遠い森 遠い聲 ........語り部・ストーリーテラー lucaのことのは
語り部は いにしえを語り継ぎ いまを読み解き あしたを予言する。騙りかも!?内容はご自身の手で検証してください。
 



...ガザ、とりあえず爆撃がやみました。1000人以上が亡くなり、100000人が住む家を失いました。けれども、どうも不思議....爆撃がはじまったのはブッシュさんが大統領として死に体だったとき、爆撃が終わったのはオバマさん就任とほぼおなじ、これはなにを意味する?

   今回の爆撃は実質的な大統領不在のときをねらったのではないかと思われます。オバマさんはガザ爆撃について質問を受けた時、大統領はひとりだからと言明をさけています。イスラエルと米国は一心同体だから密約があったのでは...米国はイスラエルに武器の無償供与をしている、そのお金は政府が軍需産業に支払っている....アメリカが引き起こした世界不況の遠因は超多額の軍事費にある.....軍需産業が基幹産業という恥ずべき構図がなくならないかぎり、世界の平和も安定もない。とくに共和党政権のとき、アメリカは戦争をつくり出します。情けないことにそのアメリカの片棒をかついでいるのがわが日本なのですが、日本にほかの道はないのでしょうか?

   ひとのつくった世は思ったよりずっと悲惨で汚いです。苦しんでいる人、泣いている人が今日もいる、お金のためにひとや動物を殺したり苦しめたりすることを平気でするひとがほんとうにいる。そしてなによりかなしいのはわたしたちが生きている、しあわせであるということは他のひとびと、他の生きもののしあわせやいのちの犠牲のうえにあるというまぎれもない事実のゆえなのです。経済や政治をとおしてわたしたちはまさに世界のひとのいのち、動物のいのちとつながっています。このまま行くと30年後には絶滅するというホッキョクグマのいのち、ガザで殺された子どもたちのいのちはわたしたちと無関係ではありません。文明社会で罪のないものなどいはしないのです。

    それだからこそ、うつくしいものがたり、やさしいものがたり、たのしいものがたり、まことのものがたり、光みちるものがたりを語り継いでゆくのでしょうけれど。生きるいたみがあるからものがたりは耀きを持つのでしょうけれど。

    
    先日のつづきを書きます。役者にはふたとおりあります。役を自分にひきよせる、役になりきる....ジョニー・デップさんはたいへん好きな役者さんですが、わたしにはなりきりタイプ...というより憑依型のように見えます。海賊、ジャック・スパロウはまさに伝説として存在していますね。どちらにしても無から有は生じません。役者のなかにその役に呼応する核のようなものがある、それを人為的に拡大したり、人為的でなく延長拡大したりするのではないかと思います。人為的に拡大する方法論がさまざまな演技メソッドといえるでしょう。

    役そのものになってしまう。だから役者なんですね。語りもおなじ、ものがたりと自分のあいだにスキマがないほうがいい、歌もそう...シンガーソングアンドライターの歌が聴くひとをひきつけるのは歌が歌手そのものだから。....そのスキマを埋めてゆくのがプロの技術ともいえます。けれども芯がなくて表現だけが突出してしまうと身も蓋もなくなってしまいます。スカスカなんですもの。この”芯”てなんだと思いますか?  わたしはそのひとの”いのち”のように思うのです。いのちってなんだろう.....魂....そしてつながろうとする心のありよう....聴き手と、遠い祖先と、おおいなるものと、おさないものや動物たちと.........かなしみ、よろこび、いのり、あこがれ.....そういうものがものがたりや役から透けてきて響いてくる。ものがたりのなかでランプの芯のように燃えている。

    いい歌やいい語りを聴くと過去やはるかな世界や光や闇と自分もつながってゆきませんか? 先日、秦基博さんの復刻アルバムを聴いていて、わたしは泣きたくなりました。ひかりが舞い降りてくる...かなしみとともに。....「プール」という曲でした。初期につくった曲だそうです。けれども表現の力もUPしていました。魂も技術も両方必要です。....しかしどちらがたいせつかといえばそれはあきらかですね。
   
    わたしたちは生活のなかで仕事をしながら語っています。なかにはありあまる時間のある方、語りにあらかたの時間を捧げられる方もおられましょうけれど。表現の技術の一端は拡大と細部にあります。拡大というのはときに広い場所で長い時間そして長い期間にわたっておおぜいのひとに聞かせる、魅せるための技術、細部とは綾のような襞のようなもの、繊細さ。そして多くは身体にかかっています。焦らないで生活のなかですこしずつゆたかにしてゆきましょう。それは喜びとなるでしょう。しかしながらわたしたちはプロの方に負けないものを持っています。それは....らしさではなく、真実。日々の暮らしのなかで泣いて笑って怒って....揺れながらそれでもあなたのなかにすっくりとあるもの。それが伝えられたらものがたりはきっと聴き手の心に響くことでしょう。



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