石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

JXTG/出光興産と五大国際石油企業の2019年4-6月期業績比較 (2)

2019-08-20 | 海外・国内石油企業の業績

(注)本レポートは「マイ・ライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0476MajorJxtgIdemitsu2019AprJun.pdf

 

 

(JXTGの売上高はShellの4分の1、出光は7分の1!)

1.売上高 (図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-5-10.pdf 参照)

2019年4-6月期のJXTGの売上高は2兆5,148億円、出光は1兆4,763億円である。これをJXTGは1ドル=110円、出光は1ドル=109.9円で換算すると(換算レートは各社の決算説明資料から引用、以下同様)、JXTGは229億ドル、出光は134億ドルとなる。

これに対してメジャーズ)5社の同期の売上高は最も多いShellが918億ドル、ついでBP 727億ドル、ExxonMobil 691億ドル、Total 512億ドル、Chevron 389億ドルである。JXTGはメジャーズ最大のShellの4分の1であり、出光は7分の1にとどまっている。メジャーズの中で最も売上高が少ないChevronと比べてもJXTGは半分、出光は3分の1である。売り上げ規模で見れば日本企業と欧米企業の差は大きい。

 

(大きく見劣りする日系2社とメジャーズの利益格差!)

2.純利益 (図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-5-11.pdf 参照)

 メジャーズ5社と日系2社の純利益は売上高以上に大きな格差がある。JXTGの4-6月期の純利益は174億円(1.6億ドル)であり、出光の純利益は360億円(3.3億ドル)であった。一方メジャーの同期間の利益はChevronの43億ドルを筆頭に、以下ExxonMobil 31億ドル、Shell 30億ドル、Total 28億ドルで最も少ないのはBPの18億ドルである。メジャーズの中で最も利益の高いChevronに比べると出光はChevronの8%、JXTGは4%に過ぎず、メジャーズで最も利益の少ないBPと比べても出光は5分の1、JXTGは10分の1にとどまっている。

 

(出光はメジャーズで最も低いBPに肩を並べる!)

3.売上高利益率 (図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-5-12.pdf 参照)

 売上高利益率を比べてみると、利益率が最も高いのはChevronの11.1%であり、これに次ぐのがTotal 5.4%、さらにExxonMobil 4.5%、Shell 3.3%と続き、BPは5社で最も低い2.5%にとどまっている。これに対し出光の売上高利益率は2.4%とBPに肩を並べる水準であるが、JXTGはわずか0.7%であり、大きく見劣りしている。

 

 (続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行         〒183-0027東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                               E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする