かり・・。

   尤も十数年前の過去の事件の解明であり、
  現在進行形のものではないという事も関係あるのかも知れません。

   とは言え、これまでがこれまでですから、
  随分、深読みしたりして。その必要はなかったという訳です。

   ところで、A・クリスティーを読んでいつも感じる事。
  イギリスでは紅茶を日常茶飯事に飲んでいるという事ですが、
  ポアロもミス・マープルも、飲み物はいつもコーヒーばかり。

   尤も、単にクリスティーがコーヒー好きなのかも知れませんけれど。
  ちょっと感じた疑問です。

   そうそう、題名の 「象は忘れない」
  次のような意味が込められているのですね。
  忘れるという事も素晴らしい事なのです。