ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

東名集中工事と死亡事故

2007年10月17日 | 高速道路
スマートウェイ2007の記事の間に挟まってしまうが、どうしても言っておきたい。

恒例の東名高速道路集中工事が始まって、恒例の追突死亡事故が発生した。

勿論、渋滞の最後尾の表示やパトカー配備など、道路会社、所轄警察はできる限りのことをしているのだろうが、それでも2日連続で大きな事故が発生しているというのが現実なのだ。

渋滞末尾へ突っ込む理由は、わき見、居眠り等の理由はあるがいずれもヒューマンエラーだ。
一方、スタンドアロンのレーダによる追突防止技術はすでに確立している。

高速道路で大型トラックにノーブレーキで突っ込まれたら、まず死亡事故になる。
大型トラックの追突防止装置装着義務化を検討する余地はないのだろうか?

いつ実現するかわからないDSRC路側機+ITS車載器によるインフラ協調ITSよりも、まずはすでに存在し、明日から導入できる対策を優先するべきではないのか。

防止できるヒューマンエラーで命を落とす人がいる、というのはなんともやりきれない。

スマートウェイ2007 その2

2007年10月17日 | ITS
スマートウェイ2007の続き。

昨日の講演には午前の部しか出席しなかったが、午後の千葉工業大学 赤羽弘和教授による基調演説でこのブログが紹介されたそうだ。

申し込み時の勘違いで午後のセッションには参加が出来なかったが、とても残念。
いずれにしても光栄の至りです。
(ぼーずさん、ryokrtさん、情報提供有難うございました)

さて、昨日の午前の部、二人目のスピーカーは米国交通省(DOT)のMs.S.J.Row.
女史はDOTでITSの統括責任者を務めている。

DOTでは、わが国でいう「インフラ協調ITS」をVII(Vehicle Infrastructure Integration)と呼んでいる。

VIIの実現はまさにDOTの決定にかかっており、DOTは今後その実現性の検討をすすめているということだ。
実現のためには、路側インフラ、車載インフラのクリティカルマスが必要であり、また持続可能なビジネスモデルやそのための有益なアプリケーションが不可欠、という、まあ当然といえば当然の話があった。

路側機、車載器インフラについては北米はまだこれからであり、日本の状況がうらやましいとのこと。

とはいっても、数量的にはクリティカルマスに達しているわが国のインフラ(VICSビーコンやETC車載器)がインフラ協調ITSにそのままの形では活用できない、というのが歯がゆいが。

北米の路側インフラについては、その整備を誰(官?民?)がやるか、どのレベルまで整備するか等課題があり、広大な土地と道路延長を考えれば、いずれにしても相当な時間がかかる。

車載機器についても、今後相当強いマーケットサイドからの圧力がかかるか、若しくは法規による強制がない限りカーメーカーが搭載することはなく、これもハードルは高そうだ。

さらに、継続的なビジネスモデル構築の重要性についても言及されている一方、それが明確に何であるかについては現時点では不透明であるように感じた。

ということで、DOTはVIIの可能性について継続検討し、2010年までには展開するか否かの結論を出す、といっている。
筆者の感じでは、あまり積極的な拡大を前提にしている話ではないように思えた。