【俯く 「山茶花(サザンカ)」】
【息の長い 「藜(アカザ)」 の紅葉】
1年又1年と、時は彼女の前を通った。 春の菫の匂う谷 ―― 夏の花 ―― 秋に歌う樅の木 ―― 冬の夜の銀河の淡い炎 ―― 静かな新月の四月の空 ―― 月光に向かうロンバーディー杉の 妖精のような美しさ ―― 十月の黄昏時に淋しく落ち散る木の葉 ―― 果樹園の月の光 ―― ああ人生にはまだ美があった ―― 人間の情熱のあらゆる汚点しみの 向こうに不滅の美が。 【「エミリーの求めるもの」 第26章】 |
【黄昏の空】
意外にも雲の多い空で明けた今朝。
昨日が何もない快晴の空でしたから、尚更です。
でも、そこは「朝曇り、晴れの元」
という諺(ことわざ)もあるほどですから気を取り直して。
案の定、日溜りがとりわけ暖かい、冬日和となりました。
ところで最近、小鳥が多いように感じてなりません。
今、高速道路の建設中で、益々山が削られ、
住む所を失ったせいかも知れません。
今まで庭に小鳥が下り立つなんてありませんでしたから。
ただ人の気配には大層敏感で、窓を開けると
すぐさま飛び立って行きますけれど。
【柿の木】
【新芽を付けている 「紫陽花」】
さて、今日のタイトル。
「凛」 という言葉は、
漢字も響きも、
大好きな私です。
普通、「凛として」
などと形容詩的な
使い方をしますが、
この言葉には寒さが
厳しい事、きりりと身の
引き締まるさま・・
~などと言うように、
名詞的な意味合いも
あるのだそうですね。
その言葉と既に
葉っぱを落として
しまった紅葉や柿などの
広葉樹が重なりました。
確かに多くの葉を
バッサリ脱ぎ捨てた、
潔いこれらの木を
眺めていますと、
きりりと身が引き締まる思いです。
そして美は、至る所にある事を思い知らされてもいます。
同時に感性も磨かねばなりませんね。