☆★今日のショット★☆

綺麗なお花や美味しいたべものなどあれこれあれこれ載せて行きたいと思います。

デス・ゾーン 河野啓

2021-04-02 05:17:00 | 読書・音楽その他




七大陸最高峰単独無酸素登頂を目指した登山家栗城史多。

その存在を知ったのは、彼が姪と同じ大学に通っていた時だ。
身近な大学で、面白い学生がいるんだな、野口健みたいな学生がいるんだな、と興味を持った。

その後、ネットやメディアを通じてその行動を知ることになるのだけれど、凍傷で指を失った時は何故かホッとした。もうエベレストには行かないよね?

私は登山が趣味だが、エベレストに詳しくも無いし登りたいとも思わない。
ただ美しい景色を間近で見たいという気持ちだけはある。
そんな私でも、無酸素で単独で登頂するなんて、絶対無理だと思った。
何度も挑戦し、登頂できずに帰国した栗城を、メディアやファンは批判したが、私はホッとしていた。だって、生きて帰って来たから。

だから、指を失った時、もう挑戦しないだろうと思ったし、日本にも良い山が沢山あって、ガイド業をしながら山を楽しむことだってできると思ったから。

でも、本を読んで、そんな事をする人じゃなかったんだ、と感じた。
本当は山が好きだった訳じゃないんだな、と。
だからもし生きて帰って来ても、エベレスト以外の山に携わる事は無かったんだな、と思う。

130ページまで一気に読めたけれど、何だか裏切られた様な気分になって、一度読む気を失った。
生前の色んな人との関わりが綴られているが、実際に栗城が何を成し遂げたかったが分からない。ネットを通じてヒーローになりたかったのかな?

ある意味、現代社会の人なのかなとも思う。

SNS等から批判も応援も、本人に届く現代社会。
もう後戻りはできない。挑戦し続けなければ居場所が無かったんだなと思う。

だけど、栗城本人の思いは本人にしか分からない。
だから、憶測で「こうだったんじゃないか?」と書かれても、本当にそうなのかな?とも思う。
もし亡くなる直前の事まで栗城が語る事が出来たら……。いや、本当の事は言わないよね😅

後味が悪い、ある意味尾を引く本だった。
知らなくて良い事がいっぱいあったな、と思う。



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 帰省していました。 | トップ | 球根、掘られる »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿