『人生を遊ぶ』

毎日、「今・ここ」を味わいながら、「あぁ、面白かった~ッ!!」と言いながら、いつか死んでいきたい。

  

古楽器製作に勤しむ一日

2023-12-11 09:03:58 | 古楽器製作

きのうは
一日中、朝から晩まで、
工房に籠って
古楽器造りに精を出していた。

こたびは、初の試みとして、
リュート系2本と
ギター系7本の多作を
同時進行でやっているので、
精度はやや粗いが、
手技の向上のためにも
同じ工程を繰り返し
徹底的にやりこんでいる。

*

12年前に作りっぱなしで
放置してあった
リュート用のボウル(胴体)の
一つは表面に傷がついていたので、
ネックまで全部ホワイトの
ラッカースプレーで塗装している。

100均で8本ほど購入して、
一日1本塗布しては
毎日、塗り重ねている。

最終的には
10回くらい塗り重ねてから
「水研ぎ」という研磨をして
表面を均していく。

かつて、
リューティストの佐藤豊彦さんが
カナダの製作家による
総象牙のボディのリュートを
コンサートで披露した際、
馬鹿な評論家が
「ペンキ塗りのような
白いリュートを携え・・・云々」
と書かれたことがある。

そう・・・。
真新しい象牙リュートは
ペンキ塗り立てみたいな
白々とした見てくれになるのである(笑)。

ならば・・・。
ホワイトスプレーで
似非象牙みたく仕上げ用という
魂胆なのである(笑)。

*

これまで、
サークルカッターという
円を切り抜く手作業をやっていたが、
数多のYouTube動画では、
ボール盤の丸鋸で切り抜いているので、
ホームセンターで買って来て
その作業に取り掛かった。

9本もの表面板に
穿孔作業をしていたら、
数仕事で、やはり、コツが
呑み込めて、迅速かつ正確に
出来るようになった。

これまで、
すでに20数本は製作して、
すべて廉価販売しているので、
今回の9本を含めると
やっと30数本の製作歴になる。

目標は、
75歳のSC定年まで
100本である。

今回の9本が完成したら、
次は売上金を全投入して
「最高級材」を入手して
久しぶりに、「渾身の1本」を
創ろうと思っている。

これまで、注文作を含めて
3本ほどは
期間・精度ともに
最大限の精力を投入して
満足のいくものを拵えることができた。

なので、
今回の9本で肩慣らししてから
本気の一本を創ろうと思いたった。

*

音孔のロゼッタ(薔薇窓)を
彫るのが苦手なので、
いろいろと代用を考えてきたが、
レースペーパーを素材に
デザインカッターとポンチで
孔を増やして、尚且つ、
二段重ねにしてみた。

これは、バロックギターで
よく用いられる技法で、
本来はパーチメント(羊皮紙)で
デコレーションケーキのように
三段重ねされたりするものの
パチモンである(笑)。

そんでも、
老眼鏡をしながら
背中をまるめながらの
2時間ほどかかる
細かな手作業だった。



*

それでも、
表面板に貼り付けてみたら
それなりの見てくれにはなった。

なにせ、
「端材による習作」で
「スチューデント・タイプ」
(入門・練習用)で
5万以下の「ボンボコ古楽器」(笑)
なので、“らしく”見えればいいや・・・
というコンセプトの9本である。

*

製材から張り合わせ、
型抜き、穿孔、
ローズ(薔薇窓)貼りをして
しばらく乾燥させてから、
次にブレーシング(力木取り付け)
という作業に移る。

ずらりと
7枚の表面板が吊るされて並んでると
なんだか、工房らしいなぁ・・・と、
趣味の副業ながら、
職人冥利に尽きるような気分を
味わえた。





 

 

 


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