【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

炎天下に佇む淑女

2013-08-16 16:47:16 | 薔薇の追憶









彼女が母親や祖母から受け継いだ教えは
間違っていなかった――
すなわち、本当の 淑女 というものは、
やたらに心を動揺させたり、
驚いたりするものではない、と ――
ミス・マープル は、ちょっと眉を上げ、
頭を振っただけで言った ――          
        【A・クリスティー作 「パディントン発4時50分」】




   
   連日の猛暑が続きます。一日中、晴れ渡った空。
  こちらでは、夕立すら降りません。カラッカラ。

   それでも庭では、そろそろと、
  虫の鳴き声が聞こえて来るようになりました。

   つい先月までは庭を真っ白に席巻していた、
   「半夏生」 に至っては、すっかり過去の人? 
  見るも無残な姿になっています。

   灼熱の戸外ではありますが、季節の移ろいを感じて。
  ほんの僅かですが、夜も長くなりつつありますものね。






   さて、そんな中、
  この炎天下でも凛とした
  姿で咲いたのは・・。

   私が秘かに 「淑女の薔薇」
  と呼んでいる薔薇。

   我庭には真紅の薔薇は
  もう一つ、リラ版、
  「公爵夫人の薔薇」 があります。

   そう言えば以前は、
  花びらを緩やかにカールさせて
  いるこの薔薇こそ、正統派の
  薔薇だと心酔していたものです。

   それが今では、
  どうしてどうして・・。

   今日の淑女の薔薇にも、
  すっかり魅惑させられる羽目に。

   それにしても(昨日に続き)
  上記の 「淑女」 の話。     

   そう言えば、この 「淑女」、
  今では死語に近い言葉に
  なっていますね。

   でも、まさにピッタリ。
  良くも 「淑女の薔薇」 と、ネーミングしたものだと自画自賛。
  “人間もこうでなくっちゃね・・” ~なんて思う次第です。

   ところで余談ですが、A・クリスティーの本には、
  推理の醍醐味も然る事ながら、ある時は登場人物の言葉として又、
  ある時は舞台背景として、興味をそそる事柄が目白押しです。

   これらは折に触れ、『アンの世界』 と同様に、
  ご紹介出来れば・・と思っています。
  何と言っても 『アンの世界』 の原点の国ですから。