ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

スマートウェイ2007 その5

2007年10月23日 | ITS
スマートウェイ2007ではETC製造各社がITS車載器に関して展示を行っていた。

私が一番驚いたのは、全社、それなりに力をいれて試作機を作っていたことだ。
7社(だったか?)が一斉に試作機を展示するその光景からは、商品化前提としか思えない。
しかし、付加価値の金額評価は1000円以下、といわれてしまっているこの装置をどうやって売るつもりなのだろうか。

たしかに、車載器が普及しなければ路側機を設置する意味がない、路側機がなければだれも車載器をつけないというチキンエッグだから、将来インフラ協調の運転支援を実現するためには多少強引でも官が介入する必要があるのだ、という意見もあるだろう。

そのために、車載器は無償で配布するとか、メーカーの努力と補助金を活用して追加費用無しでETCに機能追加をすべきだ、といった意見もシンポジウム参加者からはだされていた。

しかし、本当にそこまで-多かれ少なかれ税金を投入して-してDSRC活用によるITS車載器を普及させることが正しいのか、一度原点に戻ってきちんと評価をしなおすべきだと思う。

駐車場や給油所といったDSRC商業利用によるドライブは期待できない。もう2-3年やってこの程度しか普及しないのはIBAさんの努力不足ってことじゃなく、そもそも商品力に無理があるということだろう。

今回の安全運転支援にしても、「あればあったでいいな」レベルのベネフィットだ、と調査結果は示している。これは今後のチューニングでなんとかなるようなレベルではないように感じる。

VICSのビーコンは光と電波をあわせて4万近く設置されている。
しかし、光・電波ビーコンに対応したナビは全体のわずか1割程度。増加傾向にもない。
理由は簡単。ナビ・FMVICSと電光掲示板で提供される情報ですでに十分で、ビーコンはまさに「あればあったでいいな」レベルのサービスなのだ。

4万のビーコンというインフラ投資は果たして費用対効果に見合う正しい出費だったのか?これについての振り返りはされているのか?

DSRCも同じ轍をふむのではないか?