



家は一つも見当たらなかったが、 果樹園 があった。 (中略) かつては大層楽しい場所であったに 相違ないこの果樹園は、 そこはかとなく憂愁を含んだ雰囲気が 立ち込めているにも関わらず、 なおも楽しい場所であった。 かつては歓喜、楽しさ、若者の生活の場、 胸がときめき、動悸が高まり、眼は輝き、 陽気な声がこだました場所、 そのような所全てに漂う憂愁であった。 【「果樹園のセレナーデ」 5.】 |

お日様は照っているのに、青空は見えません。
白く霞んだ空。本当は澱(よど)んだ空?
それにしても、漢字一つでイメージ違いますね。
時は春、うららかな陽気ですのに、
思い切り窓を開けて、風を入れられないなんて。
締め切った室内で空気清浄機。
何だか変・・? と思うのは私だけではないでしょう。
少なくとも 『アンの世界』 ではありませんね。


実は、6日前のものです。
そう、金色の菜の花や
蒲公英(たんぽぽ)に
年甲斐もなく戯れた同じ日。
あの日、やはり、
(3月一杯で終了した)
例の農場が気になり、
自然に足はあの場所へと。
勿論、建物は健在。
(保存されるのですから
当然ですね)
「アスパラガスあります」
という玄関先に張り出された
チラシもいつも通り。
建物周辺は、これまでの
日常の景色と何ら、
変わった事はありません。
ひょっとして・・? 私の間違い・・?
~なんて錯覚を覚える始末。
でも、そんな筈はありませんね。
メインの場所を離れれば、終わった・・
~という哀愁が、そこかしこに滲(にじ)んでいます。
写真は、『アンの世界』 ではお馴染みの果樹園。
従って私にとっても憧れの場所となっています。
梨の木は切られましたが、こちらは相変わらず元のまま。
公園となれば、このままの状態で残るという事はないでしょう。
もう、こんな景色も見納めかも知れませんね。