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国民に銃口を向けることになる

2011-01-24 21:26:29 | 折々の随想
「21世紀の歴史」を書いたフランスの碩学、ジャック・アタリが、たまたま23日の日曜日の夕方のNHKの番組で、日本の財政赤字について、それを解消する方策についてインタビューを受けておりました。

その中で、アタリは方策は次の4つしかないと述べております。

1.イノベーションを進め経済成長をはかる。
2.子どもや移民を増やして人口増をはかる。
3.(確か)15-20%の歳出削減を3年間は続ける。
4.(これも確か)15-20%の増税を3年間続ける。

下の2つの数字はうろ覚えですが、ほぼあっていると思います。誠にまっとうな見解ですが、この後に続いた言葉はさすがにドキリとするものでした。

こうした4つの方策を実行に移すのは政治の責務である。もしそうした決断と実行をしないなら、インフレか債務デフォルトを招き、結果的には国民に銃口を向けることとなる。

ここまで過激な言葉が出てくるとは思いませんでしたが、まさにその通りです。

彼は、このまま放置していると金利が上昇し国際価格が下落。そして日本国債を大量に抱える金融機関が次々に破綻すると言っておりますが、アイルランドの例を見ても、金融機関を破綻させないため、政府財政を顧みずに金融機関にマネーを注入するものと思います。その結果が大幅な円安とインフレを招くことになれば、確かに、年金と貯蓄だけに頼る高齢者の富が大きく目減りし、食べることも叶わぬ国民が半数程度になれば、これはまさに国家が国民に対して銃口を向けたと同じことですね。

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明日のモニタリング銘柄(1.25.11)

2011-01-24 16:01:34 | 明日のモニタリング銘柄
明日、1月25日(火)のモニタリング銘柄です。( )内は順にS1(下値抵抗)R1(上値抵抗)ピボット(上値ブレーク)です。

1.6902デンソー(2945、2990、3010)
2.6849日本光電(1727、1754、1765)
3.6305日立建機(1918、1972、1995)
4.6981村田製作所(5870、5960、5990)
5.6762TDK(5610、5700、5730)
6.4348インフォコム(117500、124000、126400)
7.7717ブイ・テクノロジー(411500、430000、438000)
8.2371カカクコム(459000、474000、479000)

以上ですが、今日は買いサインが232銘柄中、計48銘柄点灯しております。そのうちから代表的な銘柄を挙げてみました。
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真空は無ではない

2011-01-24 12:01:01 | 折々の随想
土曜日の「休日のバッハ」の中でご紹介した、大澤真幸著、「量子の社会哲学」には、タイトルにあるように量子力学についての知見が豊富に引用されております。

この本の最後に記された次のような文章、まさに筆者の今の心情を量子力学が見事に説明しております。少し長いのですが、株の昼休みの時間を利用して引用してみます。

『普遍命題においては、ことがらは死んだ事物秩序の中で捉えられている。それに対して存在命題においては、対象は「これ」と指示できるような<私>と対峙する生ける<他者>として現れている。存在命題から普遍命題への飛躍の中で失われるのは、この<他者>性である。』

『量子力学にあっては真空でさえも単なる無ではない。真空もまた「それ以上の何か」であって、そこでは、ゆらぎを通じて物質が出現したり消滅したりを繰り返している。これと対応することを、われわれは、親しい<他者>が亡くなったときに体験する。この部屋にはもう彼/彼女はいない(真空)。ただ彼/彼女が使っていた万年筆やベッドがあるのみだ。このとき、ますます、われわれは彼/彼女の現前を感じてしまう。無に対する残余として<他者>の実在をむしろ強く感覚するのである。』

前段の文章は、なぜアフガニスタンの悲惨な人々を見ても我々は痛痒を感じないのか?を説明した後に記述された文章です。テレビで悲惨な人々を見てもそれが普遍命題であるが故に<他者>性が失われており、何ら苦しみを我がものとすることができません。ところが、親しい<他者>がアフガニスタンで苦しんでいる様を見れば、存在命題に転じて<他者>性を実感します。それを後段の文章で見事に説明しております。

まさに、彼女(妻)の死によって真空になったものの、それによって返って彼女の実在を強く感じるのは何故かを、量子力学が見事に説明している下りとなっております。

この普遍命題と存在命題については、ガーゲンの社会構築主義理論の中でも、次のような喩えとして言及されております。

テレビで例えばヨーロッパの古い町並みを見ても何ら実感が湧きません。ところが1度でも行った場所が紹介されるとその町は俄然輝きを持ちます。それは失われた<他者>性が回復し存在命題に転化して、その町の様々な風景や人々の実在を強く感じることができるためということになります。

このように、難解といわれる量子力学は、我々の生活実感の中でも十分に説明しうる理論ですので、筆者もこれまで理解が不十分だったこの量子力学について、この本により少しは理解ができた思いです。量子力学についてすっきりと知りたい方にはおすすめです。

但し、超越的な神の存在を信じる方はこの本を手にしない方が良いかも知れません。株で勝てない方で理由を知りたい方は必読??
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