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以下抜粋
科学的根拠のないものとして否定されている血液型による性格判断や健康診断であるが、一般世間ではいまだ多くの人々の興味を引いている。
血液中には、さまざまな遺伝的要素や免疫細胞など親や祖先から受け継がれる個人や民族に特有の物質が含まれている。それは言葉の言い回しにもよく現れている。「血統」「血脈」「血族」や「俺の血が騒ぐ」「下町っ子の血が騒ぐ」「○○家の血が流れている」などである。「血=自分の遺伝的アイデンティティ」といえるのではないだろうか。
血液型別の各種診断に多くの人が興味を持つのは、「血液型=祖先から受け継いだ自分の本質」のことを深く知りたい心理が働いているのだろう。
さて、血液型について調べていくと、人類の歴史、病原菌の性質、はては免疫学や病気の予防知識へとつながっていき、非常におもしろい。以下は、アカデミズム(学界)の中では少数派とされる学者や一般人の資料、著作からの論考をまとめたものである。
日本民族の由来は諸説あるが、一見、単一民族国家に見える日本も、実際は多民族で混成されており、それは血液型の分布にも表れているようだ。
日本人の約4割を占めるA型は、日本に稲作を伝えた中国大陸の農耕民族の血液型
O型は、アフリカ大陸由来で人類最古の血液型とされ、縄文人に多く、日本人の約3割を占める。
インドやウラル地方の遊牧民族に由来するといわれるB型は2割を占める。(残り1割のAB型はAとBの混成)
その一方で、ヒトや動物と同じように病原体にも血液型がある。肺炎双球菌はA型物質を持ち、結核菌はB型物質を持つ。また、ある種のサルモネラ菌はO型物質を持っていたり、というようにほとんどの細菌、病原菌は血液型物質を持つ。
そこで、病原菌と血液型との間には相関関係があると推測される。病原菌と同じ血液型の場合、免疫系が病原菌を排除しづらく、感染を起こしやすいというものだ。
一般的に一番免疫力が強いのはO型。次にB型、A型、AB型と続く。日本人に多いA型は、免疫力が弱い部類に入る。とはいえ、一番免疫力が強いO型でもペストやコレラには弱かったり、B型は他の血液型に比べ、若干、結核にかかりやすい傾向があるとされる。このように血液型によってかかりにくい病気とかかりやすい病気があることを示す研究調査は過去数十年で世界各国に複数ある。
また近年、米国立がん研究所が、「A型、B型、AB型は、すい臓がんのリスクが高い」と発表。
欧州心臓病学会は、「A型は心疾患のリスクが、他の血液型の2~20倍高い」と発表。
東大医科学研究所などの研究チームも「O型はA型に比べて、1.4倍、十二指腸潰瘍になりやすい」と発表するなど、医学界の主流において相関性はないとされてきた血液型と病気に関する研究は現在も進められている。
『血液型の科学』(祥伝社)の著書であり、寄生虫博士として有名な免疫学の藤田紘一郎氏によれば、「血液型で免疫力は異なる。異物と闘う抗体を作るリンパ球の割合(白血球中)は、O型39%、B型37%、A型36%、AB型34%。つまり、O型がもっとも病気に強く、AB型はもっとも病気に弱い」という。
以下、血液型別にかかりやすい病気をまとめると、
●A型・・・ノロウイルス等の食中毒、感染症全般、がん、糖尿病、心筋梗塞 膵臓がんのリスク
●B型・・・結核、インフルエンザ 膵臓がんのリスクなど
●O型・・・胃潰瘍、十二指腸潰瘍 ペスト コレラ など