声の仕事とスローライフ

ただ今、仕事と趣味との半スローライフ実践中。遠方の知人友人への近況報告と、忘れっぽい自分のためのWeb忘備録です。

リムジンバスで

2014-09-22 08:38:42 | Diary

石見空港や羽田空港で、
親切にしてもらったのが嬉しかったと見えて、

羽田から、群馬までのリムジンバスの車内でも実父は、はしゃいでいました。


その、ずっと喋りっぱなしの老人を
周囲の人たちは奇異な目で観ていたようです。


それは、藤岡で停まった際、
前のドアから降りようとする男性が振り向きざまに


優先席に座っている父を、
鋭い眼つきで睨んだ時に気付きました。


父は長時間の歩行が困難なうえ、
耳も片方しか聴こえません。


そのため、優先席に座らせていただきました。


石見弁で話す父を、

どこも悪くないのに、優先席に座り、
ワケのわからないことを喋っている酔っ払いのお爺さん?

だとでも思われたのかしら…。


実父はアルコールのアレルギーで一滴も飲めないのですが…


物凄い眼つきで睨んだ男性の顔を見て、私は、そう思いました。


静かなバスの中で、時折、奇声を発している1歳くらいの女の子と、
石見弁の父は、やはり目立つ存在だったのでしょう…。


小さな子どもは許せても、
非常識な老人は許せない…そう、思われたのかもしれません。


あと30、40分で前橋に着くところで、思いきって、喋り続ける父に言いました。


「関東の人はね、車内では、あまり喋らないんだよ」


「それならそうと言ってくれりゃ、喋らんかったのに…」


独り暮らしの長かった老人に、
喋るな…というのは、酷なことだと思いつつ、

そう言わなくてはならない現状と、


それに応えた父の淋しそうな表情に、
心がチクリと痛むのでした。(~_~;)






清水由美 







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