(注)本レポートは「マイ・ライブラリー」で一括してご覧いただけます。
http://mylibrary.maeda1.jp/0475OilMajor2019-2ndQtr.pdf
スーパーメジャーと呼ばれる五大国際石油企業(ExxonMobil、Shell、BP、Total及びChevron)の4-6月期決算が相次いで発表された。ここでは売上高、利益(総合、上流部門、下流部門)、売上高利益率、設備投資および石油・天然ガス合計生産量について各社の業績を横並びで比較するとともに各社の四半期決算の推移を検証する。
決算の詳細は以下の各社のホームページを参照されたい。
ExxonMobil:
https://news.exxonmobil.com/press-release/exxonmobil-earns-31-billion-second-quarter-2019
Shell:
BP:
Total:
https://www.total.com/en/media/news/press-releases/second-quarter-and-first-half-2019-results
Chevron:
https://www.chevron.com/stories/chevron-reports-second-quarter-net-income-of-4-3-billion
なお過去の四半期業績及び2010年から2018年までの通年の業績比較は下記レポートを参照されたい。
http://mylibrary.maeda1.jp/SuperMajors.html
1. 五社の4-6月期業績比較
(表:http://menadabase.maeda1.jp/1-D-4-22.pdf 参照)
五社を横並びで比較すると売上高及び天然ガス生産量ではShellがトップである。一方、設備投資、原油生産量および原油と天然ガスを合計した生産量の各部門ではExxonMobilが、また総合利益、上流部門利益及び売上高利益率はChevronが、下流部門利益はBPがそれぞれトップである。売上高は五社すべてが前年同期を下回っており、総合利益ではChevronのみ前年同期を上回ったものの、他の四社は20~50%の減益となっている。原油生産量ではExxonMobilがずば抜けて大きく、一方天然ガス生産量ではShellだけが100億立方フィート/日を突破しており他の4社を引き離している。
(トップを独走するShell、前年同期比では5社全てが減収!)
(1) 売上高
(表http://menadabase.maeda1.jp/1-D-4-22.pdf 参照)
(図:http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-51.pdf 参照)
2019年4-6月の売上高は五社すべてが前年同期比で減収となった。各社の原油・天然ガス生産量は前年同期に比べいずれも増加しており(本稿下記参照)、代表指標原油Brentの今期の平均価格は昨年同期と大きく変わっていない。このことから減収の要因は上流部門ではなく下流部門にあると考えられる。
各社の売上高はShellが918億ドルと最も多く、次いでBPが727億ドル、ExxonMobil691億ドル、Total512億ドルである。Chevronは5社の中で売上高が最も少ない389億ドルであり、トップのShellの4割強にとどまっている。また各社の対前年同期の増減益幅は、Shell 5.1%減、BP 3.7%減、ExxonMobil 6%減、Total 2.5%減、Chevron 8%減であった。
(続く)
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