【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

記憶の封印 ~ その2

2014-03-19 23:55:16 | レトロ(素敵)な空間~散策







【建物全体の遠景】







リラは母が道の曲り角が好きだ ――
刺激的で人を引き付けると
言っているのを聞いた事があった。
あたしは大嫌いだとリラは思った。
ジェムとジェリーが道の曲り角を曲がって
去って行くのを見た ――
次にはウォルターが ―― そして今はケンが。
兄たちも遊び友達も恋人も ――
みんな行ってしまった。
二度と帰らないかも知れないのである。
                  【「アンの娘リラ」 第16章】





   「雨が上がれば、今度は黄砂がやって来るでしょう」
  ~とは昨晩のテレビでの気象予報士の言葉。

   起床して先ず開ける、雨戸の向こう側の空が気になります。
  空はありました。雲が見えますから。
  朝早い時間は、大丈夫だったのですね。思わずホッ。

   ただ日中は、日射しこそあれ、
  空全体がぼんやりしていて、その空もやけに低く感じたものです。

   ただ、写真では青い空ですね。
  この時間帯、黄砂は抜けていたのでしょうか・・。









【重厚な木の階段】


【室内から玄関を望む】



【珍しくドアが開いていて・・  】



   さて、久し振りの道草です。
  予(かね)てから気に
  なっていた、あの場所に
  又々、出掛けて来ました。

   最大の関心事は、勿論、
  あのクラシックな建物。

   建物は今月末で取り壊すと
  されていましたものね。
  (表門横に立て看板)

   気にはなりながらも、
  詩的な場所の変わり行く
  姿を見るに忍びなく、
  自然と足は遠のいていました。

   さすがに3月も、
  残り10日となりますと・・。
  意を決する他はありません。

   覚悟して出掛けたものですが、
  遠くから建物の存在を確認
  した時の喜び。安心感。

   もしかして・・?
  そんな期待も沸々と湧いて来て。

   今日は、建物の玄関先でお花の苗や、
  野菜(アスパラガス)などの即売会をやっていました。

   そこにいらした男の方に建物の事を聞いてみました。
  何と、建物は残す事になったのだそうです。

   その方が仰るには、
  “大学の手は離れるけれど、市の方で・・” という事のようです。

   そんな事を話していましたら・・。
  もう一人、男の方(市民)も加わって、
  「良かった、良かった」 の大合唱。どうやらファンは多いようです。

   思い切って中の写真を撮らせて下さいと、お願いしてみました。
  不思議な事に? その方は口に人差し指を当てて、
  「お手洗いを借りた事にして中に入って下さい」 と。

   もう一人の方と(小さな声で)「素敵ね!」
  などと言いながら見ていたのですが、
  そのうちに事務所から年配の女の方が出て来られました。

   「ここには入れません!」 と、ピシャリ。融通の効きませんこと!
  やはりと言いますか・・女の敵は女なのですね。
  ~なんて。

   ところで今日の 『アンの世界』リラ の気持ち、
  良く分かります。

   ここには一応、実際の植物こそ違いますが、
  似て非なる 「雪の女王」「金の松明たいまつ もあります。
  でも、それらの木は見事に切り取られていました。

   春にはたわわに咲き乱れた白い花 「雪の女王」 で、
  秋には、オレンジ色の 「金の松明」 が曲り角を照らしてくれました。
  もう曲り角にそれらの木はありません。

   これから公園として整備されるのでしょうが、
  人工的な曲り角と自然の中の曲り角、
  どちらがいいかは・・。答えは自ずから出ていますね。