BPが毎年恒例の「BP Statistical Review of World Energy 2019」を発表した。以下は同レポートの中から天然ガスに関する埋蔵量、生産量、消費量、貿易量及び価格のデータを抜粋して解説したものである。
*BPホームページ:
http://www.bp.com/en/global/corporate/energy-economics/statistical-review-of-world-energy.html
3.世界の天然ガスの消費量
(1兆㎥を超えた北米の年間消費量!)
(1)地域別消費量
(図http://bpdatabase.maeda1.jp/2-3-G01.pdf 参照)
2018年の世界の天然ガス消費量は3兆8,500億立方メートル(以下㎥)であった。地域別では北米が1兆223億㎥と最も多く全体の27%であり、次いでアジア・大洋州の8,253億㎥(22%)である。この両地域で世界の消費量の半分を占めている。これに続いてロシア・中央アジア(5,808億㎥、15%)、中東(5,531億㎥、14%)、欧州(5,490億㎥、14%)の各地域が5千億㎥で並んでいる。その他の地域は中南米1,684億㎥、アフリカ1,500億㎥であった。アフリカの天然ガス消費量は世界全体の4%で北米の7分の1にとどまっている。
各地域の消費量と生産量(前章参照)を比較すると、北米の生産量シェアと消費量シェアは同じ27%である。その他の地域はロシア・中央アジア(生産量シェア22%、消費量シェア15%)、中東(同18%、14%)、アジア・大洋州(同16%、22%)、欧州(同6%、14%)、中南米(同5%、4%)、アフリカ(同6%、4%)である。
北米及び中南米は生産と消費の比率がほぼ等しく地域内で需給がバランスしていることがわかる(域内消費型、地産地消型)。これに対してロシア・中央アジア、中東及びアフリカは生産が消費を上回っており、一方アジア・大洋州及び欧州は消費が生産を上回っている。このことから天然ガスはロシア・中央アジア、中東及びアフリカの各地域からアジア・太平洋或は欧州地域へと地域を超えた貿易が行われている様子がうかがえる(域外貿易型、なおガス貿易については次章で詳述)。
(続く)
本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
前田 高行 〒183-0027東京都府中市本町2-31-13-601
Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
E-mail;maedat@r6.dion.ne.jp