遠い森 遠い聲 ........語り部・ストーリーテラー lucaのことのは
語り部は いにしえを語り継ぎ いまを読み解き あしたを予言する。騙りかも!?内容はご自身の手で検証してください。
 



 お城といえばダンルース城 タイトルとは関係ありませんが、一度行きたいお城です。



    娘が取り寄せた三冊の本はみなおもしろそうでした。仕事から帰って包みをみつけたわたしは”ずっとお城に住んでいる”を手にとってストーブの前に座り込み読みはじめ、ものがたりにひきこまれ夕食後読み終えました。

    これから読む方のたのしみのためにものがたりは申しませんが、それからずっと感じていることを書いてみます。ものがたりと直接は関係ありません。

    ひとは行動の97%を無意識によって支配されている....という本を読みました。深層意識(無意識)とはなにか 潜在意識とはなにか....

.....ユングは人間の意識を氷山に例え説明しました。

.....普段、私たちが意識している顕在意識は、氷山にたとえれば、海の上に顔を出している部分にしかすぎない。そして海中に沈んでいる部分、つまり意識の大部分が無意識によって構成されている。さらに、この無意識の部分は、生まれてから現在に至るまでの個人的な経験から構成された個人的無意識と、そのさらに奥深くに広がる集合無意識とから構成されている。......

集合無意識とは、個人の経験の領域を超えた人類に共通の無意識領域のことを言います。この集合的無意識が語りにとても深く結びついている...さらにと私はおもっていますが、それはさておいて....

個人的な潜在意識とは、生まれてから、見たり、聞いたり、触ったり、嗅いだり、味わったりした五官の情報と、思ったり、考えたり、話したり、読んだり、書いたりした経験やそれらに付随して発生した喜び、怒り、哀しみ、愛や恐怖等の感情をも含めた全ての記憶を感覚的印象情報として・・無形の波動として蓄えている広大なイメージの貯蔵庫....なのです。


   潜在意識とはイメージのあつまり理路整然としていないカオス....幼児からの小暗い豊穣の記憶の森のようなもの....かもしれません。(ここで語り手であるあなたは気がつかれたことでしょう。個人的な無意識というものも深く語りとかかわっています。あなたは自分の無意識界から”なにか”をひきずりだして語りの核にしていませんか。)都市に住み、PCを操るわたしたちがそのような目に見えないものに支配されているのは不思議ですね。....無意識界でひとは肉体的にも心理的にも自分自身を傷つけないように護っています。ひとは本質的に”変わりたくないもの”ではないかとわたしは感じることがあります。

   だから、潜在意識は豊穣ですが、自分を閉じ込める塔でもあります。ラプンツェルの塔は案外そんなものかもしれません。自分をひらいてゆく、塔を出てゆくためには大きなエナジーが必要です。それは王子さまからの愛であったり、夢やあこがれや、誰かのための愛ではないでしょうか。

   破綻や失敗・肉体の痛み・苦しみ・悲しみから護るために、やめよう、このままなにもせずにいようと塔は囁きつつげます。その呪縛をやぶるのが自分に言い聞かせることばであったり、イメージトレーニングであったりするのではないか....アスリートやスーパーモデルなどのイメージトレーニングはそういう意味があるのかもしれません。自分の限界を超えてゆくには潜在意識を手懐けることが必要ということなのでしょう。

   けれどもいわゆる成功への鍵としてとはべつに潜在意識の呪縛を超える力は働くのではないか。たとえばチェ・ゲバラやマリーテレサや...近くはパレスチナの子どもを守るPLOのひとびと、そして大勢の母たち、父たち...自分の人生を全うする想いと他者を活かし他者をたのしませ、他者をすこしでも闇から遠ざけようとする想いが重なっているひとたちに自分を超える力がはたらくのではないか....とわたしは思うのです。

   わたしたち....わたしと子どもたちはどうやらお城のなかにすんでいます。けれども語りのため、中学や小学校の子どもたちのため、そして会社の社員さんたちのためなら軟弱なこの心と身体は、塔から出てゆくことができるのでしょう。.....語りとは語り手の無意識界から生まれ、聴き手の個人的な無意識の領域と集合的無意識界に”響かせる”ものです。しだいに語り手自身を鍛えてくれるのかもしれません。



.....わたしたち幸福よね....

ずっとお城で暮らしてる



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