久々に陸自中央音楽隊のコンサートを聴いた。
実は、ここ数日は今月下旬に控えている大きな仕事のプレッシャーで、
心が休まる日がなかった。
一瞬で良いから、よい音楽を聴きたい…
音楽に癒されたい。
そんな一心で、会場の高崎芸術劇場に向かった。
私にとって、この劇場での音楽鑑賞は初めてのことでもあり、
どんな音響なのか…とウキウキしながら大ホールに入った。
群響のホームグラウンドだと聞いているが、
吹奏楽は、どんな音で聞こえるのだろう。
席は1階の24列、やや後方だ。
すみだトリフォニーで早く行きすぎて、最前列に近い場所に席を与えられた苦い経験が頭をよぎったが、
1階とはいえ、後方だったのでホッとした。
音響的には、中低音がよく響く。
2階席になると、もっと高音が聴きやすいのかもしれない。
ただ、マイクの音の鮮明さには参った。
リバーブは、絞り込んでいるためか殆ど無いようにも思える。
その分、声の成分がダイレクトに届いてくる…
(これは大変なホールだなぁ…、美声はとことん美声に、悪声はとんでもなく悪声に聞こえるのではなかろうか…?)
私がこのホールで喋ったり歌ったりする事は多分ないと思うが、
(いやいや、こんなところで司会をしようものなら
アラが目立って仕方がないわい…)
今のところ、予定が無いことに、なぜか安堵する自分がいた。
(-。-;
さてと、
中音のコンサートに話しを戻すが、
まず、クラリネット四重奏のロビーコンサートで惹き込まれた。
なんと円やかな演奏なのだろう…。
心地よいクラリネットのアンサンブルに、数時間前までギスギスしていた心が平たくなった。
4名の演奏者のうち3名は女性奏者だと言うのも意外だったが、
その理由は、本番の演奏を聴いて納得した。
コンサートの度に女性比率が高くなっているようで各パートに必ず1人以上、WACがいる。
そう言う時代なのだなぁ…
演目は、ファミリーコンサート風のポピュラー系が多かったが、
特に印象的だったのは、群馬交響楽団の主席オーボエ奏者、高崎智久さんと共演したリムスキー・コルサコフの『グリンカの主題による変奏曲』
そして、
鶫三曹の独唱、オペラ『ルサルカ』の「月に寄せる歌」だ。
終演後に、
ロビーでオーボエ奏者の高崎さんから直接聞いた話では、今回が初めての演奏だったらしい。
もともとが吹奏楽の曲だというのも意外だったが、何より奏者である高崎さんご自身が、「滅多に演奏されない曲」と仰るだけあって、
かなりレアな印象ではあるが、
曲想は、どこか懐かしく…不思議と郷愁を唆る曲でもある。
前後するが、
中音の歌姫、鶫さんの『ルサルカ』は、まさに本領発揮の歌声だった。
終演後にロビーで話した時、
彼女とは初対面だったが、意外なことに彼女は私の事を知っていたらしい。
「中方音に居た時に、Sさんから隊歌を聞かせてもらいました」との事。
いやいや、レベル違うし…。(^^;;
Sさんと言うのは中方音時代の共通の知人でもある…自衛隊音楽隊の世界は狭いのだ。
ちなみに実際の鶫さんは、YouTubeで見るよりスラリと背が高くスリムで小顔美人である。
2ショット写真を撮って貰ったので、後で写真を送ってあげよう。
それと、
もう1人、忘れてはならないのが司会の阿部二曹だ。
いやはや、彼女の司会はプロ並みだ。
彼女のトークが観客と音楽隊の距離を近づけたと言っても過言ではない。
声も聞きやすいし、何より間の取り方がいい。
メリハリがあって観客を飽きさせないウィットに富んだトークに、
どこで司会の勉強をしたのかと訊くと、アナウンスの勉強をした事はないと言う…
私は、かねてから司会はリズム感が大事だと言っているが、
阿部二曹の司会には心地よいリズム感がある。
恐らく、パーカッショニストならではのことだろう。
あのリズム感は、一朝一夕で身につけられるものではない。
七夕の宵、
良い音楽を聴き、疲れ気味だった心と身体が幸福感で満たされた。
明日から、
また、がんばろう!