昨日ノリマサ君のCDを聴いたからでしょうか?
目覚めると、なんだか涙が出てしょうがないのです。
でも頭の中に浮かぶ顔は、教え子である卒業生の顔ばかり。
何故急に思い出してしまったんでしょう。
「藤澤ノリマサ」というアーティストを見たとき、高校を出たてで、やんちゃで子供っぽい学生達と姿をダブらせていたのかも知れません。
前職で「教える」立場に居たわたしは毎日格闘していました。
彼らに技術を身につけさせるため、わたしは何をしたらいいのか。
でもいつの間にか彼らから学ぶことがたくさんありました。
「自分を見ていてくれる人がいる」と気がつくと、「見ていてくれる人のために何か答えたい」という気持ちになると言うこと。
だから、どんな学生にも平等に、丁寧に教えることをモットーに頑張ってきました。
ある年の学生達。
わたしのこと、下の名前で呼んでくれました。
そして卒業式には寄せ書きも書いてくれました。
その中に「先生のおかげで、卒業することができました。ありがとう。」と書かれてあったんです。本当に嬉しかった。
でも時代は就職氷河期。
思った会社に就職できなくて卒業した学生、入社した途端会社が倒産した学生、卒業間際にお母さんが亡くなり、決まっていた会社に行けなかった女子学生。
意にそぐわぬ会社に入って我慢した結果、十二指腸潰瘍で入院してしまった学生。
今は30才を少し越えたくらいで、もう結婚して子供が居る人も居ると思います。
建設系の会社は何処も大変で、解雇されたり減給されたりしていることも多いでしょう。みんなそんな中を頑張っているんだなぁと、胸が苦しくなります。
わたしには子供がいないので「息子みたい」という感覚は無かったのですが、学生のお母さんとはいろいろとお話をしたこともありました。
時には、お母さんの過保護ぶりが手に余ったこともありましたが、親が子を思う気持ちは何時の時代も変わらずにあるのです。
そして子供達も親の期待に応えたいと一生懸命頑張っていました。
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今日は寒い一日だったけれど、久し振りに晴れ上がって、三愛の丘から十勝岳が綺麗に見えました。
そして旭川からの帰り道、ツインハーブ橋から見た旭岳がピンク色に輝いていました。
国道に出てから、途中車を止めて旭岳を見つめました。
車を出すと、またまた卒業生の顔が浮かび、旭岳を見ながらボロボロと泣いてしまいました。ああ、何故こんなに涙が出るのでしょう。
前職の職場に対して、自分の出来ることは一生懸命やったと自負しているので、振り返ることは殆どありません。
でも大好きだった学生達の事を思うと、何故か心が痛いです。
建築の1年生で、とある試験のため、放課後残ってお勉強していた学生達。
残念ながら試験に落ちてしまい「来年も頑張る!」とわたしに誓ってくれた学生達。合格するまでちゃんと側に居られなかったこと、本当に申し訳ないと思っています。
自分のせいでは無いけれど、責任を感じます。
美瑛に来てから、自分のことだけで精一杯だったけれど、ふと学生達の顔が浮かぶなんて、わたしも年取ったのかな?
美瑛に帰ってきてからは、日も落ちた三愛の丘にもう一度行ってみました。
夕日に浮かぶ芦別岳やぼんわりと浮かんだ十勝岳も何故か心に染みる風景でした。