ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

首都高X

2007年10月11日 | 高速道路
首都高で検討されている簡易型通信装置について、ベストカーに情報がのっているというコメントを頂いたので早速買ってきた。

コンビニでは若者のクルマ離れを反映し、大抵のカー雑誌が棚落ちしてしまっているが、ベストカーはなんとか生き残っているようで、ローソンでなんとか購入することが出来た。

さて、この補完システムだが、開発コードネームは「首都高X」だそうだ。
首都高速㈱のコードネームなのか、開発会社のコードネームなのかはわからないが、爆走ビデオゲームとしか思えない名称は笑える。
さらに写真を見る限りでは「裏物」系にしか見えない。

なめさんからのコメントで頂いているとおり、タバコより小さいシガーライタ電源の本体はなめさん推定で幅約46mm、縦約66mm。明らかに電子マネーより小さい。(電子マネーがクレジットカードサイズであるということが前提になるが)

ということは、カードは内蔵しない、ということになる。
カードと機械は一対一対応させるのだろう。

2000-3000円程度のデポジットで貸し出され、返却時にデポジットは戻るようだ。

入口では電子マネーを収受員に手渡しし、最高金額を引き落としてもらう。
しかし、これは鉄道の自動改札のようにバーとタッチ式でいいように思う。

出口では通信機の情報をアンテナが読み取り、首都高のサーバーにその電子マネーIDと返金額の情報が蓄積されて、コンビニなどで返金されるという。
つまり、出口でユーザーの電子マネーに直接返金されるわけではない。

入口・出口ともなかなか面倒な仕組みになっている。
これが技術的な制約によるものか、意図的なものははわからないが、多分後者だろう。
なぜなら、ほとんどの海外のETCがこの程度の仕組みでノンストップを実現している。
(注:この部分については筆者の憶測で技術的な検証が必要です)

日本のETCはグローバルスタンダードからみれば遥かにオーバースペックになっている。

その理由は二つある。
ひとつは、回数券やハイウェイカードの偽造に相当懲りているということ。
まあ、わが国の高速道路料金が偽造に値するほど高価だ、というのがその背景ではあるが。

もうひとつ、その決済機能を商業利用に開放し、民間の力を活用し普及をすすめ、AHSなどのITSへと展開を図ろうとした、ということだ。
しかし、それがために高価で面倒な手続きが必要となり、思いのほか普及に時間がかかってしまったし、普及率もある程度までいったら頭打ちとなるだろう。

そしてそれ以上に愚かな結果となっているのは、このオーバースペックにした理由である商業利用やAHS的な利用は今もって出口のない手探り状態である、ということだ。

こうした状況が、今回のような中途半端な新しいシステムの導入という結果を生んでいるといえるのではないか。

もう、根本的に考え方を変えたほうがいいと思う。