声の仕事とスローライフ

ただ今、仕事と趣味との半スローライフ実践中。遠方の知人友人への近況報告と、忘れっぽい自分のためのWeb忘備録です。

クラシック通??

2012-09-29 22:58:32 | ナレーション ボイストレーニング
来月7日にベイシア文化ホールで開催される邦楽コンサートのナレーション原稿の下調べのため、今日の午後、
図書館へ立ち寄った時の事です。

視聴覚室のPCで資料の検索をしていると、すぐ近くのカウンターで大きな声が…。

「リシヤルト・ストラウスの四つの歌ってありますか⁈」

見ると銀ブチ眼鏡をかけた神経質そうな年配男性が、熱心に受付の女性スタッフに話しかけています。

( オイオイ、そりゃ、リヒャルト・シュトラウスだろう...)

ノドまで出かかった言葉をグッと抑えている私の視線の先にいた
スタッフの女性、

「はぁ…。そういう作曲家のはないようですが…」

と済まなさそうに言うそばで

「じゃ、キリテ・カナウの...」と
言葉を遮って矢継ぎ早に話しかける
年配男性。

「メモしますね。キリテ・カナウ
ですか?」

「違うよ、キリテ・カナワ、だよ!
ウじゃなくてワだからね‼」

( オジサンの発音が悪いからだよ)

またまた、ノドから出そうな言葉をグッと堪えた私でした。

図書館には、いろいろな人が来るんですね。
司書や受付スタッフの方々は蔵書や資料に関して、よくご存知ですが
オールマイティという訳にはいきません。

それを知ってか知らずでか、いかにも自分はクラシック通ですとばかりに、知識をひけらかすようなタイプの人は困りものです。

そんなに、博識なら検索用PCぐらい
使えるでしょうに…と思いたくもな
るのです。
それより、滑舌を直しましょう!

FMぐんまアナウンスセミナー、まもなく11月生の予約受付が始まります!!



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憂国

2012-09-23 00:30:47 | Diary
「日本人の右傾化」
ワシントンポストが報じた記事に
「ああ、やっぱりそう見られているのか…」
と思った人は多いのではないでしょうか?

右傾化は、この数ヶ月一番気になっていた事です。

実は山本五十六記念館を訪ねたり、
大和ミュージアムを訪ねたりする
中でふと、感じたのが最近の日本人
の思考の傾向が
開戦前の日本と段々似てきているの
ではないかという事でした。

その当時は、新聞などの媒体を利用
して、一般市民を煽ろうとする
国粋主義者たちの意図的な発言も
あったようですが、明らかに戦争
を肯定する動きが国民全体に蔓延
していました。

敗戦後は安保闘争などの学生運動は
あったものの、
「あの事件」までは、右寄りの
思想自体がクローズアップされる
事もなかったように思います。

「あの事件」とは
三島由紀夫の割腹自殺です。

私は当時、市ヶ谷の陸上自衛隊総監部
のバルコニーに立って演説する三島由紀夫
の様子をTVで観ていました。
楯の会という団体の存在も、その時
初めて知りました。

三島文学に親しみ、三島という
作家に憧れていた中学生の私にとって
偉大な作家の起こした事件は
とても不可解で哀しい出来事で
それ以降も、ずっと私の心の中で
尾を引いていたように思います。

事件から8年後の昭和53年に
陸上自衛隊に入隊した際、当時の
事を知るN元陸将から、
三島事件で刀傷を受けた友人がいるとの話を聞き、
自衛官達にとっても一般世間以上にショッキング
な出来事であった事を改めて感じ
ました。

自衛隊と右翼は思想的に近いイメージ
がありますが、実はそれは大いなる
誤解です。

私が在籍中にも月に一度回って来る
駐屯地正門での守衛勤務では頻発に
「右翼を警戒せよ」との通達が
出ていたのを思い出します。

あれから30年、私がいた頃とは
自衛官の意識も随分変わって来てい
るように思います。
PKOや紛争国への海外派遣などで
危機感から退職する自衛官もいる
ようです。

四十数年前、三島由紀夫が訴えた
憲法改正論は
平和ボケした自衛隊を糺すという
目的と自衛隊自体の存在価値を問う
ものでしたが、それらは否定され
曖昧にされ、今日に至っています。

そんな中で出て来た尖閣や竹島の
問題…。
一気に吹き出した領土問題に
専守防衛さえもが揺れています。

初めて「NO」と言ったからといって
即、右傾化と決めつけるのはどうか
と思いますが、傾きつつあるだけで
これ以上エスカレートしないよう
祈るばかりです。

とは言え、日本人は思慮深い国民
ですから、武装する事で威嚇しても
解決しない事は誰もが知っています。

必ず、近いうちに平和裏に解決できる
…そう信じたいのです。



清水由美 





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復興予算の行方

2012-09-09 23:22:05 | Diary
今夜のNHKスペシャル…
復興予算が関連性のない事業に
使われていたなんて、
強い憤りを感じています。

結局、本当に必要な医療施設や
事業者が利用できなくなっている
現実…。

「被災者に寄り添う」だなんて
よく言えたものです。

マスメディアの力で世論が動か
されている事を問題視する意見
もありますが、
こう言う問題は番組で取り上げ
真実を伝える事で、
初めて国や関係省庁が重い腰を
上げて、調査し始めるケース
も多いようですのでNHKさんに
「よくぞ取り上げてくれた」と
拍手を送りたいです。


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夢二郷土美術館にて

2012-09-07 11:41:00 | Diary
高校時代は美術部と合唱部を一時期
かけもちしていた事もあって、
絵や造形が大好きです。

出張すると、まず調べるのが、
その土地の美術館や歴史ある建物なの
ですが、岡山では後楽園のすぐ側にあ
る夢二郷土美術館を訪ねました。

竹下夢二はドラマや映画でも何度か
取り上げられているので、その生涯
や作風はご存知の方も多いと思います。

夢二は、一箇所に落ち着くのが余程
苦手だったようで、日本各地に所縁
の地がありますが、
この岡山には邑久町に生家と東京
世田谷から移築された別荘もあり、
夢二ファンにとっては外せない場所
とも言えます。

夢二郷土美術館には、有名な立田姫
や挿絵集など約2000点の作品が展示
されていますが、
その中でも興味を引くのが作中の女性
たちが纏っている着物やドレスの柄や
デザインです。
白地に赤や黒の幾何学模様のドレス
などは、肩を露わにしたデザインも
斬新で現代でも通用するほどモダンです。

夢二と言えば数々の女性遍歴やスキャンダルでも知られていますが、
実際に彼の足跡を辿り、その作品に接していると、
世間で言われていたような単なるプレイボーイではなく、とても自分に正直で純粋な人だったのではないかしら?
と思えてきます。

女性に対しての憧れは人一倍強かった
のではないでしょうか。

彼は東北に出掛けた折、女装して祭りに参加したそうですが、化粧をすると実際の女性より艶やかに見えたとか…。
たまき、彦乃、お葉とタイプの異なる女性達を描き、こと、お葉に至っては川端康成曰く
「お葉は夢二の作品そのもの」
と言わしめたほど、
のめり込んで行った作品への執着…。

私は羨ましくなりました。

お葉さん?
…ではなく、夢二がです。

私が男だったら、夢二のような生き方をしてみたい。
自由に生きて、そして死に際に
「ありがとう」
の言葉を遺して去る、
そんな粋で酔狂な人生が送れたら
どれほど倖せでしょう…。



夢二郷土美術館は岡山駅からタクシーで約10分です。
館内にはカフェもあり、夢二が好んで食べたというレーズンを挟んだ焼菓子
「ガルバルジィ」も食べられます。







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歌うピアノ

2012-09-02 00:00:13 | Diary
音楽はクラシックもジャズも好きで
すが、先週はそれらのエッセンスを
取り入れてはいるけれども、
全くタイプの異なる演奏を2日続けて
聴く機会に恵まれました。

共通しているのは、"弦"との競演と
いうことでしょう。

一つはアイリッシュ音楽をベース
にした"John John Festival"のLIVE。
フィドルのやや哀愁を帯びた音色
とギター、パーカッション、ドラム
のセッションは適度な緊張感もあって、楽しいステージでした。

もう一つはチェロとピアノで奏でる
オペラやバレエ音楽の夕べ。
~踊るチェロ 、歌うピアノ~
こちらはレオニード・グルチンさん
とユリア・レヴさんご夫妻のコンサートです。

お二人の演奏は別々に聴く機会が
これまでにも何度かあったのですが、
ご夫妻で演奏されているのを聴くのは
今回が初めてでした。

感想から申し上げますと、チェロと
ピアノが、なめらかに溶け込んだ、
それでいて個々の音色の美しさが
際立つ素晴らしい演奏だったと
思います。
特にアサフィエフの
《バフチサライの噴水》アダージョ
は圧巻でした。

チェロの深く豊かな音色にうっとり
しながら聴き入ってしまいましたが
それ以上にユリアさんのピアノが
素晴らしかった…。
まさにタイトル通り( 歌ってる…)
と感じた瞬間でした。

もともと伴奏法の指導者としても
活躍されていますが
グルチンさんとピッタリ息のあった
演奏は、ご夫婦ならではという事
以上に、お二人の音楽性の高さを
感じさせます。

カルメンのハバネラをジャズ風に
アレンジした「ハバネラ幻想曲」
ガーシュインの「ポーギーとベス」
などポピュラーな楽曲で聴衆の
耳を惹きつけ、

後半では、ラフマニノフ
「チェロとピアノのためのソナタ」
で、じっくり聴かせる。

プログラムもよく練られていて
充分に堪能できた演奏会でした。



清水由美 


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