石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

中国、世界最大のガス輸入国に:BPエネルギー統計2019年版解説シリーズ天然ガス篇 (16)

2019-08-26 | BP統計

BPが毎年恒例の「BP Statistical Review of World Energy 2019」を発表した。以下は同レポートの中から天然ガスに関する埋蔵量、生産量、消費量、貿易量及び価格のデータを抜粋して解説したものである。

 *BPホームページ:

http://www.bp.com/en/global/corporate/energy-economics/statistical-review-of-world-energy.html

 

(3) LNG貿易

(後続に追い上げられる輸入1位の日本と輸出1位のカタール!)

(3-1) 2018年のLNG貿易

(図http://bpdatabase.maeda1.jp/2-4-G02.pdf 参照)

 2018年の全世界のLNG輸出入量は4,310億㎥であった。輸入を国別でみると最も多いのは日本の1,130億㎥であり輸入全体の26%を占めており、第2位は中国735億㎥(シェア17%)、第3位は韓国602億㎥(同14%)である。中国のLNG輸入量は年々増加しており、2017年には韓国を追い越して世界2位の輸入大国になっている。一方日本のLNG輸入量は減少或はほぼ横ばい状態にあるため中国との差は年々縮まっている。因みに日中韓3か国だけで世界のLNG輸入量の57%を占めている。第4位はインドでその輸入量は306億㎥、第5位は台湾(228億㎥)とアジア、特に極東の国々が上位を占めており上位5カ国のシェアを合計すると7割に達する。これらアジアの国々に次ぐのはスペイン(150億㎥)、フランス(131億㎥)である。

 

 一方国別輸出量ではカタールが最も多い1,048億㎥であり、世界の総輸出量の24%を占めている。カタールに次いで輸出量が多いのはオーストラリア(918億㎥)である。両国の順位は前年と変わりないが、対前年増加量はカタールの14億㎥に対し、オーストラリアは160億㎥と大幅に増加している。輸入国、輸出国とも1位と2位の差は縮まっている。輸出国の第3位以下はマレーシア(330億㎥)、ナイジェリア(278億㎥)、米国(263億㎥)と続き、特に米国は対前年でほぼ倍増し、輸出国の順位も前年の8位から5位に躍進している。

 

(注)ここに掲げた数値は純輸出入量であり、輸入と輸出双方がある場合は両者を相殺した数値とした。例えば米国の場合2018年のLNG輸入量21億㎥に対して輸出量は284億㎥であり、差し引き263億㎥の輸出となる。因みに2017年の米国のLNG輸出入は輸入22億㎥、輸出174億㎥であり輸出量ベースでは2017年は110億㎥の増加であった。

 

(続く)

 

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        前田 高行         〒183-0027東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                               E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

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