この前から、ずっと引っかかっていた事がある…
親しかったはずなのに、どうしても名前が思い出せない女子がいたのだ。
今回の集まりにも参加しなかったので
今どうしているだろうか…と気になっている。
不思議なことに、
彼女が片想いしていた男子の名前は覚えている…
私と同門のSくんだ。
Sくんは京都の綾部市の出身で、
高校生のような童顔なのに、
悪気はないのだろうが、やたら口が悪かった。
そのSくんのエピソードは、
この前の集まりに参加した同門のクミコさんから聞いたばかりだ。
ある日、口の悪いSくんからオマエよばわりされた私は、
「アンタからオマエと呼ばれる筋合いはない!」
と激怒した事があったという。
私自身は、すっかり忘れていたが
当時の私なら、それもあり得る。
その口の悪いSくんの事を、
なぜか、
くだんの彼女は
「すっきやねん」と恥じらいもなく口にしていた。
その口調は、
真剣なのか、それともふざけているのか…
いわゆる“不思議ちゃん”だった。
イメージは、
あの“のだめ”に近い。
大きな可愛らしい目がクルクルよく動き
ペラペラとよく喋る、そのわりに傷つきやすく繊細な子だった。
彼女が当時よく弾いていた曲も覚えている…
ショパンのワルツ14番遺作だ。
彼女が師事していたのが、
珍しい苗字のT先生という、メガネをかけ髪が天然パーマの男性講師だった。
レッスンが終わると彼女は、
私の下宿の隣室にいた親しい友達をよく訪ねて来た。
そこに立ち寄ってはT先生のレッスンの話をしてくれた。
一度、
私からピアノを弾いて聴かせてと頼んだところ、
彼女は友達の部屋のアップライトで
ワルツ14番遺作を弾いてくれた。
ピアノに向かい合う時の表情は、
普段のポワ〜ンとした雰囲気からは想像できないほど真剣で、まるで別人だった。
ファルセットの甲高い声で関西弁を話す四国出身、
確か高松だったような…。
その彼女の名前を今朝になって、
突然思い出した。
Kだ。
苗字で二文字を、
敬称なしで、「◯◯」と呼び捨てで呼んでいた。
彼女自身も自分のことを
「◯◯、きたよ」と苗字で呼んでいた。
そのため、下の名前はあまり印象がないが、
カズエとかカズコとかだったと思う。
ピアノ科の同窓生に訊いても、
知らない…と言っていたが、
今、Kはどうしているだろう…。
写真は、今朝のHalの散歩帰りの空。
よ〜く観ると二羽のカラスの一羽が、何か白い球体を咥えている。
“タマゴ”だ。
最近、Halの散歩中に何度か割れたニワトリの卵が敷地内に転がっていて
どうして、こんなモノが転がっているのかな?
と思っていたが…
やはり、
犯人はカラスだったのだ。
少し先にある養鶏場から盗んできたらしい。
落ちているタマゴは、
つい「カーッ!」と啼いた拍子に落としてしまったのだろう…
おバカなカラスだ。