石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

石油と中東のニュース(8月9日)

2019-08-09 | 今日のニュース

(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil

(石油関連ニュース)

・米中貿易戦争による景気悪化予測で石油価格7か月ぶりの安値。Brent $58.26, WTI $53.25

・中国、米制裁下でイラン原油輸入継続。7月は440-1,100万バレル程度か

(中東関連ニュース)

・シリア政府、米・トルコのクルド地区緩衝地帯設定に断固反対

・エジプト、インフレ鎮静化。6月は過去4年で最低の8.7%

・ヨルダン国王、英新首相と会談

・UAE、10月の連邦議会選挙で男女議員数同数に

・クウェイト、韓国石化企業SKCの株式49%取得

・英豪華客船会社P&O、ペルシャ湾クルーズツアーを休止

・サウジ、ジェッダーマッカ間の道路を「ムハンマド皇太子道路」に改名

 

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五大国際石油企業2019年4-6月期決算速報(4)

2019-08-09 | 海外・国内石油企業の業績

 

(注)本レポートは「マイ・ライブラリー」で一括してご覧いただけます。

 

http://mylibrary.maeda1.jp/0475OilMajor2019-2ndQtr.pdf

 

 

 

 

2.2018年第1四半期以降の四半期別業績の推移

五社の売上高、利益(全体、上流部門および下流部門)、設備投資、原油・天然ガス生産量に関する2018年4-6月期以降今期までの四半期ごとの業績推移は以下の通りである。

 

(1) 売上高の推移

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-61.pdf 参照)

 2018年第2四半期から2019年第2四半期に至る四半期ベースの売上高の推移は、この間の原油価格の変動と密接に関連している。Brent原油の価格は2018年第2四半期の平均で1バレル74.39ドルであった。続く第3四半期は75.16ドルとわずかながら上昇したが、第4四半期には68.81ドルに急落、今年第1四半期も63.13ドルに下落、下落幅は2期連続して8%以上を記録した。今年第2四半期の価格は昨年第4四半期まで戻っている。

 

 ExxonMobil、BP及びChevronの売上高は上記の価格変動をそのまま反映しており、Shellの売上高もほぼ同じ傾向を示している。Totalだけは過去1年間を通じて売り上げに殆ど変動がなく、原油価格に左右されない体質である。

 

各社の四半期ごとの推移を見ると売上高が最も多いShellは968億ドル(’18 2nd Qtr)→1,002億ドル(3rd Qtr)→1,022億ドル(4th Qtr)→857億ドル(’19 1st Qtr)→918億ドル(2nd Qtr)であり、今年第1四半期に落ち込んだが他の四社を大きく引き離してトップを維持している。ExxonMobilとBPは全期を通じて殆ど差が無く、BPは754億ドル(’18 2nd Qtr)→795億ドル(3rd Qtr)→757億ドル(4th Qtr)→663億ドル(’19 1st Qtr)→727億ドル(2nd Qtr)、またExxonMobilは735億ドル(’18 2nd Qtr)→766億ドル(3rd Qtr)→719億ドル(4th Qtr)→636億ドル(’19 1st Qtr)→691億ドル(2nd Qtr)であった。売上高4位のTotalは510~550億ドルと年間を通じて殆ど増減がなく、売上高が最も少ないChevronは422億ドル(’18 2nd Qtr)→440億ドル(3rd Qtr)→424億ドル(4th Qtr)→352億ドル(’19 1st Qtr)→389億ドル(2nd Qtr)であり、昨年は400億ドル台を維持したものの、今年は300億ドル台に転落している。

 

(2)利益の推移

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-62.pdf 参照)

 過去1年間の四半期ごとの利益水準は各社によって異なるものの、いずれも欠損は出していない。

 

5社の中ではShellは60億ドル(’18 2nd Qtr)→58億ドル(3rd Qtr)→56億ドル(4th Qtr)→60億ドル(’19 1st Qtr)と昨年年初から今年初めまでコンスタントに60億ドル前後の利益を計上したが、今期は利益が30億ドルに半減し、5社中の3位に落ちている。ExxonMobilの昨年第2四半期の利益は40億ドルであったが、その後62億ドル(3rd Qtr)→60億ドル(4th Qtr)の利益を計上した。しかし今年に入り利益は24億ドル(’19 1st Qtr)→31億ドル(2nd Qtr)に低迷、アップダウンの激しい1年であった。

 

BPとTotalは年間を通じて同じような利益変動の曲線を描き、昨年第2、3四半期は30億ドル前後の利益を計上した後、第4四半期には10億ドル前後に急落、今年に入って持ち直している。Chevronは34億ドル(’18 2nd Qtr)→40億ドル(3rd Qtr)→37億ドル(4th Qtr)→26億ドル(’19 1st Qtr)→43億ドル(2nd Qtr)と5社の中では比較的安定している。

 

(3)売上高利益率の推移

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-63.pdf 参照)

 1年前の昨年第2四半期の五社の利益率はChevronが8.1%と最も高く、次いでTotal 7.1%、Shell 6.2%、ExxonMobil 5.4%と続き、BPは最も低い3.7%にとどまっている。Chevronの利益率はその後も9.2%(’18 3rd Qtr)→8.8%(4th Qtr)→7.5%(’19 1st Qtr) →11.1%(2nd Qtr)と高い水準を維持して常に5社のトップであり続け、特に今期は他社を大きく引き離す二桁の利益率を示している。

 

 一方5社の中で利益率が最も低いのはBPであり、第3四半期以降も4.2%(’18 3rd Qtr)→1.0%(4th Qtr)→4.4%(’19 1st Qtr) →2.5%(2nd Qtr)にとどまり、今年第1四半期こそExxonMobilをわずかながら上回ったものの、その他の四半期の利益率は5社の中で最も低い。

 

(続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行         〒183-0027東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                               E-mail;maedat@r6.dion.ne.jp

 

 

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