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遠い森 遠い聲 ........語り部・ストーリーテラー lucaのことのは
語り部は いにしえを語り継ぎ いまを読み解き あしたを予言する。騙りかも!?内容はご自身の手で検証してください。
 



 

  浦和パルコで対談ショーがありました。届けるものがあったので わたしとしては有りえないことに開場前についたのですが すでに長蛇の列 .... 谷川さん 人気があるんですね。谷川さんと山田さんの対談がとてつもなくおもしろくて わたしは笑いっぱなしでした。寄席に行くより笑いました。

 山田さんは脳梗塞で倒れられたので 車椅子 ことばもちょっともごもごで 時折 立ち往生してしまう その間がよかった しばらくしんとして すると谷川さんとか さりげなく 一発かますんですね。 谷川さんと山田さんが信頼しあっていて 男の友情っていうんでしょうか 辛口なんだけど ことばのはしばしににじみ出る互いに思いあう機微というか端的に愛というか がなんともよかったです。角川書店から 自選谷川俊太郎という文庫が出ています。700円+消費税 よく売れているそうです。

 終わったあとサインをいただいて(ちょっとミーハー) カフェで読みました。谷川さんが佐野洋子さんと別れてから10年くらい 落ち込んでいたこと 山田さんがおろおろしながら見守っている様子 その後作風が変わったこと 山田さんはその後の詩が好きだ....と書いてありました。

 岸田衿子さんが谷川さんの最初の結婚のお相手ですが わたしは語りの師である櫻井美紀さんから岸田さん 谷川さんのことを聞いていたので よみがえるものが多々ありました。櫻井さんは岸田衿子 今日子姉妹と子どものころからのおつきあいだったのです。子どものころ 衿子さんがご自分をきれい子ちゃん 妹の今日子さんをきたな子ちゃん と呼んでいたこと 離婚したあとも 衿子さんが 「俊ちゃん きて」と呼ぶと 谷川さんがやってきたこと 今日子さんはとても内気だったこと 文学座 サロメデビューの内幕など カフェでの語り談義の合間に教えていただきました。

 櫻井さんとわたしはカフェを梯子しては語った....あんなにエレガントで話していて楽しい方をわたしは知りません。その櫻井さんから岸田今日子さんの最後の舞台を誘われたのに行かなかった。それも悔いのひとつです。その後のおつれあい はせみつこさんともかかわりがありました。わたしははせみつこさんにお会いしたくて 問い合わせて どこかの上流私立幼稚園 クリスマス会に出演している はせさんのパフォーマンスを見学させていただきました。はせさんも子ども心を持った方で わくわくするようなたのしい時間でした。そのときいただいたものは 14年今も続いている幼稚園のおはなし会に生きていたんだと 今 気がつきました。ワークショップに行ったときもはせさんが参加者全員をつつみこんでいる そのあたたかさを感じ 斬新なエクササイズに驚きました。

 たとえば あ だけで コントをつくる ... これ うちのエクササイズで今も ときどき 使います。みんなイラナイモノを振り捨てて生き生き輝いて超新星のバクハツみたくなって 最後はハグ...その感動をメールで送ったら秘書さんから 宣伝につかわせてほしいとメールをいただきました。はせさんと別れたあとも 谷川さんはともにステージに立たれたりしていた それが素敵ですね バシンときらない 別れても好きなひとのままでいる....  これってむつかしいことですよ バシンバシンと切り捨ててきて 櫻井さんともタモトを分ってきてしまった それはそれで自分を押し進める 荒野に踏み出す勇気となったけれど 切らないにこしたことはありません。否応なくいつかは切れる 岸田衿子さん 今日子さん 櫻井先生 みんな むこうへいってしまわれました。 

 谷川さんの対談ショーは だじゃれの応酬のすえに ひとつの真理にたどり着きました。 山田さんはいいます。谷川さんのエッセンス 極上の詩はことばで作り込んだものではないと .... たとえば かなしみ たとえば ただ たとえば ぼくはいかなきゃなんない.... 谷川さんはいいます。無意識下からこぼれてくる?ことばのようなものを 意識で添削しみがきあげる .... 山田さんはいいます。巫女のフリした ....

 これって わたしが 語りの芯 と感じていることと同じ .... ものがたりは降ってくる それを 降るまま その速度で 鉛筆で走り書きする ほとんど直すところはないんですけど ことばとか韻とか削ったり添えたりする。降ってくるときは感覚に身をゆだねる巫女 .... 手を加えるのは冷静な客観者 ....

 わたしは天から降ってくる 内なるソラから降ってくると感じます。すべてはウチガワにあるとも感じます。それは無意識 膨大な習合意識 ともいえるでしょう。詩人 作家 画家 音楽家 役者 の ほんとうにいいひとたちは そこへのアクセスを知っているひと です。そのためのうつわたる自分を磨いているひと 魂と技術を。

 自分が...と カン違いすると たちまち堕ちてしまう 書けなくなる それで クスリに手を出したり 剽窃したり 自殺したりする。....谷川さんが 今もつながっている 生み出している それはほんとうに稀有なこと 奇跡みたいなこと 生きていながら岩波から全集が出るのも当然ですね。

 さて 最初におはなしした 届け物とはなにかといいますと シリーズ子どもの戦争のチラシなのです。実は7月2日 対談のコーディネーターであり良質な児童書を出版してきた童話屋田中さんが きてくださることになりました。今まで語らなかった 子どものときの戦争体験 を語ってくださる .... そのチラシをきのうの朝になってつくっていたんです。10日お風呂に入るヒマもなかった これはいいわけ ... 1週間前に材料をいただいていたのに どろなわのわたしは 前日やっとつくったラフが気にいらなくて フォトショップの前で立ち往生していました。

 タイトルは童話屋さんの自筆の鉛筆書きの文字を 9枚 レイヤーを貼り合せて 鉛筆だから まだうすい。しかたがないので 空を切り裂いて 背景にした。でもおさまらない。そのとき閃いた。これは文字ではない画像だっけ ... イメージから 明暗を一挙に暗にした。すると 文字が黒々とせりあがってきた。 黒(くろ)というより夜明けをはらんだ黎(くろ) わたしは震えました チラシではひさしぶりに .... なんという力強い文字 人生の重さ切なさそして希望がつまっている文字 もうこれだけでいい 背景のソラは消しました。いいものができるという確信 いい会になるという確信がありました。 童話屋さんも気に入ってくださった    岩波の編集者さんも....とうかがってうれしかったけど これはひとえに童話屋さんの文字のチカラ いのちのチカラです。

 どうぞ 7/2 おいでになってください。戦争体験を聴くのは ときに涙もにじむけれど じつはつらいことでもかなしいことでもない 生きるチカラをいただくことだと わたしは思います。

 

 



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