萩・石見空港から羽田までのフライト時間は約1時間半ですが、
飛行機が飛び立ってからしばらくの間、
実父は、小さな窓の眼下に広がる日本海を観ながら、
「あそこが浜田港、あれが国道9号線…」
と、独り言のように呟いていました。
( これが最後かも知れない…)
と思ったのでしょうか、
一つ一つをしっかりと確認するように、目に焼き付けているようでした。
年取ってからの引越しは、それなりに覚悟が要るものですが、
「ここまま、独りで暮らすことも考えたが、最期に独りは、やっぱり寂しい…」
…と、
娘の近くで暮らすことを選んだ父の決意を、
今回の空の旅で感じたものでした。
清水由美